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十年前の 7 月、夫と出逢った。 あの日の朝、そんなこと、これっぽっちも知らずに。 ♢ 大学の研究所の夏祭りだった。 朝からしとしと雨が降っていて、大学院生だった私と、その他いくつかの研究室のメンバーは、一大イベントの幹事にあたっていた。 ビアガーデンのような夏祭り。 会場は毎年、研究所の食堂と、隣接する中庭。中庭の芝生にはビールサーバー車もやってくる。 その日はあいにく朝から雨で、絶え間なく雨粒が会場の芝生を濡らしていた。 当時いろいろと行き詰っていた私は、しばら
ただ一度だけ、「あなたは本当に目が美しいね」と褒められた事がある。「黒く、奥まで澄んでいる」と。 その言葉は、私には恐れ多すぎる褒め言葉だったけれど、能力とか、容姿とかを褒められいるわけではなく、自分の「生き方」そのものを褒められている気がして、とても嬉しかった。 * 人の目の美しさ、というものに、私がはじめて魅了されたのは、まだそんな褒め言葉をいただく随分前のことだった。 夫がまだ夫となる前、長らく私と夫は遠距離だった。 京都と東京にいて、共に学生だった当時はお金も
note の世界ってなんだかやさしい感じがしませんか。 私が note を始めた時、たった一度きりの投稿のつもりでした。 自分の人生での壮絶な体験をどこかに残したくて、たった一人でもいいから目にとめてもらえたる場所があればいいな…と探していたところ、note の世界に出会いました。 実際に記事を投稿してみたところ、誰にも見てもらえないかと思っていたのに、思いがけず記事を開いてもらえたり反応を戴けたりと、温かい気持ちにさせてもらえました。 それからふらりと note の世