足りない少女−1
私は、足りないものばかりを見ている女の子でした。
小学生のときの記憶。
お風呂で鏡を見て、
「お腹が出ているな。」
「変な顔だな。」
そんな風に、自分が足りないところばかりを気にして、かわいい女の子を羨んでいました。
男子生徒が、「女は髪が長い方が絶対いいよな!」と言っているのを聞いて、髪を伸ばしました。
足が太いことがコンプレックスだったので、女性の友達の前でも、隠れて着替えていました。
高校生のとき、「咲希は細いよね」と言われました。
「え?そんなわけないじゃん」と返しました。
知り合いの夫婦に、「綺麗な顔をしている」と言われました。
信じることができませんでした。
18歳になり、大学1年生になりました。
前髪を伸ばして、前髪を無くしたくなりました。
その方が、自分がなりたいカッコイイ女性像だったからです。
でも、自分の顔が美しくないと思っていた私は、自分の顔をできるだけ隠さなければならないと思い、前髪を作り続けていました。
現在、私は大学を卒業し、24歳になりました。
前髪を伸ばし、前髪を無くし、顎より短いショートヘアになりました。
顔立ちは変わりません。
しかし、私は自分の顔を美しいと思います。
お腹は出ています。
しかし、私は自分の体を美しいと思います。
なんでこんなに自己肯定感が上がったのだろう。
いつから自分に自信を持てるようになったのだろう。
その理由を、これから振り返ってみたいと思います。