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日本で観光MaaSはどこまで進んでいる?

とっても久しぶりのNOTE記事です。

少し落ち着いたら、NOTEを活用して、いくつかのテーマで、記事を構築したいと思っていますが、このままだと手つかずのまま秋になってしまうので、仕事の合間に、気分転換を兼ねてNOTEから先行発信です。

観光MaaS Mobility as a Service、中でも観光と組み合わせた、次世代移動手段について、今日は書きたいと思います。
ちなみに、当記事は、リサーチ、進捗情報入手、考察を重ね、アップデートしていく予定です。
今回は、そういう意味で土台の情報です。ぜひこの記事を読んでくださる皆様からも、情報いただけたらありがたいです。

※観光MaaSは、旅行者を対象に、観光地までの移動や観光施設間の移動をワンストップで提供するMaaS(マース)にあたります。


■ 少し前に話題になった「Whim」。その後どうなっている?

MaaSと言えば、フィンランド発祥の、世界規模で利用されている、プラットフォーム「Whim」、日本上陸のニュースや、自治体主導で、全国でも実証実験がスタートしたと話題になりましたが。・・・その後どうなったかな?

私としては、MaaS先進国としても名高いフィンランド発祥の「Whim」の日本上陸。期待ありつつも、外資MaaSがシェア優勢になることについて若干焦りもありながら、つまりは、大注目していました。
トヨタのスマートシティ構想に、小田急のEMotなどと対峙するのか、それとも、それぞれのシステムに互換性が生まれ、MaaSの利用価値が高まり、国内でも大きな市場に発展するか。
いずれでもなく、期待に値する結果に繋がる前に、しりすぼみになるのか。。。

一般の利用者へのサービスが始まったのと同時に、実証実験もそれぞれの地域で実施されたことを考えると、日本のMaaS活用や現状のレベル(0~5のランクで現在1)から次のステージに行くには、時間がかかるだろうとは思っていましたが、一般ユーザーの日本上陸が2020年、その1年前には、千葉県柏市や京都府でも次々に実証実験が始まったことを踏まえると、十分ステップは踏める期間ではないでしょうか。

詳細は、後日記述しますが、今回(2023年7月25日現在)調べたところ、

あらかた各所自治体実証実験の1弾を終えていながら、実用化のビジョンはまだ見えていない。というか、Whimの活用にはつながらず、事業は止まってしまっているようです。

Whimに関する情報は、一部、各所(実証実験実施の自治体など)の回答をいただいていますが、日本国内での活用事例含め、進捗情報、課題についてなど、次回以降に正確な内容をまとめて情報をアップデートしたいと思います。


■スマートシティ構想と、MaaS、観光MaaSの整理

ちなみに私が実際に追っているテーマは、観光MaaSです。
情報サイト「TABITO Japan」でも、まだ記事として、表立った活躍をお伝え出来ていませんが、見えにくいながら、情報発信のテーマの中に、しっかりと主軸として存在しています。

ですが、観光事業者様や鉄道会社様とお話するだけでも、「スマートシティ」の情報と、「MaaS」情報、そして「観光MaaS」は、非常に混同しやすいし、それぞれが、相互に関係しているので、整理して、それぞれの情報をアップデートしていく必要も感じます。都市部の商業施設様だと、どちらかというと、スマートシティにおけるICT活用について、という切り口の方が、よほど、分かりやすく、現実的な話題のようなので、最近私も、自分の知りたい「観光MaaS」のその後と同時に、「スマートシティ(構想)」についての「MaaS」の活用や、期待値、課題についてなどを検証することも大事だな、と感じています。

ですので、スマートシティについても、別途進捗情報もまとめてみたいと思いますが、あまり初回から、枝葉を拡げても収集付かなくなるので、今回は、3者の中でも、なぜ「観光MaaS」について、私が調べるようになったか。そこを少しお話します。

