義太夫節での日本舞踊
昨日は、文楽劇場での東西名流舞踊会のお手伝いでした。
義太夫節での舞踊
弓流し
関寺小町
でした。
「弓流し」は京舞の井上八千代師、こちらの演目は井上流にのみ伝わる舞だそうです。
とても個人的な感覚なのですが、井上八千代師の舞は私たちでいうと勘十郎さんのようで、義太夫節との「キッカケ」を緻密に繊細に、しかし大胆にさらに大きく見えるという、圧倒感を感じました。
関寺小町は文楽の演目でもある「花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)」より、秋の季節の場面です。
とくに子どもの頃からお世話になっている舞踊の皆さまのお顔を久しぶりに拝見できて、何だか長い間井戸の中にいたような気持ちになりました。
大空を見たようなほっとした気持ちになりました。
日本舞踊はたくさん流派があり、それぞれに踊りの特徴がございます(まだまだ勉強不足です)。
文楽では語る人間(太夫)と三味線のことを「床」と言いますが、むしろこれは義太夫節を語る我々のみの特殊な言い方で、舞踊などで舞とともに唄う方(関西でしたら上方唄などの地唄など)と三味線を地方(じかた)と言います。
その中で、私たちのお芝居の中でいうところの義太夫節の道行や景事などを日本舞踊で舞うことがあります。
こういった場合、義太夫の太夫と三味線弾きが語るわけです。
その場合には、私たち文楽の太夫三味線が出演させていただいたり、歌舞伎の竹本の方々がが出演なさったりします。
日本舞踊全体の中でみれば数割と数は少ないですが、義太夫独特の重さを感じられる演目となっているところが舞踊としての見応え聴き応えのひとつだと感じています。
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