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「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」東京都美術館
2024.03.24
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「モネからアメリカへ」という副題の通り、印象派の成り立ちからその影響の広がりまでを追いかけた展示でした。
▽BEST
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ジョルジュ・ブラック 1907年
写真撮影可能エリアより
カラフルな全体感と幹の黒色のバランスが
少し不穏で好き
最初のフロアがとにかく激混みだったため、階上から攻めていきました。キャプションが一つ一つしっかり書かれていたので立ち止まる人が多かったのかもしれません。
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印象派スタイルの絵の需要に気づいたアメリカの画家達が、おそらく商売的な目的も込みで次々と留学に旅立っていく姿からは今にも続く彼らの国民性を感じました。
印象派のタッチとアメリカならではの風景が混ざった絵は本流の絵と比べるとやはり趣が異なり、日本から見ると欧米と一括りにしてしまいがちな文化の機微を見られたような気がします。
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「ハーミット・クリーク・キャニオン」
デウィット・パーシャル 1910-16年
同行者とブレワイみたいと話題になった絵
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「ナタリー」
フランク・ウェストン・ベンソン 1917年
印象派の明るい世界と対比する形で、トーナリズム(色調主義)という19世紀末ごろに流行った風景画の様式についても触れられていました。
灰色や茶色、青などの暗めの色が使われ、神秘的な意味が内包されているような雰囲気のものが多く、静かに情感を揺さぶられました。
南北戦争の影響などから国内の貧富の差が広がり、現実から逃避し神的な世界へ思いを馳せる人々が背景に存在していたようです。
※撮影不可だったので備忘録
ジョージ・イネス、ドワイト・ウィリアム・トライオンなど
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誰一人撮影できていなかったパネルコーナー
印象派という一大ブームからその発展形までをコンパクトに一覧でき、休日を楽しむのにちょうどいい塩梅の展示でした。