理由は明快「サスティナブルツーリズム」の本質と、観光MaaSの相性は決して悪くない。今後の発展や活用に期待できる要素が大きいから。

オーバーツーリズムや、マスツーリズムからの脱却。という考えもそうですが、そもそも、サスティナブルツーリズムには、観光地に暮らす人や、その自然の保護、産業の持続可能性も含まれています。

逆に見ると、過疎地の交通機関の問題は、地域によっては、とても深刻です。
人口減少、高齢化、財源の確保など、鉄道やバス、タクシーといった交通機関を維持することは、簡単ではない。

だから、MaaSや観光MaaSに期待が集まる。

ですが、実際に、実証実験が進んでも、そう簡単に、問題解決には、ならない。

これは、各所観光事業者や通信事業、交通機関含めての、MaaSに関する勉強会に、参加し始めた2019年頃から、想像の付くことでした。

そもそも、人口が少ない上、人口密度が極端に少ないところで、
MaaSを活用して、イメージ通りの利便性が期待できる、というのは難しいでしょう。

例えば、カーシェアリングやade hailingサービス(乗り合いサービス)。利用者が少ないとどうしても、求めるタイミングでの活用に結びつきにくい。そうすると普及や発展には及びません。

ちなみにこれはMaaSが「暮らし」に浸透できるかどうかの視点です。

それに対して、まったく逆の視点で、MaaSを考えてみます。

旅行者が求める観光は、マスツーリズムやオーバーツーリズムとは真逆の、個々の目的を実現することや旅の質を上げることに向かっています。
サスティナブルツーリズムに含まれる、「ネイチャーアクティビティ」や「現地での体験」が重視され、今後より一層発展していくと言われています。

ここでいう、サスティナブルツーリズムは、単に、世界基準の公式な「認定」のお墨付きをいただいた地域を指すわけではなく、自然環境を維持することに繋がり、現地の人の暮らしを邪魔しない、という発想での、訪れる人にも、受け入れる人にも優しい「旅行」、「観光」という意味です。そういう意味で、サスティナブルツーリズムの概念やニーズは、着実に日本でも浸透しています。

ここで私が言いたいのは、観光MaaSという発想に基づいて、過疎地で進む、交通手段の確保や、高齢化の進んだ地域での「暮らしの質」を確保する方が、MaaSは発展しやすいのではないか。ということです。
利便性が上がるだけでなく、新しいサービスやシステムが、「暮らし」に根付く、という意味で、より現実的でスムーズにいくのではないか。ということです。

次回以降、この視点に基づいて、個々のMaaSの特徴(各社のシステムや地方自治体や企業が利用しているプラットフォーム)などを挙げながら、観光MaaSに期待できる点をまとめてみたいと思います。
そして、間違いなく、上述した理想を、一歩ずつ着実に進めている、と私が感じた、観光MaaSの実例を上げたいと思います。

海外のスマートシティの現状について、とても参考になった1冊

最後に、最近読んだ中で、おススメの本をご紹介したいと思います。

北欧のスマートシティ 著 安岡美佳,ユリアン森 原ニールセン

今日のお勧め、「北欧のスマートシティ」。下に重なっている本は、最近はまっている、グリーンを取り入れたインテリアの参考に。(こちらはまた別の機会に)


スマートシティ構想そのものを知る、というより、北欧の暮らしに根付いた、民主的な発想が、都市を作り、維持し、未来のより良い暮らしを導く。その中に、都市での暮らしや、そこが抱える問題の解決方法に組み込まれた、実践的な内容が、とても読みやすく、具体的にわかります。

日本がほど遠いのか、それとも、日本独自の発展があるのか。
私自身は、スマートシティについて追っていくのとは異なりますが、観光MaaSに関心度を維持し、有効に活用できる策などを、今後も自分なりに、考えていきたいな、と思います。そういう意味では、北欧が取り組んでいる、スマートシティの背景にある、人々の考え方、行動は、とても参考になります。

以上















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