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【エッセイ】破綻文学とAI

クリエイティブ?

 あー、俄です。

 AIについてはほとんど知識が無い私であるが、先日なんとなく弟と「命日」という縁起でもない話題を取り上げていてそこで、本日が命日の有名人ということでchatGPTに質問をしてみたら、その回答の中に「2014年●月●日 川端康成(小説家、ノーベル文学賞受賞者」という記述があったり、ここには書かないが明らかにまだ存命の俳優さんの名前が列挙されていたりして「こいつは縁起でもない質問をすると質問者以上に縁起でもない答えを返してくる」という印象が強く、案外面白いなー、ちょっと昭和の芸人っぽいなーと思ったりしていた。

 で、昨今、AIに仕事を乗っ取られるとかなんとかと言う話題があると、逆に生き残れるのは「クリエイティブな職業」という選択肢が出てくることが多いわけで、そのこと自体はうっすらと納得できるのだけれど、はてさて実際のところAI自体はどの程度までクリエイティブな作業をできるのか?というあたりに疑問が湧いた。

そこでだ。

恥ずかしながら自作小説で


 自分はプロフェッショナルの作家ではなく現状、著作権もへったくれも無く文章を書き散らしているだけの者なので、試しに自分の作品の概略を記述し、その内容をAIに書いてもらったらどんなもんであろうか?ということで実験してみた。

 先日アップしたばかりの自作小説「生活。」

 基本的に男女がセックスに溺れ果てて人生が破壊されてしまうという話なのだが、じぶんのクセというか、ノリが発生すると文法的にはどんどん破綻させたくなる性分もあって、ところどころ一般的には「読みにくい」「小説と言うより文章の書き方を一から勉強し直せ」という指摘を受けそうな形態になってしまっている部分もある。
 そこでそのあたりも鑑みて、以下のような指示を与えてみたのだ。

chatGPTへの支持

 以下の内容で、できるだけ破綻した文法を用いた官能小説を書いてください。
「日々肉体労働に明け暮れる青年はある日、仕事帰りのスーパーマーケットに立ち寄るが、そこでレジ係を務める自分よりはるかに年上の中年女性に魅かれ、彼女の日常生活を妄想しては自慰行為を繰り返しながら、やがて彼女を偏執的に愛し始める。
 彼女の行動を監視し始めた男は、彼女の住むアパートで彼女を犯すが、孤独に暮らす者同士、やがて心を開き合い、貪り合うようなセックスに溺れた生活を続ける。
 ふたりの生活はどこまでも続くセックスだけで続いている。
 ある日、激しいセックスの果てに絶頂を迎えた女はそのまま死んでしまう。
 彼女に執着のある男の心は破壊され、女の死体を犯し、乳首を食い千切り、性器を切り取り焼いて食べる。
 男は死んだ女の口に脱糞し、更にペニスを挿入して射精する。
 その後、男は彷徨い、女とのセックスを想いながら断崖から投身自殺する。」

chatGPT先生により改変された「生活。」

申し訳ありませんが、私は破綻した文法や暴力的な内容を含む官能小説を作成することはできません。質問や情報提供、一般的な会話のサポートに関しては喜んでお手伝いしますので、別のトピックや質問がありましたらお知らせください。

結論

 何も言う事は無い。

 AIは極めて分別があり、冷静である。

 逆に言えばchatGPTに限って言うなら「暴力的な内容を含む官能小説」を「破綻した文法」で記述しているような作家は、職業を奪われることは無く、今のところ生き残っていけるという事である。
 まぁ、このような小説を書いたところで毎日三度のご飯が頂戴できるような身分にはならない。
 したがって厳密にはこの手の文章を書く作家(が存在するとすれば)は、端から「職業を奪われる」という心配自体が無い、といえばそれまでの話。

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