一生遊べる趣味 将棋
みなさん、こんにちは、さきです。
今回は、僕の一番の趣味である「将棋」について紹介します。
みなさんの中に「将棋って最近よく話題になってるけど、なんだか難しそうだし、そもそも何からはじめたらいいの?」と思っている方はいらっしゃいませんか。
そういう方がこの記事を読んで、将棋に興味を持ってもらえたらとてもうれしいです。
将棋とはどんなゲームか
将棋は、9×9=81マスの盤上で、二人のプレイヤーが合計40枚の駒を動かし取り合って、自分の「王様」が捕まる前に相手の「王様」を捕まえれば勝ちになるゲームです。
専門的な言い方をすると、将棋は「二人零和有限確定完全情報ゲーム(ふたり ぜろわ ゆうげん かくてい かんぜんじょうほう げーむ)」だそうです。
すごく簡単に説明すると、すべての情報が両方のプレイヤーに公開されていて、運の要素がまったくないゲームです。
将棋では、悪い手を指したほうが負けます。
運の要素がないので、負けの原因はすべて自分にあります。
初心者と経験者が対局したら、初心者はまず勝てないでしょう。
例えば、トレーディングカードゲームは、初心者と経験者が対戦しても3回に1回とか、4回に1回くらいは初心者が勝てるように設計されているそうです。
そういうゲームバランスでないと、初心者に楽しんでもらえなくて、新規ユーザーが増えないからです。
しかし、将棋にそんな配慮はありません。
ずっと負けてばかりだったら、楽しいとは感じられないでしょう。
将棋が万人受けしない理由のひとつはこれだと思います。
一方で、一部の人が熱中するような魅力が、将棋にあることも確かです。
少なくとも僕は、将棋が楽しいと思ってやっています。
自分の頭で考えて決断して、進んだ先で勝利をつかんだときはものすごく楽しいです。
逆に、負けたときは全然楽しくありません。
負けの経験からこそ得られるものがあるとも言いますが、楽しくないものは楽しくないのです。
それでも、負けても、次こそは勝ってやると思える人だけが楽しめる、将棋とはそういうゲームなのかもしれません。
テレビゲームで遊んでいても自分は何も成長しない
僕がどのようにして将棋と出会い、その後どんなふうに趣味として続けてきたのか、紹介していきます。
僕の趣味はもともと、テレビゲームをプレイすることでした。
特にRPGが好きで、たくさんのソフトをプレイしてクリアしました。
1つのソフトをクリアするのに、何十時間もかかります。
中には100時間以上かかるものもありました。
PCでプレイするMMO-RPGにのめり込んだ時期もありました。
これには何百、もしかすると何千という時間を費やしました。
長年テレビゲームを趣味にしていたことは、今でも楽しかったと思いますし、たくさんの思い出を残してくれました。
しかし、あるとき、ふと思ったのです。
「どれだけ時間や労力を費やしても、ゲームの中のキャラが成長するだけで、自分は何も成長していないのではないか」
「楽しい思い出が残るのはいいけど、何か自分の身になるような趣味はないだろうか」
ちょうどそんなことを思っていた矢先に、僕は将棋に出会いました。
将棋との出会い
今から10年くらい前、僕は精神の病気を患って仕事に就くことができず、リハビリのため週に何回か病院に通っていました。
同じようにリハビリを受けている患者さんたちが使う休憩室に、将棋の盤と駒が置いてあり、それを使って将棋の対局をしている人たちがいました。
子どものころから将棋というゲームの存在は知っていましたが、特に興味を持ったことがなく、駒の動きすら知りませんでした。
ですが、そのとき、ふと思い立って、駒を仕舞う箱に入っていた説明書に駒の動きの説明が書かれているのを読んでみました。
そんな僕を見て、対局していた人のひとりが「一緒に対局しよう」と言って誘ってくれました。
そして、誘われるまま盤の前に座り、さっき読んだ説明書を片手に持って確認しながら、なんとか駒を動かしてはじめて対局をしました。
とはいえ、駒の動きを覚えただけでは、何をやったらいいのかさっぱりわかりません。
そうこうしているうちに休憩の時間が終わってしまい、その対局は勝ち負けがつきませんでした。
このことがきっかけで、僕は将棋に興味を持ちました。
将棋って、一体どんなゲームなんだろう。
どうすれば有利になって、どうやったら勝てるんだろう。
そうだ、わからないことは、本を読んで調べてみよう。
