「連弾」をレッスン課題に取り入れる理由、そして実際の効果
「ぴあのすく~るSan's」は教室の特徴として、普段の課題に「連弾」を取り入れています。
取り入れ始めてから3年ほど経ちました。
もともと、私自身連弾と言うスタイルが好きでした。
私は世代的に「バイエル」が初歩教材の全盛期だった頃にピアノを始めていて、先生に伴奏をつけていただくのが楽しみでした。
手元にバイエルピアノ教則本(あるいは、子どものバイエルなど)がある方は見ていただくと分かりますが、1番から連弾です。
単純な「ドレミ~♪」の動きに、先生の伴奏をつけてもらうと、ちょっぴり上手になった気がしませんか?
バイエルのハーモニーは、基本のもので、ヒネリはありません。ヒネリがないから、シンプルでいい。
その後、妹が同じ先生に習っていた頃は、姉妹連弾をやっていました。
ディアベリの連弾の本を知ったのも、もっというと、ディアベリ、という名前を知ったのもこの頃です。
音大のピアノ科時代、講義が休みで時間があくと、友人と連弾をして遊んでいました。
たまたま友人が持ってきた連弾の本を自分も自宅に持っていて、懐かしいなと思ったり。
ステージには載せませんでしたが、ドビュッシーの「小組曲」や、ドヴォルザークの「スラブ舞曲」もやりました。
このような経験から、連弾を生徒たちに取り組ませることで「ソロだけでは味わえない楽しさ」を経験して欲しいなと考えました。
発表会のためだけでなく、普段からレッスンに連弾を取り入れてきたことで効果を上げていることは、
「メロディ以外のパートを聴くことの大切さに気づくようになった」
「合唱伴奏のオーディションなどで、歌を聴きながら伴奏を弾くことが楽になった」
「アンサンブルをレッスンで体験できる」
ということが挙げられます。
教材は、橋本晃一さん編曲の「ワン・ピアノ・デュエット」上/下巻を現在使用しています。
知っている曲(ちょうちょうやロンドン橋、10人のインディアンなど)や、クラシック(愛の夢やドナウ川のさざなみなど)ポップスアレンジのものなどが含まれています。
必ずやってもらっているのは、「プリモ(第一ピアノ)」「セコンド(第二ピアノ)」両方のパートを練習してきてもらうことです。連弾は多くが、プリモは年少や経験が浅い人、セコンドは先生、上級者の組み合わせが多く、それが当たり前のようになっていますが、いつもメロディばかりとかいつも伴奏ばかりではもったいないなと感じました。また、「ワン・ピアノ・デュエット」を使っていると、セコンドパートに低音でメロディが出てきたり、プリモパートが伴奏になるのもいいな、と思います。
セコンドパートを練習することで、ベースライン(低音)の動き、伴奏形リズムなどが学べます。
当日の組み合わせ発表で「ぶっつけ本番」もやっています。既にレッスンで仕上げた曲ではあるけれど、いつも組む子とは違う子と組んだりして、なかなかスリリングです。が、その場でお互い合図など相談しているのもコミュニケーションとして大切なことだなと思います。
普段のレッスンにも使えそうな連弾の本を私も探していきたいと思います。