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「生きるとか死ぬとか父親とか」というドラマ
#メモ #思いの記録 #考えの記録
毎週金曜日、夜中からテレビ東京にて放送されている、このドラマ。
初めは、他のドラマを見返しすぎて、味変、休憩程度の感覚で見ていた。
でも、役者が良いこともあって、物語は面白く、1話完結なところがさっぱりしていて見やすく、1話目の段階で、これは見続けるやつだな、とは思っていた。
【公式からストーリー引用】
主人公・蒲原トキコは20年前に母を亡くし、今では父の蒲原哲也がたった一人の肉親。愛嬌はあるが破天荒な70代の父、独身で勝気な40半ばの娘。ひとたび顔を合わせればギクシャクし一度は絶縁寸前までいった二人だが、今では時々外食しながら話をする関係になっている。そんなある日、トキコは父についてのエッセイを連載することになった。ネタ集めのため父に会うたびいろいろな家族の思い出を聞く。しかしそれは楽しい記憶ばかりではない。母との出会い、全財産の喪失、そして他の女性の影…。父への愛憎と家族の表裏を描く、普遍にして特別な家族の物語。
特に恋愛がテーマでもなく、吉田羊がキャリアウーマンの話でもない。
ただ、吉田羊演じるライターが父親と2人で生きていく人生で起こる事柄を描いていく。基本的には、父親の話が多い。たまに、身の回りの同世代の親友の話であったり、祖母の話であったり、と、生活のほんとに何も特別なことない、みんが普通にスルーしている事柄を丁寧に描いている。
私は結構そういうドラマとか映画とかが好きだ。
そして、今回の第9話。
いきなり風潮を変えてきた。
いきなり、今まで描かれなかった母親の話を掘り下げる。
それに伴い若い頃の吉田羊が感じていた家族について、母親について、父親について、描かれていた。
この前の着飾る恋でも、母と娘の親子愛的なストーリーにとても弱いのだが、お母さんの言葉って、どうしてもああ温かく心強いのだろうか。
「おかえり」「ごめんね」「頑張って」「お疲れ様」「大丈夫」
他の誰が言うより、温度が高い。温かい。
そんな強いお母さんががんなのかもしれないと話した時、一気に不安になったか細い声で「一緒に病院に来てくれない?」と誘われたのに、ライブで行けない、と言って断ったトキコ。
人生色んなことが起こるけど、その中で、どれが最後になるかなんてわからない。
それが分かるのは、どうしても事後だ。
結局事後になってしまう。
ことが起きた後に、「ああ、あの時こうしてれば。」そう思う。
トキコも多分、そう思っていたのだろう。
でもお母さんの気持ちも辛い。それがよく伝わる演出もとても良かった。
お母さんががんであると医師に伝えられたシーン、お母さんの演技、凄まじく良かった。どうしたら、あんな顔できるんだろうか。経験もない状況を演じれる役者さんって、本当にすごいと思う。
がんの手術が終わり、管で繋がれた弱まった母親の姿を見て、布団から出た手を中にしまおうとしたトキコ。
母の手を触って、「こんな形をしていたんだなあと思った。」と。
確かに、私もいつも食卓を一緒にし、同じ屋根の下で暮らす母の手や足、眉毛の形がどんな形をしているのか、全く知らないなあと思った。
自分もその形を知るタイミングが、悲しい、悔しい想いと一緒ではないことを願いたいと思った。
来週、また楽しみだな。