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イギリス大学院 コロナを経て授業形式はどうなったのか?

先週からようやく大学院の授業が本格化してきました。パンデミックを経て授業のスタイルにはどのような形に行きついたのでしょう?イギリスの大学院がスタートして2週間の学校生活を通じて見えてきたことを紹介します。

1.基本スタンス:100% 現地開催には戻さない

まず、最初のオリエンテーションでキッパリと言われたことがあります。パンデミックが収束しても、コロナ前のような完全な現地開催スタイルには戻さない、ということです。正直、リアルな授業ややりとりを期待していた私をはじめ、周りのクラスメイトにはやや微妙な空気が広がりました。笑

学校からの説明の中で、このスタンスの背景として挙げられていたのは主に2点です。

①各国のコロナの状況やビザ・入国規制により、イギリスに入国できていない学生に対する配慮

②昨年度100%オンラインに移行しコースを開講する中で、オンライン実施による効果・手ごたえを学校として認識したため

どちらもそれらしく聞こえるのですが、オンラインが中心になるのであれば、もっと格安で受講できるコースとあまり変わり映えしないのでは?インタラクティブな学習の機会は減ってしまうのでは・・という気持ちは芽生えます。

2.実施の方向性:オンラインと現地開催のブレンドによる最適化

学校の方針としては、それぞれの良いところを活かして組み合わせてやっていくということです。具体的には以下のような棲み分けが図られています。

①インプット型の講義(教授陣からの説明がメインになるもの)は全て録画ビデオとし、生徒が好きな時間、場所、スピードで視聴できる柔軟性を確保する。また、ビデオ講義の内容に関する質問は、WEB上の掲示板で自由に投稿可能。だいたい1日以内には何かしらの回答やアドバイスがもらえる。

② ①で各自前提となる知識習得や学習を完了させた状態で、現地開催のセミナー(生徒同士のディスカッションやプレゼン)を開催し、それぞれの考えをアウトプット。視点の多様化や課題の深堀りをする。15名ほどの小グループ制を確保する。

3.実際どんな感じ?:さけとばの時間割を例に

実際に日々のスケジュールはどのような感じになっているのかを以下にまとめました。さけとばは今期4つのコースを受講しており、それをふまえた時間割です。(小さくてすいません。。宜しければ拡大してご覧ください)

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全体のサイクルのポイントは以下の通りです。

①セミナー開講日の5日前にオンライン学習コンテンツが公開される

②学習コンテンツには、主に講義ビデオ、事前課題(簡単な調査やケーススタディの分析)、セミナーのディスカッションテーマの提示、課題図書(各コース3~7種類の書籍/記事)の紹介が含まれる

③セミナー開講までにコンテンツでの学習と、課題図書の読了、ディスカッションの準備が必要

また、補足情報として以下のような仕組みがあります。(おそらくコロナ前後で大きな変化はないと思われます)

①チューター制度

学習の進捗や問題をサポートするためのチューターががアサインされます。チューター1人につき10名くらいの生徒がついており、定期的なグループチュートリアルの他に、希望者は1on1での面談設定が可能です。(オンライン/現地どちらも可)

②Office Hour

各教授は週に数時間のOffice hour を設けており、アポを取れば、直接質問をしたり、相談をすることが可能です。(オンライン/現地 どちらも可)

③キャリア支援窓口

定期的にワークショップ(オンライン)や、個別面談(オンライン/現地 どちらも可)の申し込みを受け付けています。

4.個人的な受け止め:メリットとチャレンジ

上記をふまえて、今時点で私が感じていることを記載します。

①準備時間がとりやすい【メリット】

英語のレクチャーの理解に時間を要す私のような留学生の立場からすると、セミナーのディスカッションまでに十分な準備時間が確保されていることは、有難いことのように思います。ただし、じっくり考えたり反芻する時間がある代わりに、短時間でポイントを掴んだり、即時的なレスポンスをする力は自分で意識しないとおざなりになってしまうかもしれません。

②クラスメイトとの交流も出来る【メリット】

現地開催のセミナーがあるため、直接意見を交わしたり、授業の空き時間に、コーヒーを飲みながら気軽な雑談やそれぞれのキャリアの話をするような時間もあります。会えるのは週に1~2回だからこそ、登校したときはコミュニケーションを取ろうという雰囲気があり、今のところ心地よい頻度、コミュニケーション量です。

③セルフマネジメントが問われる【私にとってチャレンジ】

ビデオ講義を含めて、自習時間の柔軟性が高いことはメリットなのですが、どんなリズム、ペース配分が自分にフィットするのかはまだ模索中です。時間割の空き時間で事前課題・課題図書を終わらせる必要がありますが、なかなか集中しきれずにダラダラしてしまったり、無駄に家事に注力したり(逃避)SNSのアクセス頻度が上がる癖があるので、自分を律する必要がありそうです。

まだ比較的簡単な課題しかないのでどうにかなっていますが、グループのタスクや、ボリュームのあるエッセイなど、課題が複雑化してくる前に、学習のスタイルを安定させていきたいところです。この辺はまたnoteで、模索、やらかした事も含めて経験を晒していければと思います。

5.まとめ:自分が適応していく番かな

会社も出社の在り方やテレワークの位置づけが変化しているように、私の通う学校でも、今学期の開講までに様々な模索、検証があったのものと思います。現時点での開講スタンスや実際の状況は上記の通りですが、今後も何かしらの変化の可能性は依然含まれていることでしょう。

あれこれ気になること、たらればもありますが、今後仕事に就いたとしてもオンラインとオンサイトのブレンド、効果的な活用ができるスキルはMUSTであり、文句言っている暇があれば、心を無にして課題図書読んで(爆)、自分を適応させていくべき段階なのかなと思っています。

更に言うなら、HRとしてまさに新しい職場の在り方を主導するような役割を求められる可能性もありますので、どんな感触、変化、効果があるかをよくよく体感してみることも貴重な経験であるのかもしれません。

今日もお付き合いありがとうございました!

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