1994年嘘がバレる
Cちゃんとお友達になる
幼稚園の頃憧れていたCちゃんと
小学校で同じクラスになった。
Cちゃんはすらっとして背が高く、髪はサラサラで、運動神経も良く、おまけにとても優しい性格だった。
幼稚園の頃は近寄り難く、お友達になれなかったが、歌が好きなこと・本が好きなこと・同い年のお姉ちゃんがいることなど、意外と共通点が多く、昼休みに一緒に歌をうたったり、想像のお話を考えたりするうちに、すっかり仲良くなった。
ショッパーズでショッピング
ある日の放課後Cちゃんと遊んでいると、これから一緒にショッパーズに行こうよと誘われた。
ショッパーズとは、駅前のダイエー及び専門店街の総称で、休日のお買い物=ショッパーズであり、近所の憩いの場のようなショッピングモールだ。
こどもだけ、しかもCちゃんと2人でショッパーズだ。
絶対に行きたい。
そう思った私は、親の許可を取らず、内緒で行くことにした。
内緒で行ったショッパーズは、胸の奥がなんだか重たかった。
罪悪感というやつだ。
嘘がばれる
家に帰ってからも、そしらぬふりで過ごしていた。
すると電話がなる。
Cちゃんのお母さんからだ。
耳を澄ませるが、何の話をしているのか聞き取れない。
電話がきれた。
お母さんに何か言われるかと身構えたが、特になにも言われなかったので、ばれなかったのだと安心してお風呂に入った。
すると
「えまちゃん、今日Cちゃんと2人でショッパーズに行ったんでしょう。さっきCちゃんのお母さんから聞いたよ。」
すっかり嘘がばれていたのだ。
「ごめんなさい」
「こどもだけでショッパーズは危ないよ。嘘はつかないでね。」
「ごめんなさい」
「何か買ったの?」
「シール買った」
「そう」
その後
嘘の便利さを知った私は、この後も嘘をつくことをやめられず、大なり小なり嘘を便利な道具のように使って生きている。
残念ながらこの出来事は「嘘をついてはならない」という教訓にはならなかった。
しかしながら、この日の嘘のバレ方は非常に後味が悪く、いつまでも忘れられない。