ソフトウェアとハードウェアを繋ぐ。LUUPプロダクトデザイナーとして得られた学びと経験
2022年4月から兼業で、電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」のユーザーアプリのデザインに携わっています。
兼業ではありますが、現在週の約半分はフリーランス的な働き方をしているため、週1〜2日ほどユーザーアプリをメインに、ハードウェア以外のデザインをお手伝いさせていただいています。
今日はそんなLUUPでプロダクトデザインに関わることの魅力をお伝えできればと思います。
LUUPについて
LUUPとは、電動キックボードと電動アシスト自転車が借りられるシェアリングサービスです。
「LUUP=電動キックボード」というイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、電動キックボードに加えて電動アシスト自転車も借りることができます。私も実際にLUUPの自転車をよく使っています🚲
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そんなLUUPを利用するために必要なのが「ユーザーアプリ」で、私はそのアプリのデザイン全般を担うデザインチームに所属しています。
初回のアカウント登録から、LUUPに乗るポートや返却するポートの選択、利用開始のために車両のQRコードスキャン…など、LUUPの利用に必要な操作はほぼすべてアプリ上で行います。
デザイナーとしてどんなお仕事をしているか
そんなユーザーアプリにおいて、現在PM2名と私を含めた兼業デザイナー2名の体制で、とにかくストレスなく、スムーズに、そして楽しくLUUPを利用いただける体験を提供できるよう、日々アプリデザインの改善に取り組んでいます。
スモールチームではありますが、ユーザー体験に大きく影響するところに関しては全員でフィードバックをし合いながらデザインを進めています。
既存機能の改修・新機能の追加
お仕事の一例をご紹介すると、LUUPが自転車だけだった頃から大きくアップデートがされていなかった「ポートの詳細画面の改善」も今年リリースされた改修になります。
上記のような情報の再整理から、マップなどの画面で使われるアイコン等の細かな改善や、よりストレスなく体験していただくためのコピーの改善も含め、チーム一丸となって取り組んでいます。
また、LUUPを利用いただいている方々の声をもとに、LUUPがより便利になる機能の追加も行っています。
今年だけでも様々な機能がリリースされました(※ 私が関わっていないものも含めています)
LUUPならではのUXリサーチ
日々アプリを通して寄せられる声に加え、より具体的な課題を探るため定期的なインタビューも行っています。
現在UXリサーチ専門のメンバーがいないため、PMの2名を中心に、デザイナーの私もユーザーインタビューや設計を担当させていただいています。
LUUPの利用における一連の体験をより良いものにするためには、アプリの操作だけではなく、「今日LUUPに乗ろうかな」と思う瞬間から、無事に目的地に到着するまでのすべてのフェーズにおいて、LUUPのリアルな使われ方や、利用時に考えることを細かく知る必要があります。
そこで、実際の利用シーンを観察するため、「いつも使っているルートに付いて行かせてください!」形式のユーザーインタビューも行っています。
実際に普段利用されるルートに同行させていただくことで、データだけでは分からなかった利用シーンにおいての課題や、想定外のアプリの使われ方、Zoom等のインタビューだけでは引き出しづらかった利用時のリアルな困りごとなど、改善のタネになるような瞬間にたくさん出会うことができます(この調査の過程や結果などはぜひ別の機会にまとめてみたいと思っています)。
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その他、ポートに設置する看板のデザインや、プレスリリースやSNSで使用する画像など、アプリのUI中心に幅広くデザインやリサーチに関わらせていただいています。
LUUPのデザイナーだからこそできる経験や学び
1. 「アプリだけで完結しない体験」を考えること
LUUPにおいてアプリは重要な役割を担いますが、もちろんアプリだけではサービスは成立しません。
電動キックボード、電動アシスト自転車のハードウェア
それらの車両があるポート
ポートがあることを知らせる目印(のぼりや看板)
LUUPの使い方を知ってもらう看板
イベントの際に使うグラフィック
…など、アプリ以外の様々な接点も含め、一連の体験を常に頭に置きながらデザインを考える必要があります。
上述したようなUXリサーチの一環として実地調査をしていると、まったく想定していなかった行動に出会うことも多々あります。
たとえば利用開始に必要な操作の一つに「ライド開始用のQRコードを読み取る」というアクションがあります。
その所作を観察していると、車両に印字されている利用方法にある「QRコードのアイコン」を読み取ろうとしてしまい、反応せず困っている方を見かけたこともありました。
こういった課題は今後、アプリチームとハードウェアチームが連携してデザインの観点で改善できる余地がある部分になります。
このように、より良い体験を提供していけるよう組織内のさまざまなチームと協力しながらデザインに取り組めることは、LUUPのデザインに携わる大きな魅力だと思っています。
2. 世の中に正解のないUIや体験を考えること
海外に行った際に電動キックボードを街なかで見かけたことがある方も多いかと思いますが、国によって利用上のルールが大きく異なる場合が多々あります。
欧州で電動キックボードを提供するサービスの多くは、特定のエリアの中であればどこでも車両を停めて良い仕組みになっているため、アプリで「ポート」ではなく「キックボード自体」を探すような設計になっています。
一方でLUUPには「ポート」という概念があり、車両をポートで借りて、ポートに返却する仕組みになっています。
そのポートで、LUUPには電動キックボードと自転車があり、利用者によって・又は利用時のシチュエーションによってそれらの車両が使い分けられる場合があります。
このように、一見類似サービスがたくさんある業界に思えても、サービス利用の体験自体は大きく異なってきます。
そのため、他のプレイヤーのUIや考え方をそのまま取り入れられるようなケースはかなり少なく、「LUUPにおいての最適な体験と、それを実現するUI」を常に手探りで探しています。
一方で、デザイナーとして、それを模索していく過程は非常にやりがいのある挑戦だなと感じています。
3. 自分がエンドユーザーとして「さらに良くしたい」プロダクトであること
私自身、デザイナーとしてサービスに関わる前から、LUUPを利用する機会がしばしばありました。
2年ほど前までは下北沢に住んでおり、距離的には近いのに電車が通っていないというエリアがたくさんありました(下北→三茶、下北→中目など…)
タクシー使うのもちょっと気が引けるし…そんなときにLUUPを始めとした電動マイクロモビリティのシェアリングサービスは、その隙間を埋めてくれる一つの交通手段となっていました。
もともと利用者でありプロダクトの1ファンであったLUUPに、実際にデザイナーとして関わり始め、さらにプロダクトを好きになっていきました。
一方で、初回登録をもっとスムーズに行えると良いな、と思ったり、ライド開始までの操作をもっとシンプルにしたい…など、「もっと良くしていきたい…!」と強く思えるプロダクトでもあり、デザイナーとしてそんなプロダクトに関われる経験がとても幸せであると感じています。
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LUUPが掲げる“街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる”というミッションに、デザインの力で貢献していけるようこれからも頑張っていきたいと思っています。
LUUPのアプリをデザインの力でさらに成長させる仲間を大募集!
前述したように、まだまだLUUPアプリのデザインにおいて、できること・やるべきことが山のようにあります。同時にデザイナーとして、とてもやり甲斐があり、様々な挑戦があるプロダクトのフェーズだとも思っています。
そんなLUUPでは、一緒に最強のアプリをつくっていくプロダクトデザイナーを大募集しています!
デザイナー以外のポジションも絶賛採用中みたいなので、ぜひぜひ気になる方は採用ページを覗いてみてください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
これまであまり発信できていなかったLUUPプロダクトデザインの魅力を、これからも紹介できればと思っています。
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