ともの救急外来~老衰
こんにちは、ともです。田舎で3年目の救急医をしています。私生活における節約や資産形成、読書感想文などを投稿してきました。
自分の仕事を活かして少しでも人の役に立てるよう、仕事を通して学んだことや感じたことを発信してみようと思います。
今回のテーマは、
救急外来で困ること:
病気は無いけど動けない高齢者
少子高齢化が進む中で、重要なことです。
典型的なのは以下のような例です。
80歳の高齢者。息子夫婦と同居中。杖をつきながら何とか歩けており、手を貸せば自宅で生活出来ていたので介護や福祉のサービスは利用したことがない。
ある日、朝起きてから立ち上がれなかったので救急要請し、病院へ運ばれた。
様々な検査をしても異常が見つからないことが多く、原因は「老衰」でしょう。問題は、その後です。
1度病院に来てしまうと歩けなければ帰宅することは難しく、入院となる可能性が高いです。入院後リハビリをしても改善は乏しく、介護サービス無しでは自宅での生活にはなかなか戻れません。2週間くらい入院した後、長期リハビリ目的に別の病院へ転院します。それでも筋力は改善せず、何ヶ月も退院できなかったり、最悪の場合そのまま病院でお看取りとなるケースも少なくありません。
さらに、コロナ禍では面会を制限している病院も多く、入院したら「死ぬ直前まで会えない」なんてことにもなり得ます。
介護や福祉の体制がしっかりしていれば、早い段階でサービスを利用しながら退院することが出来たかも知れません。
しかし、介護申請には1ヶ月程度はかかってしまうようで、必要になればすぐに使えるものではありません。
大切な人との時間を有意義なものにするためにも、早いうちから利用可能なサービスについて調べたり、相談したりするなどの行動が重要だと感じます。
悲しい想いをする方が減りますように。
※介護の制度などについては専門ではなく、誤った情報を含んでいる可能性があります。相談すれば必ずサービスを利用出来る訳ではありません。あくまで僕の感想、願いを語っただけです。