ショート✕2(その10)ミケ警備員日誌
ミケ は定時になると勤務報告をしてくる。ミケは警備員としてよく仕事をしてくれている。ミケが来る前は未去勢ネコが多数徘徊し、縄張りの草刈り場化していたが、ミケがニャルソック警備保障の業務を始めてからは他のネコは寄り付かなくなった。ミケは我が家の敷地を完全に縄張り化することに成功した。
ある人のこと。置き配が置いてあった。家に帰ってくるときに気づかなかったが、帰宅して居室でくつろいでいた時にミケから催促の声がかかる。
ニャーニャー。最初は何言っているか分からなかったが、玄関に移動し始めたので、外に出ていくことにした。
置き配が置いてあった。ちょうど門塀の内側で目につきにくい場所。郵便ポストもあり、雨に濡れにくい場所だ。
ミケは知らない人が門を開けて敷地内に入ったのだから少し怖かっただろう。その怖かったことを伝えてくれたに違いない。ミケ警備員、大手柄だ。
その日はミケに特別賞与を支給した。パウチのお肉でミケを労う。ミケは警備員として優秀なのだ。
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