雀荘運営について part1

スタッフ育成について

雀荘運営に欠かせないのがアルバイトスタッフの存在。
社員(中間管理職)よりも多くのアルバイトスタッフで運営が成り立つのが雀荘であるが、それはチェーン店などの飲食店なども同様である。
では、何故主観的で自発的な行動に満ちたスタッフが育たない現状が浮き彫りになるのか。

問題点として第一に、【本走】業務が存在するということ。
少なからず遊びに来ているお客様とスタッフは何隔てなく卓上で金銭のやりとりを行わなければならない。卓上でお客様をもてなすことは接待などとは違い、スタッフ自身の身銭を切らせている以上は不可能である。
働いている時間の中に対等でなければならない時間が存在してしまう。
これは雀荘の運営上、致し方ない問題である。また既に業界に長く携わっている人は問題視さえできないような些細な問題なのかもしれない。
上記問題を解決する術は意外に多く存在する。

・勤務中のスタッフの勝ち負けの分は全てお店が運営していく上で必要なのでお店が負担する。
・他飲食店や損失というリスクの伴わない職種よりも賃金を高く設定する。
etc

上記、例は何れも運営していく側のリスクが大きく商売として成り立たない可能性があることは誰もが承知の事実である。

第二に作業や業務のルーティーン化が非常に難しいということ。
時間的な問題も多く存在する。
食事を取ることのできる時間や休憩を取ることのできる時間がこれほどまでにお店側の運営状況に左右される職種を私は他に知らない。
またお店が暇であれば何もやることの無い状況が多く存在するというのも雀荘のスタッフならではである。
休みの時間に関しては休みが不定期であるということもあり、いつでも休むことができるという部分も半面で存在する。
即ち、決められた時間に行わなければいけない行動が少なく人間の特性上、だらだらと時間を過ごしてしまいがちになる。

では雀荘業務のルーティーン化はどこまで行えば良いのか、またメリットやデメリットは何かということを改めて確認していく。
ビジネスにおける作業でルーティーンが非常に重要とされるものは事務作業などの毎日欠かすことのできない作業が主である。時間の管理、作業の効率を上げることを目的としたルーティーンが利用されることが最も多い。さらにルーティーンを利用することによって、ミスが減る等の多数のメリットがあるのも事実である。しかし、簡単に思えるルーティーンではあるが、そのルーティーンは分野ごとにポイントがあり、適切に利用しない限り、十分なメリットを得ることは期待できない。
毎日繰り返される業務のルーティーンを行う際の最大のポイントはチェックシートなどを用いて仕事を進めていくことである。
また誰にでもできる仕事となるルーティーンを達成するということは、個人個人の考え方などが関与しないことが求められる。
ルーティーンを定めていく上で大切なことは「個人の考え方などが関与しないシステム」とすることがベストである。

上記のようなルーティーンを制定し、実施に至ったとしても雀荘勤務において空いた時間で何をするのかという部分は個人の自発性に期待せざるを得ないのが現状である。
常に指示を出し、日常とは違う業務の指示を出すことのできない責任者にも問題があるのかもしれない。

第三にアルバイトスタッフにとって「麻雀を打つ」ということが遊ぶということの一つであり、雀荘に務める人の大半が「遊びながら収入を得られる」と思っているということである。

これは語弊があるかもしれないが、私自身も雀荘で働こうと思ったのは「麻雀(遊び)をしながら収入を得られるなんて気軽で良いかも」などと不純な動機があった事実がある。
その様な不純な気持ちで働く、又はプロ活動や麻雀を打つことだけに楽しみを覚えている人にとっては雀荘運営においての業務はオマケでしかないのかもしれない。

それら多くの問題を抱えたアルバイトスタッフを如何にして教育していくか、又は業務において質を高めていくことができるか。

まずは雀荘勤務において、という概念を除いて考えてみる。
多種多様にアルバイトやパートスタッフが小売業者、販売店、サービス業において欠かせないのは事実の基、その何れにおいても優秀なアルバイトスタッフが存在する。それらはどのようなスタッフであろうか。
また優秀な社員や管理職などはどのようなスタッフであろうか。

労働の環境下で必ず存在するのがサービスの提供側と提供される側である。
優秀と言われるスタッフのほとんどが顧客からの評判が良いことは考えなくともわかる理屈である。
顧客からの評判が良いスタッフとはどのようなものを想像するか、様々な見解があるかと思われる。
多くの人が共有できる内容としてコンビニエンスストアのスタッフの接客を思い浮かべてほしい。

愛想が良く手際が良い。また清潔感があり、当然のようにユニフォームをしっかりと身に纏い、返事や質問に対しても嫌な顔せずにハッキリと答える。
「いらっしゃいませ、ありがとうございました」等の決められた文言も明るく丁寧に伝えられるようであれば尚のこと好感がある。
日常的に買い物をする店で袋を頼まないことを覚えていてくれていたり、購入するタバコの銘柄を覚えているということでも好感を持つきっかけになる。

では、このような接客ができる店員が店長や上司から評価を受けていない姿が想像できるだろうか。
この店員さんはどのような店員であれば好感を持たれるか、お客様の顧客満足度を維持、又は向上させられるか、ということを知っています。
それらを知っている店員さん自身は、お店にとって優秀なスタッフである術も当然のように知っています。
上記の共通点は自らの視点を「お客様の目線」並びに「上司の目線」に置き換え、どうすればより優秀であるか、より役に立つことができるのかを自分以外の目線を取り入れることによって知っていくのです。

これは社会で生きていく上でも非常に重要です。
どこで働こうが、どんな国で働こうが、又は労働者でありたくないと起業したとしても必ず部下が存在し、雇用主又は顧客が存在する。
自分自身では考えの及ばない立場の人たちも中には存在するだろうが基本的には相手の立場になって考え、何を求めているかを思慮していくことが社会に適合していくということになります。

それはアルバイトスタッフに限った話ではなく、社員を含む中間管理職においても同じことが言える。
会社はどのような社員に管理職を委ねたいか。
どんなに能力が高くても会社の意向に背く社員には管理職をしてもらいたくないと思うのは当然のことではないだろうか。
私が会社の経営者、又は経営陣であれば当然のように自ら定めた社訓や社内方針、コンセプトに沿った社員を求める。そういった社員でなければ新たな部下への教育を一任した上で会社が望む社員を育てられないと考えるからだ。
中間管理職であれば部下と上司、また顧客の目線が必要である。
部下がどうしたいか、又は何を悩んでいるか(仕事だけでなくプライベートも含め)。
上司は何を求めているか、会社は何を求めているか。また顧客は何を望み、求めているのかetc

何れも雀荘業務においてのみ必要な能力ではなく、一つのコミュニティで必ず必要となっていく能力だということがわかる。
雀荘業務に従事しているから特別な教育がいるといったことはなく、上記の内容のように一つの労働環境としてよりよい場所を作っていくために必要なことを教えていくといった概念でよいのではないだろうか。

まとまりに欠けているのだか、今回はここまで。。

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