ショート✕2(その16)ヘソ天警備員
日に日にあたたかくなり、この季節になると毎年のように盛り声が聞こえたいたが、ミケが警備についてからはそのような声が聞こえなくなった。周囲にはミケが縄張りを作ったからということにしている。
今日はニャルソック警備保障の業務特別監査の日らしい。ニャルソック警備保障の業務はISOならぬニャーエスオーで細かく定められている。侵入者が現れようものなら徹底した警備が敷地内に繰り広げられる。
今日は侵入者がいないようだ。ミケにとっては業務がなく、これでは業務の監査ができない。それにしても今日は暖かい日だ。詰所の中も暖房が効いて暖かいが、日あたりの良い庭も太陽の光で暖かくなっている。
ヌシが帰ってきたのを見て、頭だけこっちを向いたが、すぐさまへそ天体勢に戻ってしまった。ミケのセンサーには侵入者の気配はないらしい。今日も一日平和な日が続きそうだ。ミケはそんなこととっくに感じてると言わんばかりだが、業務がなくては仕方がない。ヌシはそのまま玄関から屋内に入ることにした。
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