シエラレオネ出張記 2
そんなシエラ出張の日々を彩ってくれたのは、現場で出会ったワーカーの存在も大きい。海外出張に行って誰と仲良くなるかというのは、比較的長くこの仕事をしていても、国により案件によりさまざまで、私の場合、これまでは輸送業者の担当者や、機材代理店の人々というパターンが多かった。今回、ワーカーのみなさんと仲良くなれたのは、シエラレオネが英語圏だからだろうか。現地の言語はありつつも、基本的にみな英語が通じた。
突然のモテ期
突然だが、日本人女性というだけで(?)私ともう1人の女性スタッフは現場ではモテ散らかしていた(笑)。何でも、黒人の世界において、美しさの象徴は「肌が白いこと」のようで。毎日のように何人ものワーカーやセキュリティから連絡先を聞かれ、一部のワーカーからはすれ違うたびに声をかけられ、
気づいたら背後の窓ガラス越しに手を振られていたこともあった。現場作業の中で脚立を借りたくて探していたときに、なぜか私のためならと、自分の作業を中断してまで貸してくれた人まで!現場は関係ないが、ホテルの宿泊している建物から道を渡って反対側の建物にあるレストランに朝食に行くまでの間に、ジョギング中のお兄さんから連絡先を渡されたこともあった。通りすがりの方へはさすがにこちらからは連絡しないが、彼らの対人距離感に戸惑いながらも、おそらく人生最大のモテ期と、彼らの純朴さが面白く、多忙を極める日々に少しの癒しをもらっていた。
出張中は、日中の現場での仕事だけでなく、夜もやることがたくさんあった。朝は8時にホテルを出て、1日現場で作業して、大体18時過ぎにホテルに戻り、シャワーや食事を済ませ、そのあと日本人チームでその日の振り返りと翌日の作業の洗い出しを1〜2時間、そこから日報を書いてメールして、翌日に備える…という日々だった。
The man never gives up
そんな状況で、シエラボーイズに時間を取られている場合ではなかったのだが、1人だけとんでもなくあきらめの悪い人がいた(笑)。彼の名はIbrahim 。私が彼の立場だったら絶対心が折れる対応しかできなかったのに、彼は相当根気強く、私の方がそれに根負けして、唯一彼とは僅かな空き時間に電話やメッセージをしたり、謎の質問に答えあうゲームをしていた。
そんな中で、いろいろと彼の状況を知ったり、シエラレオネの人々の状況が少し見えたりしてきた。そして、それらについて、あぁなるほど、と思うと同時に、これを自分だけで知って満足するのではなく、誰かにシェアしたい、知ってもらいたいと思うようになった。
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