そう思った僕は、病院の帰りに書店に寄って、将棋の入門書を買いました。
これが将棋との出会いでした。
本を読んで知識を得る
入門書を買って帰った僕は、さっそくその本を読みました。
このとき買ったのが写真の「羽生善治のみるみる強くなる将棋入門」シリーズ3冊でした。
まずは1冊目の白い本(写真右)を読みました。
これは、将棋の駒の動き、それぞれの駒の個性、駒を動かしたら何ができるのか、何を目的にして駒を動かしていけばいいのかといった、将棋初心者が最初に覚えるべきことがとてもわかりやすく解説されている本でした。
次に黄色い本「序盤の指し方入門」(写真中央)を読みました。
これには、次のステップとして、将棋の流れ(序盤・中盤・終盤)、駒の個性を活かす方法、駒同士を連携させるテクニック、序盤の具体的な指し方といったことが解説されていました。
そして、最後に「得意戦法を身につけよう」と書かれていました。
解説はとても丁寧なのですが、初心者には少々難しい内容でした。
3冊目の黄緑色の本「終盤の指し方入門」(写真左)は、目次を読んで、ぱらぱらとページをめくってみたところ、明らかに難しそうだったので、読むのを一旦諦めました。
そして、しばらくは白と黄色の2冊を繰り返して読もうと決めました。
ところで、みなさんは本を読むのはお好きでしょうか。
僕は結構好きなほうです。
本を読むのが好きというよりも、本を読んで新しい知識を得ることが好きです。
新しい知識を得ることは、ある意味で自分が成長していると感じるからです。
将棋入門
将棋に興味を持って、今からはじめてみようという方は、まず駒の動きを覚えましょう。
僕と同じように入門書を買って読んでください。
もしくは、「将棋 駒の動き」のようなキーワードでネット検索して、駒の動きを解説しているウェブサイトを見つけてください。
他力本願で申し訳ないですが、駒の動きについては、入門書または解説しているウェブサイトを読んで覚えてください。
さて、駒の動きを覚えたら、まずは「詰将棋(つめしょうぎ)」を解いてみることをおすすめします。
はじめは「1手詰(いってづめ)」の詰将棋です。
先ほど紹介した白い入門書にも、10問くらい問題が掲載されていました。
将棋は相手の王様を捕まえれば勝ちになるゲームです。
「王様」というのは、正しくは「玉将(ぎょくしょう)」と「王将(おうしょう)」であり、両方とも略して「玉(ぎょく)」と呼びます。
言い直します。
将棋は「相手の玉を詰ませたほうが勝ち」になるゲームです。
「玉を詰ませる」、すなわち「詰み」とは「玉に王手がかかっていて、次にどう応じても玉が取られることを防げない状態」のことです。
1手詰の詰将棋は「あと1回駒を動かしたら、相手の玉が詰む」局面が示されて、「最後の1手は何でしょう?」という問いに答えるものです。
つまり、詰将棋とは将棋のルールを使ったパズルゲームです。
駒の動きを正しく理解していないと解けないので、駒の動きをしっかり覚えるのに最適です。
将棋の対局をするのは難しそうだ、ハードルが高いと感じる方は、「詰将棋を解くこと」を趣味にするのでも構わないと思います。
それだけでも十分に楽しいものです。
詰将棋は奥が深くて、1手詰でも問題によってはしっかり頭を使わないと解けないものもあります。
以下に、おすすめの1手詰問題集を3冊挙げます。
もし良かったら買って解いてみてください。
・1手詰ハンドブック
・1手詰将棋
・将棋1手詰入門ドリル
勝っても負けても楽しい
さて、僕の話に戻ります。
入門書を読むようになって、次のリハビリ通院の日、休憩の時間になると僕は将棋をやっている人たちのところへ行って、一緒に対局をしました。
入門書を読んだ効果はすぐに出ました。
もはや駒の動きを知っているだけではありません。
自分なりに目的を持って駒を動かすことができます。
相手の狙いを察知して、先回りして防ぐこともできました。
様々なことを考えながら対局を進められるようになっていました。
このとき、少しですが、自分の成長を実感しました。
僕と同じように、病院の休憩室ではじめて将棋を覚えたという人が何人かいて、そういう人たちとの対局では勝ったり負けたりでした。
また、中には明らかに将棋経験者で強い人もいました。
その人には何回挑んでも勝てませんでした。
でも、このときは対局すること自体が面白くて、勝っても負けても楽しく感じました。
「将棋は楽しい」
「どうすればもっと上手くなれるだろうか」
