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午前8時。夏真っ盛り。
いつもより少し早起きをして、近くの公園にランニングに向かう。太陽がカンカンと照っている。しかしながら公園での朝のランニングはとても気分が良いものだ。

公園をゆっくりと走っていると普段気にもしないことが目に入ったりする。道端に咲く色鮮やかな花々。青や黄色、ピンクといったものもある。葉の上をスタスタと歩く鳥たち。鳩、鴨、椋鳥。フサフサと生い茂る木々。池で日向ぼっこする亀。青い空。
そういったものの中に蝉の死骸があったりする。

夏の始まりに蝉が殻を破り成虫となる。あるいは殻に入っている間は蝉と呼ばないのかもしれない。蝉の幼虫。
その成虫が殻をまるでしるしのように残していく。生まれたよ、と。
成虫となった蝉たちは、自分の存在をアピールするかのように延々と啼き続ける。実は蝉同士で本当に会話しているのかもしれない。その真意は蝉にしかわからない。
そして全力に生きて、夏の終わりに近づくにつれて皆死骸となる。

はっきり言うと僕は蝉が嫌いだ。
道端で死んだふりをしている蝉がいる。もしくは気絶しているのかもしれないが、そんな蝉ほどタチが悪い。近づくと暴れるのだ。抜け殻も嫌い。
毎年こうした気持ちを乗り越えて1年が終わっていく。そう考えるとさほど大したことではないのかもしれなかった。
夏の季語は?と小学生に聞いたところで、おそらく3番目くらいに入ってくるだろう。なんだかんだ共存している。

ミーンミンミン。
ジリジリジリ。
ホーシツクツク。

啼き声もそれほど悪くはない。

ランニングをしていると余計なことを考えてしまう。
近くの木では蝉が全力で啼いている。

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