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CRAZYから独立した、私の告白。森へみんなへ。

まだ何も書いてないのに、タイトルと写真を入れただけで涙が出そうだ。会社を辞めて半年。その後のこともあれこれ気になってしまいそうだから、なるべく顔を突っ込まないようにと思っていた…が、結局のところ私は一時的に奄美大島で、CRAZYのことも過去のことも思い出す暇もなく、過ごせなかった日々を取り戻すかのように、ただ娘と毎日を暮らすことに没頭していた。会社について、新しい事業もオフィスの移転もなにも知らず、世間と同じようにSNSやプレスリリースを読んで知るような日々。見事かな私は、未練というものがこれっぽっちもないような人間に思えた。

そう、今の私に一点の曇りもない。独立を決めたことも、その後の選択も、今この瞬間の人生にも。でも、ある記事を読んで、あの時の気持ちがドクンと動いた。昨日は9/4。クレイジー(904)の日と名付け私たちが毎年、周年イベントをやったり、プロジェクトをやったりと愛着を持ってきた日だ。今年は、CRAZYの新しいHPとブランド発表。それを創業経営者だったりえから暖かいメッセージとともに連絡を受けた。「誘われて一緒に会社を立ち上げた咲に、私からこれを送る日が来るなんてね」という言葉とともに。

私が独立前、自分のプロジェクトで死ぬ気で作ったお気に入りのHPも刷新された。寂しくないかと聞かれたら、ちょっとの間をおいて、なぜだろう寂しくないな、とからりと思う。そうあるべきだと思うのだ。そして、私の名前が許可なし(笑)に頻出しているその記事とスライドを見て、あの時のことを、忘れたかのように過ごしていた独立前後のことを思い出さずにはいられなかった。

独立を決めたあの頃、夫婦も家族も経営も一緒くたになって、責任は重くて、時間はなくて、物事が思うように進まなかった。そしてなにより、私たちは孤独だった。出産と子育てに一切の後悔はないけど、私はそれによって、世界で一番信じていたものを失った。創業から一緒に駆け抜けて、仕事以外のすべての時間、一緒に夢を語った、もりちゃんというパートナーを。働きながら命がけで命を守り、時にイラつく私に輝きはなく、私たちは責任を求め果たし合う、孤独な戦いをしていたと思う。怖いとも、寂しいとも、助けてとも、言うこともできずに。

孤独の中で森ちゃんは、それでも創業者である私を尊重し、私は経営者としての森ちゃんに遠慮した。気がつくと二人で立っていた、その場所に誰も立ててなかったのだと思う。私は、自分自身の才能を疑い続ける日々に、それでも声を上げ続ける日々に、疲れてしまった。消耗しきっても、CRAZYを辞めたいなんて思わなかった。思えなかった。でも、個々人の人生が真ん中にあるから、パワフルな場所、それがCRAZYだったと思い出した時に、私は生涯CRAZYな人間であることに変わりはないから、今は会社からは離れよう、と思えたのだった。

論理的に辞める理由なんてひとつもないけど、身体がそれにYESと言っているような気がして、心が楽になった。自分の心に光が灯り、家族にもCRAZYにも光が見えるイメージが持てた。そこからは、あっという間だった。山川咲を失う、という一番したくない決断を、森ちゃんが、りえちゃんが、受け入れ合意してくれた。そのそれぞれの勇気によって、私たちは私たちを失わない決断をすることができたと思う。

あれから半年という時間が、あっという間に過ぎていった。

会社にも、人生にも苦しい時があり、運命を変えるような出会いがあり、辛い別れがある。皆、何度でも転んで、立ち上がって、それでも信じる方へと進んでいく。私もそう。CRAZYもそう。私は今回、あの独立後見ないようにしていた、いや怖くてできなかったかもしれないCRAZYを初めて直視することができた。そして、この記事を読んで、そしてブランドの資料を見て、「あぁ、これがCRAZYだ」と、思った。独立して初めてCRAZYと向き合い、安堵と喜び、そしてエールが込み上げた。

成功が約束されているからじゃない。誰かがどうしても信じたいものがある。そのきらめきと純粋さ、熱い気持ち。その一途な気持ちに、どうしても人が集ってしまう。人が動いてしまう。そのたった1つの記事に、私たちが一度失ってしまったそのCRAZYの息吹を感じた。CRAZYは、葛藤し、もがき、そしてまた立ち上がったのだ。もう私にさえ、その成否をジャッジすることはできない。ここに賭けたいという一縷の望みに集い、そこにいる人たちがそれを決めればいい。誰にも何にもとらわれず、自分たちが信じる理想へ向かう、それこそが創業から変わらぬ、CRAZYが担う時代の灯火だと思うから。

最後に、社員にごめんね、もある。未熟な人間で、経営者で。でも、私たちはそういう約束で一緒にやってきたとも思う。役割はあるけど同じ人間としてベストを尽くそう、と。働いてくれた誰もが、人生をかけてCRAZYを選び、会社よりも一人一人の、つまりは自分の人生が大事だと本気で思って、向き合ってもがいた、第1章の8年間だったと思う。事業を推し進めるなかで、人間として本当に成長し変化し、CRAZYを経由した人たちの一人一人が、本気で生き抜いて、私たちはここまで来た。みんながどうにか繋いだ明日が、昨日の904の発表に繋がっていた。

創業期に必死で働いて、一緒に深夜に床に寝転んでた寝食ともにした仲間たちが、最近次々と独立して挑戦をしている。自分も含めて、関わってきたすべての人たちの今にもエールを送りたくなった。そして、なによりも感謝を。私と、私たちと生きると決め、大切な人生のその時のすべてをかけてくれたことを私は生涯忘れないだろう。その日々の輝きは、今でも脳裏に浮かぶ。そして私をいつもうっすらと泣かせる。一人では実現しなかった、あの理想を信じて駆け抜けた日々が自分の人生にあることを、誇りに思う

また、新しいCRAZYが始まる。それを、妻として、皆の友として、もちろん公式のビジョンパートナーとしても応援したいと思う。そこにいる人たちの命が輝いていることが、今でも私にとって誇りであり願いである。がんばってね。私の愛しい大切な人たち。私の分身のようなCRAZY。私も恥じなく精一杯生きます。大切な9/4の翌日に。

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CRAZY WEDDING 創業者、山川咲

共に過ごした移転前のラストオフィスにて


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