貧乳キャラが増えたのはなぜか？サルと乳房の進化論的考察

最近のアニメを観ていますと、どうも女子キャラにぺったんこ＝貧乳キャラが目立つな、と思うのはわたしだけでしょうか。

『映像研には手を出すな！』しかり、『ぼっち・ざ・ろっく！』しかり『ゆるキャン△』しかり……
で、視聴者たるわたしは、なぜか安心して視聴しているのです。

『ぼっち』なんか作者は女性なのですが、それがどこまで影響しているのかは分かりません。
ただ、ある種の恣意性みたいなものも感じなくはない、と思ったりもするのです。

というのも、『ぼっち・ざ・ろっく！』の主人公・後藤ひとりは、原作では巨乳設定となっています。
それがアニメではなぜか、あまり強調されていない。というか、遠回しにしかほのめかされていない。「裏設定」扱いすらある。
一見、絶対巨乳と分からない描き方をしていますしね。

なぜ貧乳キャラに安心するのか？

不思議なことに、わたしはそんなアニメのキャラを観ていて、変な威圧感を感じないのです。先程も書いたよう、安心感すらある。
なんだろ……同等と観られる、というのか……？
あるいは動物を見ている感覚に近い……のか？

わたしが貧乳好きか巨乳好きかは、どうでも良いんです。
それより、なぜ目立って貧乳キャラのアニメが増えているのか？
先の『ぼっち』みたく本来は巨乳設定なのに、それが無いことにされているのか？
そんなことに焦点を当ててみたいと思います。

「巨乳」というアンバランスと威圧感

アニメ・マンガにおいて、女性キャラの巨乳属性というのは強烈なアイコンでした。
それがいるかいないかで、その作品の人気も左右したといいます。

対比たる貧乳キャラは、お笑い担当だったり、ファンあるいは作中ですらイジりの対象でした。

ただ、この10数年で、価値観が変化したのではないでしょうか？
作り手も受け手も双方に。

「貧乳キャラだったら、なんか観ていられる」

そんな世界線が生まれてしまったのです！すくなくとも、わたしのなかでは。
だからこの頃、巨乳ばかりのキャラが出るマンガ・アニメを観るのが疲れてしまうのです。
歳のせいだ、と言われるかもしれませんが、そうではないと思いたい……
だって男子にとって、巨乳は大きな夢でしょうに……

「かわいい」と「きれい」の法則

ここで、わたしが発見した法則。

——貧乳だったら＜かわいい＞と思い、巨乳だったら＜きれい＞と思う……そんな無意識が存在する——

たとえば、ネコや赤ちゃんに対して「きれいだね！」とは言いません。「かわいい」です。

対して、富士山や金閣寺に対しては？
普通は「かわいい」とは言いません。「きれい」です。

ここで我々は、無意識な上下感覚を抱いています。

つまり、「かわいい」というのは見下すことであり、「きれい」というのは見上げることなのです。意図的でなくホント無意識に。

貧乳キャラに対してわたしは、「きれい」と思うことはありません。「かわいい」です。逆も然り。

「かわいい」というのは見下す感情だから、同等あるいは下に見ることが可能なわけです。
それゆえ、安心感につながる……のではないか！

ロリ巨乳ってなんだよ？

ジャパン・サブカルチャーの想像力はすごいもので、顔は童顔（ロリ）なのに、身体はスレンダー、というキャラが量産されています。

美術家の村上隆はこのあたりをネタに作品を作って、世界に売りつけましたが、大当たりだったと言わざるを得ません。
だって、こんな「奇形」なキャラクター造形、世界中どこにも存在しないのだから。

「顔はロリ、身体はオトナ！」

ってのは、ある種シャム双生児的なものです。
90年代ぐらいまでは、そんなの「えっ、キッモーーー！」なんて対象だったと思いますが、今やそんなの普通。
常識は変わるんですね。

男はなぜ胸を見るのか？

そもそも我々男子は、なぜ女子の胸に執着するのでしょうか？

簡単です。

サルだった我々の先祖が、直立二足歩行をはじめ、視点が上にあがったからです。
サルだった時代、我々オスはメスのお尻を追いかけていたわけですよ。
それゆえ腰が上がったことにより、性的・美的価値観がメスの胸、そして顔面へ向かっていっただけに過ぎません。

もちろん現代でも、お尻＞顔、な人もたくさんいはしますが。
このあたり、現代進化論や文化人類学で調べたいですね！

で、女性の胸についてなんですが……
わたしもオスですから、お会いした女性とあいさつして、顔を互いに見たら、どーーーーーーーーーーーしても、胸に眼がチラリと下ります。
しょうがないじゃないですか！サルから進化したオスなんだからっ！
逆にそうじゃない男はいるのかっ？

でも、女性だってそうでしょう。
顔を見たら身体をざっと眺めて、「上腕二頭筋すごいですね！」とか「お腹出てますね（笑）」とか言うじゃないですか。
男と違って女は口にするのが特徴的ですけどね。

ま、しょうがないんです。
我々は所詮、サルの子孫に過ぎないんですからね。

サムネイル『ぼっち・ざ・ろっく！』第9話