先生の仕事は、ワクワクを伝えること

今、私はドキドキしている。

物理的に、心臓がドクドク言っている。

「随筆2 説明的文章1」という、無機質なタイトルの文章を読んで。


私は、個別指導塾で国語の講師をしている。

生徒に何を伝えるべきか、考える。

中学受験に挑戦する子どもたちへの指導なので、最終的には
「合格させること」が仕事となる。

国語の読解には、いわゆる「解き方」がある。

しかし、それを伝え、機械的に解けるようになったところで、
彼らの人生は豊かになるのだろうか。


私が小中学生の頃、様々な教師が、知識や、「解き方」を話していた。

でも、その学問を特別好きにはならなかった。

私が学問を好きになったのは、大学生になってから。


「音楽」を勉強していた私に、教授が、
世界のあらゆる学問と、音楽は、繋がっていることを教えてくれた。

数学も、語学も、科学も、歴史も、全部、音楽と繋がった。

そのとき、私は、世界のあらゆるものに興味が湧いた。

そうすると、見るもの全てがキラキラして見えた。


だから、今なら私は、小中学生の頃の学問を、ワクワクしながら学ぶことができる。


私は、先生になった。


生徒に何を伝えるべきか、考える。


「ワクワク」を伝えたい。


だって、私はこの文章を読んで、ドキドキしている。


心が動いているんだよ。


「解き方」を学ぶ前に、「文学にワクワクすること」を感じて欲しい。


それが伝えられたら、きっと、その生徒の人生は少し、豊かになる。


文学を愛するようになったら、
未来のどこかで、また美しい文学に出会って、
その文学に人生の大切なことに気づかされたりする。


今日の授業の目標は


「ドキドキしてもらうこと」


にしよう。

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