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土で暮らしをデザインするってどういうこと?

私、鈴木が経営しております、有限会社左菊という会社は左官屋さんという壁塗り職人の会社です。

左官屋(有)左菊の経営理念

一応経営理念がありまして「左官を通じて伝統文化を育み、
自然の恩恵を感じながら、次世代の文化創造に貢献する。」
という、
ミッションがあるのです。

そんなもんで、サイトとか、看板とかにはサブミッションとして
「土で暮らしをデザインする」と表記しております。
特に私には何ら違和感ないのですが、ふと考えると
「どういう意味?」となりますね(^^;)

 別に土壁のお家を推奨している訳でなく(いや、推奨していますw)
自分が土でモノを作るということに、とても憧れをもっていて、
その憧れに対する学びで多くのことに気づけたのです。
なもので、生活を豊かにする考え方として、土の建築。土のものづくり。
土壁作り。光るどろだんご。土のレンガ作り。かまどつくり、ピザ窯作り
などなどなど。。。。そこから見えた世界があるのです。

土壁にあこがれて・・・・

左官屋になったのが18歳。当時はどんどん住宅から
左官屋さんの壁が激減していた時代。1990年代半ばでした。
こちらの記事を参照ください。

なものでその時は、突き抜けねばならない。究極でなければならない!
無駄に意気込んでいて(^^;)、左官屋って言ったら土壁塗れないとまずいだろう?
と考えていて、私の周りの価値観ではそんな時代遅れなもの必要じゃないだろう?と思われていました(T_T)

本を読んだり。土壁の現場に参加させていただいたり、
ワークショップに参加したり。講習会にも参加したり。
ありとあらゆる方法で体験していきました。

そんな時に榎本さんという名人に出会う

そんな学びを積み重ねていた時に、ご縁を頂いて
東京都は千石に住む、榎本新吉さん(故人)にお会いする機会を頂きました。
もはや、仙人の域。会話が通じないw
榎本さんとのエピソードは山盛りあるのでそれはまた別記事にしようと思います。

沢山のことを教わりましたが、一番強烈に覚えているのが
「今の若ぇやつは、10~100は知っているけど、1~10を知らねぇから
100で止まっちまうんだよ。1~10を知っていれば、千でも万でも行くんだよ」

便利な時代。便利なものに囲まれて、私たち職人も根本の部分を
習得せずとも、材料と道具のおかげで仕事ができたりします。
ですが、そこにはものづくりの極意はない!と断言された気がしました。

ものづくりの根本ってなんだろう?

たとえば、「新居の内装の壁をどうしよう?」と考えたときに、
”~~風”のような考え方が浮かぶと思います。例えば、
「あそこのお店みたいな雰囲気。」「カタログに載っているこれ。」
「建築雑誌に載っていたこの物件にように。」と、何かを引用することが
ほとんどですし、それが普通です。
ただ、その引用したオリジナルのものづくりは何なんだろう?
どうしてこのデザインになったんだろう?とイメージを膨らませて
しまいます。。。。私、理屈っぽいのでwww
でも、そこに根本があると。原理原則がある気がします。
それを導きだすのには知恵が必要なのかなと思うのです。

昔は、家を作るときには、身の回りにあったもので作ったと思うのです。
車もないですし、宅急便もないですしw

そこらへんに固まる土があるから壁にしただけで。
そこらへんに生えている竹を組んで下地にしただけで。
だけど、そんな土壁は雨に打たれると流れてしまうから、
さてどうしよう?と工夫が始まる。
屋根の軒先を伸ばして壁に雨がかからないようにしよう。とか
水に濡れても崩れない土に代わるものはないか?とか。
ものづくりは工夫の積み重ねだと思うのです。

榎本さんにそんな根本の話を聞いたら、必要な道具が
一新しました。いろいろ。

榎本さんに会うまでと会った後では世界がまるで変ってしまいました。
以前は社会にお膳立てされていた環境で、踊っていたなぁと。
今は、そのお膳立てから降りて、
社会に提案する術を身に着けている気がします。(現在進行形)

そうやって、土壁を塗れるカリスマ職人になりたい!!
と浅はかな志wから一転、生きていくための知恵というか、
暮らしを豊かにする術も身に付けた。身に付いてしまったと
思います。

土で暮らしをデザインするんです。

身の回りにある土が、暮らしのための壁になるなんて。
今の時代では全然必要ないですし、まったく無関心でも、
生活は豊かになります。
ですが、こっちの世界を知っていると
このテクノロジーがバリバリに発達していく社会も、
もっともっとダイナミックに感じとれると思います。
テクノロジーのお膳立ての上で踊れる幸せもありますが、
このテクノロジーを、真逆の手作業のモノヅクリから見ると
それはそれで、楽しいですし暮らしがもっと豊かになります。
土や水や火を楽しむ生活が今、もっとも贅沢な暮らしだと
私は感じるのです。
土で暮らしをデザインする。
ピザ窯、かまど。火を使ったりします。
すべて、人間の生存活動のなかで必須となる要素が凝縮されています。
土で暮らしをデザインする。
今回の記事では書ききれなかったので、続編も書こうと思います(^^♪

それでは、最後まで読んで頂きありがとうございます(^^♪




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