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木槿(むくげ)と芙蓉(ふよう)

夏から秋にかけて次々と咲き継ぐ木槿。「槿花一朝の夢」といわれるように、一日花と思われていたことから「朝開暮落の花」なんてもいわれます。

また夕方に萎む花であることから、この花がいけてある部屋に通されたときは、長居しないのが礼儀とか。ものをあからさまにしない日本人の美意識が感じ取れますね。

木槿は葉が小さめ。低木です。

さてこの木槿によく似た花で、間違えやすい花が「芙蓉」です。私もうっかり間違えます。それら違いのひとつには、芙蓉のほうが葉が大きくて、そして萎んだ蕾はおひねりして可愛いです。花は美人さんにたとえられ、またこの花も一日花であることから「美人薄命の象徴」とも。

芙蓉は葉が大きい

先週末、近所にある神社の境内に真っ白な花が咲いてたので、寄ってみたら芙蓉でした。花と目が合う、とは花をしている友人とはよく言うのですが、この芙蓉は目を合わせてくれなかった。顔だけ向けて目を合わせないなんて、なるほど美人のすることだ、なんて思ったり。

それでもこの花色の澄明な感じが秋らしくて、一日花の哀れみなんて全く感じさせなくて、秋晴れの中で見つけることができて、嬉しくなりました。

秋の花には、ほかの季節にはない、こんな澄んだ美しさもあるけれど、地に根づき、乾いた光の中で花を咲かせる逞しさもまた、秋の花ならではの美しさと思います。秋、たのしんでいますか。今日もいちりんあなたにどうぞ。

ムクゲ 花言葉「信念」
フヨウ 花言葉「繊細な美」

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