美術展『ゼロからわかる江戸絵画 あ!若冲、お!北斎、わぁ!芦雪』
2023年11月、福田美術館へ行ってきました。紅葉が見頃を迎えた休日の京都・嵐山は、渡月橋を渡るのもひと苦労なほどの人出でしたが、美術館の中は外の喧騒が嘘のように静かな空間が広がります。
すでに会期は終了してしまいましたが、昨年の企画展の鑑賞記録です。
初心者にも優しい解説パネルで学ぶ
本展では、福田美術館が所蔵する江戸時代の絵画が展示されています。日本史の教科書にも登場する「狩野派」「琳派」、江戸時代を代表する画家で現代でも人気の高い伊藤若冲など、親しみのある作品も多数並びます。
「ゼロからわかる」の表題通り、展示室には解説パネルがあり、江戸絵画の基本が紹介されていました。屏風の数え方、掛け軸の数え方、絵の具のこと、紙のこと。土地柄、外国人観光客の方にもわかるよう工夫されているようです。そうした知識を頭に入れた上で展示を見ていくと、「ああ、これは二曲一隻の屏風ね」など頭の中で勝手に復習が始まり、思いがけず学べる鑑賞体験となりました。あまり深く考えずに感性のまま鑑賞することも好きですが、頭で考えながら見て知る、というのも充実感があります。
お茶目なキャプション
作品には現代的(?)なキャプションが付けられていました。中村芳中の《芭蕉像》には「ゆるかわ芭蕉」、長沢芦雪の《山水鳥獣人物押絵貼屏風》には「思わず頬がゆるみます」、円山応瑞の《鯉図》には「お父さん、僕の絵はどうですか?」(応瑞は円山応挙の長男)、曽我蕭白の《柳下白馬図》など。思わずメモしてしまう可愛らしくてキャッチーなひとこと。美術館の方のアイディアなのか、作品愛を感じられます。作品の特長や描かれた背景などが端的にわかって、素敵な工夫です。
ミュージアムカフェは穴場
美術館併設のカフェ・パンとエスプレッソと福田美術館。ここは美術館のチケットを持った人しか入れないので穴場です。どこのカフェも混雑するであろう時間帯、15時頃でも待ち時間なく入れました。
美術館の後はリーフレットを読んだり作品一覧を見たりしながらその日の展示をのんびり振り返る時間が贅沢です。
大きな窓から見える桂川沿いは相変わらず大混雑で少しだけいい気分になれます(笑)
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