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「モンゴル三銃士に助けられた。」
真夏から真冬へ。
3人でどこか行きたい!となり、お手軽なモンゴルに決まった。2月のモンゴルはオフシーズンらしく、航空券も安かった。ゲルに泊まりたい、という目的だけをもって、モンゴルへ。
行きそうで行かない国をチョイスしたのが、すごく良くて、文化も言語も全く違う国を訪れたのが自分の視野というか、可能性の振り幅を広げてくれた。面白すぎて、珍事件だらけのモンゴル旅でした。
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モンゴルはLCCが通っていなくて、機内食付きがスタンダードだった。CAはモンゴル人で、日本人ってモンゴル人に似ているのか、モンゴル語で話しかけられることが度々。機内食は普通に美味しくて、いきなりモンゴル料理きたらどうしようと思ってたけど、大丈夫だった。
モンゴルに着いたのが、日も沈みきった夜で空港からホテルまでどうやって行こうか、と思っていたところ、モンゴルに着いてから2日目に行く予定のAirbnb(ゲル)のオーナーが、全く関係のない1日目に泊まるホテルへのタクシーを手配すると言ってくれて、無事にホテルに到着した。このやり手オーナーにはこの後幾度となく助けてもらうのだが、タクシーを手配すると言ってくれた時は、そこまでしてくれるの!という感じだった。
モンゴルは、ウランバートルに8割が集中していると言われるほど、人口が偏っていて、空港から市街地へと向かうと、段々と外灯が増えてきて、市街地のど真ん中まで行くと、真夜中なのに交通渋滞、全ての車のヘッドライトはビームで、もう目も耳も疲れてしまった。東南アジアと違うところは、寒いからバイクが一切いないところ、クラクションをバンバン鳴らさないところ。混み具合はベトナムのバイクと一緒かもしれない。
ホテルに無事着いたのはいいものの、そこからのおもてなしがすごかった。良く言えば手厚い、悪く言えばもう寝させて(笑)、という感じだった。モンゴルは中国と文化が似ていて、旧正月があった。ちょうど行った時期が旧正月で各家庭にチーズのお城みたいなお菓子が置かれていた。日本の鏡餅みたいな感じ。それとホースミルクを勧められて、食べないわけにはいかず、食べてみた。日本のチーズとは違って、酸味強めのナチュラルさゼロの硬すぎるチーズ。日本は牛が一般的だけど、こっちではホースミルクが主流らしく、飲んでみると酸っぱい笑。ゆいはごくごく飲んでいて、すごかった。
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一通りのおもてなし儀式が終わり、明日の予定を聞かれた。「明日はここのゲルに行くんだよ」というと、ここは地元だからよく知ってるよ、と色々教えてくれた。バスはまだ取っていないというと、もう売り切れてるから早く買ったほうがいいと言われ、サイトでやってみるけどカードの関係で決済出来ない。もうないよ!とすごく脅されて、何回もやるけど出来なくて、ここから1時間位格闘させられることに。もう諦めて寝ることにして、やっと開放された。でも、すごくありがたかった。
翌朝、朝ご飯があるということで、食べに行くと、マカロニサラダと卵とお茶だった。マカロニサラダに卵?と不思議な組み合わせ。マカロニサラダは普通に美味しくて、卵はまさか生じゃないと思ったけど、本当に生卵でちょっと警戒してやめておいた。この組み合わせの正しい食べ方を知りたい笑
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おじさんとおばさんに別れを告げて、バス停へ。
バス停に着いて、カウンターに行くと、「日本人ですか?」と日本語で話しかけてくれた男性がいた。行き先を伝えるとカウンターでチケットを取ってくれて、おそらく英語も通じなそうだったから代わりにやってもらえてありがたかった。(ちなみに、バスの座席はめちゃめちゃ残っていて、自分たち3人と5−6人の家族しか乗っていなかった。)
その男性は、技能実習生として日本に住んでいたことがあり、日本語は問題ないくらい話せていた。技能実習生ってベトナム、中国のイメージだったけどモンゴルからも来ていたんだと、初めて知った。日本に対して良い思い出が多いといいなと思いながら。
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ウランバートルは全てが集中しているから、中国のPM2.5に負けないくらい空気が淀んでいて、真っ直ぐ前に何があるか辛うじて認識できる感じだった。ゲルで何が出るかわからなかったから、近くのスーパーで食料を調達して、バスに乗り込んだ。
