どの年齢で始めても、「工夫次第」「努力次第」で伸ばしていく
「ぴあのすく~るSan's」でも、幼児プレクラスが人気です。幼児の保護者様は熱心で、お子様のことをよく考えておられると感じますね。
幼児期から始めるといろいろとよい効果がありますが、もしその時期を逃してしまっても、また中学生、高校生から新たにピアノを習い始めるにしても、工夫や本人の努力次第である程度まで伸ばせる、と、私は考え、レッスンをしています。
【幼児期スタートの場合】
私はプレクラスでは、
「弾く」
ことを最優先の目標にしてはいません。
これは発達段階に比べて、「ピアノ」という楽器が大きなものなので、無理をさせて後で弊害が出ないようにという配慮です。
また、幼児期だからこそできることというのがあります。耳を育てる、リズム感、音への感覚は小さいうちからがよいです。
<注意>
幼児には難しい曲を鍵盤ハーモニカでさせている園があるようですが、鍵盤ハーモニカができるからピアノが弾ける、というふうにお子さんも保護者様もお考えにならない方がよさそうです。鍵盤ハーモニカは鍵盤はありますが、音を出すのは「吹く」からです。
【低学年ー小学校1、2年スタートの場合】
現在在籍中の生徒を見ていても、5歳~7歳スタートが一番開始についてベストではないかと感じています。先生のお話が聞けるようになり、ある程度自分の意思でピアノを習いたい、とはじめる子が多いです。
ただし、既に幼稚園・保育園で激ムズな鍵盤ハーモニカをやってきた子については注意が必要です。(<注意>参照)
初歩のピアノで躓きやすいのは、「両手奏」あたりとなります。
また、小学生になったからいきなり自主的にピアノの前に座る、という子は数少ないです。最初の習慣づけが最も効果が出やすいのは、低学年までだと感じます。親御さんは最初の2年ほどは、面倒でも練習の声掛け、付き添いなどをお願いします。(家庭練習のお悩み相談もお受けします)
【中学年ー小学校3、4年スタートの場合】
この学年からスタートする子は、学童保育を終了してとか、ほかの習い事に区切りがついてやっと腰を落ち着けてピアノを習える、という、比較的やる気の子が多いです。お友達が弾いているのを見たり聞いて、やっぱり習いたい!という子もいます。
学校の教科書などに載っている曲を弾きたい子も多いため、私の「教材カスタマイズ」では、知っている歌が入っている教本や曲集を1冊は加えます。
例)「たのしいピアノレッスン1」デプロ
小学校低学年の生徒に人気の曲集です。
注意ポイントとしては、親御さんが学年で判断して「小3だからもっと難しい曲を」などと口出しされないようにしたいもの。学年で弾けるのではなく、習っている年数や練習状況、ステージ経験の有無などで変わるのです。
【高学年以降^小学校5年生以上でスタートする場合】
この学年からスタートする場合は、弾きたい曲があるというのが大きいかもしれません。
理解力があるので、進みは早いです。
理論を並行して取り入れやすいのも特徴です。
マイペースでレッスンが可能です。
中学生から始めても、高校3年まで続けば趣味として続けられますが、親御さんが「勉強」を優先させたがったり、本人が不安になって忙しい塾通いを始めると、両立には工夫が必要になります。
(この話は別記事にまとめます)
【小4以上スタートの場合、ご家庭でお願いしたいこと】
1)楽器は買い替えがないことを前提に
高学年スタートの場合、電子ピアノでもよいものを使って欲しいです。
不安な方はレンタルもお勧めしています。
2)ピアノを習うと学習にも活かせる!遅いのではと思わないで
3)グレード試験など、形になるものに挑戦するのもお勧め
入試の時に、グレードの級やピティナの継続表彰が自己推薦書に書けます。
「物事を続けられる」「頑張れる」証明になります。
4)ひとりぼっちにしないで!親御さんもコミュニケーションを
最初から送迎だけだったり、本人だけが通学するケースも多いです。「もう〇年生だし一人で大丈夫」「口出しするとうるさがられるから放任です」などの話を聞きます。でも、習わせるだけで関心を示さない親というのも子どもからしたら寂しいものですよ。
私は多くの「こまったちゃん」を教えて来たピアノ教師です。
「こまったちゃん」というのは具体的には、読譜が中途半端になっていたり、練習しない習慣がついてしまったり、なぜピアノを習おうと思ったか忘れてしまっていたり、親御さんの口出しが多くて混乱してたり、そういう感じです。
逆に優等生の「できるこちゃん」を担当する方が少なく、手を替え品を変えやることは苦になりません。学校のこと、ご家庭のことなど、ピアノの練習に影響を及ぼすことがあるかもしれませんのでご相談を受けております。
それぞれの時期で、優先してできることは違う場合がありますが、大事なのはまず
「ピアノ弾きたい!」
の気持ち。
それを大事に、見守っていただければと思います。