「入門書に書いてあったように、得意戦法を身につければいいのかな」
僕は将棋の楽しさ、面白さに夢中になっていきました。
将棋ソフトとの対局
ネットで検索して、初心者向けの戦法について調べました。
レビューサイトを読んで、初心者にもわかりやすく解説されている本を絞り込んで、買って読みました。
覚えた戦法を、病院のみんなとの対局で試してみると、以前よりも勝てるようになっていました。
僕はまた少し、自分の成長を実感しました。
ネット上で将棋ソフトと対局できるサイトや、PCにダウンロードして対局できる将棋ソフトを見つけました。
これで、自宅でも将棋ソフトを相手に対局できるようになりました。
将棋ソフトとの対局はとても気楽です。
自分の好きなときに、好きなだけ対局できます。
次の一手をどう指そうか悩んで、仮に10分や20分長考したとしても、文句ひとつ言いません。
一方、将棋ソフトのほうは基本的にすぐ次の一手を指してくれるので、待たされてストレスを感じることもありません。
将棋ソフトの一番弱い設定からはじめて、徐々に勝てるようになって、設定をひとつ強くするたびに、少しずつ自分の成長を感じました。
オンライン対局
やがて僕は病院でのリハビリを卒業して、仕事に行くようになりました。
病院のみんなとの対局はできなくなりましたが、代わりにネットでのオンライン対局に挑戦するようになりました。
「将棋倶楽部24」という、オンライン対局できるサイトがあります。
ここでは、「持ち時間15分+60秒」のような設定で対局できるので、割りとじっくり考えて指すことができます。
しかし、スタート時点の「初心」からひとつ上の「15級」に上がるのが精いっぱいでした。
将棋ガチ勢ばかりが集まっているのか、みなさん強い人ばかりです。
それでも、たまに「13級」くらいの格上の相手に勝てることがあって、そのときはめちゃくちゃうれしかったです。
「将棋ウォーズ」という、オンライン対局できるゲームがあります。
ここでは、一番長い設定でも「10分切れ負け」なので、のんびり考えていられません。
「切れ負け」というのは、持ち時間を使い切ったら即負けになるということです。
やってみてわかりましたが、ものすごく苦手です。
悪い手を指さないようにじっくり考えたいのですが、考えれば考えるほど持ち時間がなくなって、切れ負けが近づいてきます。
しかし、なるべく持ち時間を使わないようにと無理に早指しすると、たちまち悪い手を指して不利になり、そのまま負けてしまいます。
相手がどうこうの問題ではなく、持ち時間に翻弄されて挫折しました。
短い時間で考えて決断する力も大切なのだと実感しました。
そんなこんなで結局、将棋ソフトとの対局に戻ってきました。
やはりこれが一番気楽です。
本を読んで新たに覚えた戦法を、将棋ソフト相手に試しました。
いくつもの戦法を試して、対局を繰り返して、少しずつ上達していくのを感じました。
もしも今、将棋を覚えたばかりのころの自分と対局したら、絶対に負けないと思えるくらい強くなりました。
将棋ソフトとの対局で修行して、ときどきオンライン対局に挑戦する。
そんなふうにして、将棋を続けています。
あとがき
僕が将棋をはじめてから、10年くらい経ちました。
その間、ずっと将棋一筋でだったわけではないです。
他の遊びに浮気したことが何度もありました。
でも、気が付くといつも将棋に戻ってきています。
結局、僕にとって一番楽しい趣味は将棋なのです。
「将棋倶楽部24」では最高でも「14級」までしか昇級できませんでしたが、「将棋ウォーズ」では「4級」まで昇級できました。
あと少しで「3級」に届きそうだったのですが、壁に跳ね返されてしまいました。
そして、今は「ぴよ将棋」という将棋ソフトを相手に、腕を磨いています。
相手の強さを「2級」に設定して、勝ったり負けたりするくらいまで強くなりました。
「今年こそは、オンライン将棋に再挑戦しよう!」
「将棋ウォーズで初段を目指すぞ!」
などと意気込んではみるものの、結局は将棋ソフトを相手に対局する気楽さに甘える日々を過ごしています。
今後もこんな調子で、将棋を続けていくと思います。
将棋に飽きてしまうことはないと思います。
僕にとって、将棋は「一生遊べる趣味」です。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
この記事を読んでくださった方の中からひとりでも、将棋に興味を持ってもらえたらうれしいです。