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バスには10人も乗っておらず、ガラッガラ。ここから数時間かけてゲルに向かうのだが、そのゲルの出迎え方法が、
「この行き先のバスに乗って、〇〇まで来たら、私のおじが立っているので、そこで止まってください」
エアビのメッセージを見たとき、「???」しかなかった。指示通り、行き先のバスに乗り、この後どうなるのかなんて気にしていたら、気持ちが持たないので、とりあえずバスで向かった。
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VIVANTを見ていた人なら想像がつくと思うんだけど、途中休憩のパーキングで外付けのトイレがあって、ゆいとかなみが入っていて、そのままだったらしく、あのドラマほんとだったんだと、思った。匂いはものすごく臭い。
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長距離バスは雪景色を眺めながら進んでいくから、何も変わらないんだけど、時折動物の群れが通ったりして、サファリパークにいる感覚になる。夜になっちゃうと何も見えないから、いよいよ景色の楽しみがなくなる。
ここから日が暮れた後の、雪道運転が始まった。なんでそっちの道行くのと、ツッコミたくなる道を運転していて、「日本じゃありえない」の度を越していて面白かった。「あ、もう今日はバスで寝泊まりだな」と思うほど、何回もスリップして、そのたびにスコップで雪をどかして、いつの間にかお客さんも一緒にやっていた。謎の一体感が生まれていて、タイヤが動いた時はみんなで喜んでいた。動画でめちゃくちゃ見せたい。
動き出してからしばらく経って、急に止まった。すると道端に男性が立っていて、「あ!助かった!」と思った。オーナーのおじさんで、車で来ていた。モンゴル人の感覚なのか分からないけど、よくこの雪道で見つけられるなと。
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ほんと無事に無事にゲルに到着した。
教科書通りのゲルで、家の前には家畜がいて、ドアを開けると真ん中に暖炉、両端にベッドがあって。旧正月だから親戚家族が来ていて、なのにこんな旅行客招いて大丈夫なの?という感じだった。またあの儀式再来で、ホースミルクに、チーズを勧められて、またかという顔をしてしまったかもしれない(ごめんなさい!)。こっちは誰で、みたいな自己紹介がなく、そこのベッドに座ってと言われて、不思議な時間だった。
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かなみがネパールで食べたモモという小籠包のような食べ物を食べていて、食べたい!というと3人に対しての量じゃないくらい用意してくれて食べきれなかった笑。この料理はヤク(ウシ科)の肉を使っているらしく、肉肉しくて、日本ではあまりたべない肉のようだった。暖炉の近くのでっかいフライパンのようなもので蒸し焼きして作っていた。電気もガスも水道も通ってないから、雪解け水を使っているのかな。
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色々とハプニングのある一日で、これは序章に過ぎないんだけど、とりあえず疲れたので就寝。2つベッドがあって、自分たちは床で寝るのかと思いきや、ベッド使っていいよと言ってくれて、オーナーの親戚夫婦が床で寝るという不思議な構図。
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朝起きると、日がまだ上りきってない黎明の時間帯。おばさんが家畜に餌をあげたり、おじさんが屋根に登って餌を落としたり。
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ゲルの周りは本当に何もなくて、山が連なってる。空は澄んでいて、写真では伝わらないほどの透明感あふれる空。
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朝焼けをじっくり見て、もう手が凍えるほど寒くて、じっとしていたら凍りついてしまう。朝ごはんの時間になり、このパンと言えるのか分からないほど硬い食べ物が朝ごはん。ちなみにホースミルクも。
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朝ごはんを食べ終わってもまだ9時10時で、ゲルでやることは全くないので、おじさんとおばさんの日課を見学。まさにVIVANTの世界に迷い込んだようなおばさんの格好。こっちが本物なんだけどね。
