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ネットのものは全部タダ!と勘違いしてしまった僕たちのネット乞食社会
ラーメン屋さんに入ったらお金を払いますよね。
服を買う時も、電車に乗る時も、何をするにもお金がかかるのが普通です。
でもなぜか、「ネットにあるものは全部タダ」と思い込んでいる人が多い気がします。
実際、スマホなどのデバイスがあり、通信料さえ払えば、タダで恩恵をうけられるものに、いくらでも触れられます。
YouTubeもTikTokもLINEもXもInstagramもGoogleも音楽配信もこのnoteも、我々が欲しがるサービスはほぼすべて無料で手に入ります(その代わり広告があるわけですが、まあテレビのCM感覚で流していますよね)。
違法アップロードもふくめれば、「タダでコンテンツやサービスを楽しむ」のはもっと広がります。
その結果、どうなったか?
「ネットにあるものは全部タダでいいんだよ」
そんな意識的・無意識的な発想が芽生えます。そして、
「ネットコンテンツに金払う必要あるの?」
という疑問を抱き始めるのです……
「サイトなんてタダでもできるんでしょ?」
わたしはたまにサイト制作関連の仕事をするのですが、こんなことがありました。
民泊経営をしている、知り合いの知り合いみたいな人がこう聞きました。
「楽天に手数料取られるのがイヤになったので、サイトを作って欲しい」
わたしはこう答えました。
「いいですけど、サイトの規模とご予算は?」
するとその人は目を丸くして、こう言ったのです。
「え、お金取るの!?」
その人は、こう続けました。
「いや、Wixとかで無料で作れるんでしょ、今の時代」
……たしかに、作れないことはないですけども……
しかし、彼が望むサイトとは、あまりにかけ離れたサイトに仕上がってしまいます。
「サーバーやドメイン代からはじまって、人件費などいろいろコストかかるんですよ」
落ち着いた素振りで、わたしは説明しました。
だけど彼は、どうも腑に落ちない様子。
仕舞いには、こんなことを言ってました。
「サイトなんて、フェイスブックや昔のブログみたいにタダで作れるもんだと思ってたけどなあ」
…………絶句…………
たとえば、家など建物を作るには、設計やデザインがあって、大工・職人さんたちが組み立てますよね。
サイト作りもそれと同じなのですが、デジタルゆえ物理的な実感がないのか、「タダで出来るんでしょ」と勘違いを起こしてしまうのでしょう、きっと……
通信料さえ払わなくても良いんじゃね?
どうして、「ネットのものはタダで作られ、タダで手に入る」という発想が蔓延したのでしょうか?
まずは、スマートフォンの爆発的普及ですね。
2024年現在、日本におけるスマートフォンの所有率はなんと97%!
つまり、ほぼ全員の日本人が持っていて、利用してるわけです。
世界に目を向けると、60%以上の人々がスマホを持っています。これは約50億人が使っていることになります。
スマホとネットというパンドラの箱を開けてしまった我々は、その恩恵と呪いを受けてしまいました。
もはや、「通信料すらいらない」という考る人さえいます。
たとえば、Wi-Fiが飛んでいるところにいけば、すぐにネットに繋がりますよね。
なので、通信料は払っていないけど、Wi-Fiが飛んでいるパスワードなしの店の近くに立って、スマホをいじっている人もいるのです。
「タダでネットを使って何が悪い!」
もはや、そんな声が返って来そうですね。
オープンソース運動とネット幸福時代
もともとインターネットというのは、「自由」と「共有」という思想を体現したものです。
黎明期の1980年代、オープンソース運動というのが、ハーバード大学やMIT(マサチューセッツ工科大学)といったアメリカの大学などで起こりました。
「利用者に対して自由を与える」
「知識や技術は共有されるべき」
そんな考えのもと、大学だけでなく個人まで世界中に広まり、さまざまなソフトが開発され、共有されていきました。LinuxやPythonといったソフトやプログラミング言語も、この時生まれましたね。
この時代は、インターネットの幸福期、「パクス・インターネット」といって良いでしょう。
それぞれの創作物(オープンソース)をワクワクドキドキしながら共有し、世界中に広まってゆく……
わたしはこの時代をリアルで体験していないのですが、その熱気と「遊び」のような楽しさは、なんとも言えないものだったでしょう。
そして、その時期に生まれた創作物や技術は、現在ネットにかかせない無料で使えるインフラとなっています……そう、タダで!
基本的に、オープンソースは無料で配布されます。
でも、良いソフトやコードだったら、感謝と敬意をこめて、「寄付」という形で、制作者に自発的に払ったりする。
そんな微笑ましい文化があったわけです。
しかしそんな背景があったゆえ、皮肉にも、「ネットにあるものはタダ」という考えは、ここから始まって歪んで今に至るわけですが……
あえてネットでお金を使ってみるブーム
無料コンテンツが当たり前、となると、一見、得したようですよね。でも、遠回しには損していることの方が多いとわたしは思います。
もちろん、わたしだって、無料で映画やアニメを観たい気持ちはある。
しかし、そうなると制作者にお金が入りません。
結果、観たい動画が配信されなかったり、そもそも作品自体が作れなくなってしまいます。
つまり、「タダが当たり前」と思いすぎると、中長期的には制作者だけじゃなく、我々も損をすることになるわけです。
そこでわたしは、お財布にゆとりがある時、「ネット上であえてお金を使ってみる」というのを意識的にやっています。
オープンソース運動で言う「寄付」的感覚ですね。
たとえばAmazonプライムでは、会員になっていれば、沢山の動画が観られます。ですが、レンタルしないと観られないのもある。
それがフリー配信される時もありますが、いつかは分からないし、待つのもイヤです。だって、今観たいのだから。
だったら、さっさとお金を払って観れば良い。どうせ数百円です。
あとは無難に、クラウドファンディングも良いですね。
まさに「寄付」ですから。
最近は、面白いプロジェクトを探ったりするのが、ちょっとした日課になってます。
とまあ、ネットとお金の話になりましたが、今回の手書きを。
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リーガルパッド(黄色いパッド)で、プログラミングを書いてみました。言語はPython。
なんかアメリカの理系大学生気分を味わえました。
エディタに打ち込めば英文が3つ出力されます。
それをコピペして翻訳にかけたら、なんと書いているか分かります!
プログラミングを手書きするのは、面白いですよ。
つくづく、言語なんだなあ、と実感します。
プログラミングに興味ある方もそうでない方も、ぜひお試しください!