ショート×2(その12)帰りを待つミケ
平日は夜暗くなってから帰宅する。警備員のミケは寒い日であっても外で警備の仕事をしている。この日も欠かさず、ヌシの帰りを待ちわびていた。
門扉を開けると玄関の前にミケがいる。忠犬ハチ公ならぬ忠猫ミケ公だ。
ミケはよく話しかけてくる。勤務報告だ。その日何があったか語りかけているに違いない。一通りの報告が終わると再度、警備モードに戻った。
とはいえ、ミケは定位置を動かない。これじゃあ家に入れないんですけど。夕方に出されてすでに空になったエサトレーを回収して、ミケをうまくよけながらドアにたどり着き、屋内に入っていく。
玄関の照明を消すとミケの詰め所前もくらくなることであろう。これが門番ネコであるミケの仕事が終わる瞬間である。
馬喰町バントの楽曲「終わる瞬間」が流れてきそうな雰囲気だ。Eテレ朝のテレビ番組インタビュアがミケにインタビューする姿を思い浮かべた。
ーこれで今日の勤務は終わりですね。-
ミケ「にゃー。にゃー。(そうですね。これでようやく一息つけそうです。次の勤務まで仮眠します。おやすみなさい。)」
ーおやおやもう寝るのですね。お疲れさまー(シャキーン!!)
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