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おばさんが牛の放し飼いをしに、山の奥の方まで行こうとしていたので、ついていくことに。歩くのが早すぎて、途中で見失ったんだけど、山を登ったらすごく良い景色で、山沿いには野生なのか家畜なのか馬がたくさんいた。最初動かなすぎて死んでるかと思った。
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寒くなったので、家に入ってゴロゴロしていると、突然モンゴルの伝統衣装を着せてくれるタームに入った。この色似合うよとか言って、着せてくれた。
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お昼の時間になり、次は何かなと思っていると蒸し料理のような暖かい味の料理だった。この野菜はすごく柔らかくて、ほくほくだった。肉はかぶりつきで、脂質たっぷり。
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Wi-Fiのある生活に慣れてしまったせいか、エアビをやるくらいならWi-Fiあるだろうと思っていたが、しっかりなかった。かなみが山散歩してる時に、ちょっと丘を登ると電波が繋がるスポットがあったらしく、みんなで定期的に丘登りをした。デジタルデトックスには良いかもしれない。
またダラダラしていると、モンゴルのゲームが始まった。デコピンの指で石を飛ばすゲーム。指がひたすらに痛くなるゲーム。この写真はたぶんおばさんが撮ってくれていた。ちょっとぶれてる笑。
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もう日も暮れてきて、夕飯の時間に。
空がオレンジでなく、ピンクに染まっていくのが好きだったな。ちなみに夕飯は、1番当たりで日本人が好きそうな味で肉と野菜が炒められてる料理。美味しかった。
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かなみの友達とおばさんがめちゃくちゃそっくりで、本人もびっくり。あと、説明を省いていたけど、エアビのオーナーが英語を話せるだけで現地にいるこのご夫婦は全く英語を話せなくて、強いて言えば自分の年齢を英語で言えるくらい。それで、電波もないからGoogle翻訳を使えないし、もう訳わからない空間が生まれた。ボディランゲージの重要さが身に染みて分かった。なんとなく言いたいことは伝わるんだなと実感した。
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モンゴルに来て良かった瞬間は何度かあったけど、この空は格別だった。ゲルを出た瞬間、空一面に星がびっしり敷き詰められているかのように、きらきらと光っていた。こんな星空、喜界島以来。凍えながら見る空がなんだかよかったりもする。ゲル以外に明るいものがないから、ほんっとうに美しい。大都会が奪ってしまった景色だなとちょっと思ったり。
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次の日帰らないと行けないのだが、勢いで来たから帰りのバスとか考えていなくて、そのことをおじさんとおばさんに相談したら、携帯を取り出して(え!スマホ持ってるの!)、必死に電話をしてくれたり、調べてくれた。そしたら「バスは通るけど、もう満席で、スーツケースを椅子にしないと乗れないよ」と予想外の展開に。とりあえずウランバートルに帰る手段は確保できた、ということでひと段落したが、ここからが問題だった。
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架空のバス停まで3人分のスーツケースをおじさんのバイクで運んでくれると言ってくれた。自分らはどうやっていくんだろうと、思っていたところ、おばさんがこっち来てと。
「この丘を越えて、ずっと真っ直ぐ行くとバス停に着くよ。そこにおじさんがいるから」
こんな事を言ってた気がする。心の中は「ええええ?!」という感じ。VIVANTじゃん!と思って笑っちゃうほど。何もない道をひたすら歩くという雪バージョンのVIVANT。
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この馬に乗った男性が後々キーパーソンになってくるんだけど、とにかく何にない道をひたすら歩いた。
歩いてたらお隣さんのゲルに辿りついて、おじさんの荷物付きバイクも到着していた。バスの時間まであまり時間がなかったのに、小休憩のようにこのお家に入っていった。
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中に入ると、あの馬乗りお兄さんがいて、なんか裏で手組んでるのか?という感じにピースがはまっていく。おじさんと仲良いらしく、ここに住んでいるご家族に歓迎してもらえた。例のあのチーズをいただき、ホースミルクをもらい、ゆっくりしてる暇はないのにモモ(小籠包)をもらい、挙げ句の果てには、飲みゲーのように飲まないとその場を凌げないお酒回しが始まった。感情表現がバッチリのゆいはおじさんから「ボス!」と呼ばれ、トップバッターでお酒を飲むことに。さきは飲めなかったが、アルハラのように勧めてくるのでゆいが代わりに飲んでくれた。(ゆいありがとう笑)
心配性の自分は、いよいよ時間やばいでしょと思い急かすものの、おじさんの体内時計があるらしくゆっくりしていた。やっと動き出したと思ったら、例のあのお兄さんが車を出してくれて(車あるんかい!)、バスが通りそうなスポットまで運んでくれた。
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バス停に行くと、お兄さんを超える「これぞモンゴル人」という人が馬と一緒にいて、もうこんな3ショットないと思って記念撮影。
時間になってもなかなかバスは来なかったが、もうそれには数々の海外旅で慣れっこなので大丈夫だった。辛抱強く待っていると、なんとバスが現れた!安堵と共に、ゲルのおじさんたちに感謝した。もうこの人たちの連携プレーすごい、いなかったら帰れていないと思う。
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バス運転手は苦笑いをして、無理だよの顔をしていた。もちろん満席だから無理だ。でもなんとか説得してもらい、スーツケースを椅子にして、真ん中の通路に乗り込んだ。これがもうぐらぐらで、酔いまっしぐら。
おじさんたちとバイバイして、数十分後、バスが急に停まった。バス運転手同士の連携のお陰で、別のウランバートル行きのバスに乗り換えさせてくれたのだ。それもバス停へのタクシーまで用意されていた。これにはびっくり。モンゴル人に見張られてる感覚(こいつらを無事に帰さなきゃ的な)だし、連携プレーすごすぎる。ありがたいの一言。あとモンゴル人男性はたくましくて、渋い。
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今回も無事にウランバートルに着き、安堵!
ホテルに向かい、ベッドに座り、トイレがある事を確認してやっとひと安心。ゲルにはトイレがなかったからね。ゲルでの2泊3日はあっという間に感じる出来事だった。夢にいる感覚。
しっかり寝て、次の日はウランバートルを満喫しようと街へ。裏テーマはVIVANT聖地巡り。国会議事堂やオペラハウスに行ってみたり、ウランバートルの銀座的なショッピングモールに行ってお土産を漁ってみたり。ようやく旅行らしい事をしている。さすがにゲルでモンゴル料理を食べ尽くしたというか、限界が来たという感じでお昼は洋食一択。という事で、カフェに行った。
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ウランバートルは案外やることがなくて、国立公園もあるけど、ゲル周辺で見たいものは見れたので行かなかった。色々検索してみると、「スキー場があるらしい」ことが分かった。やりたいこともなかったからウランバートルでスキーをすることに。これが都心から車で30分で行けて、価格は日本の半分以下で板から靴まで借りれてしまう。雪質はやっぱり日本には勝てない。硬いし、ちょっと薄い。
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モンゴルでやりたいことをやり尽くしたので、あとは帰国するだけとなった。現金を使い切りたいので、夜はパーっとご飯を食べようと韓国料理屋に入った。なぜか韓国料理屋が多くて、中華よりも日本食よりも。辛いものが苦手なのに、そんなこと忘れて食べてしまい、見事にお腹を壊す。最後に食べたモンゴルで有名な万能フルーツのアイスも不味くて、モンゴルでの食べ物はハズレが多かった。笑
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そして、次の日、無事に日本に帰れた。
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ハプニングなのか、これが普通なのか。
驚きの連続で心臓がもたなくなるほど。
こんな旅は久々で、最後にはどうにかなってしまうのが旅のおもしろさ。そんな事を忘れかけていたから、モンゴルに行けてよかった。たぶん、ゆいとかなみじゃなかったら、あんな場所にあるゲル行けないよ笑。いい意味で楽観的で、じっと待ってみる、自分の置かれた状況を最大限楽しむ心を2人は持っていて、それに助けられましたね〜。ありがとう。
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fin.