全国新酒鑑評会において、純米酒の金賞受賞率はアルコール添加酒の半分以下
全国新酒鑑評会
新酒を全国的に調査研究することにより、製造技術と酒質の現状及び動向を明らかにし、もって清酒の品質向上に資することを目的に、全国新酒鑑評会を行っています。
酒類総合研究所
最近は、国内外で様々なコンテストが開催されていますが、
公的で全国規模のコンテストは、 酒類総合研究所と日本酒造組合中央会の共催である 全国新酒鑑評会 のみであります。
酒類総合研究所が主催ということもあり、営利目的ではなく厳正かつ公正な審査が行われているのが特徴です。
公平性が保たれてなく営利目的のコンテストがあるかどうかは・・・不明ですが(^^ゞ
巷では、純米酒ブームでありますが
実は、全国新酒鑑評会では純米酒は大苦戦です。
平成 27 酒造年度の結果をご紹介
平成27酒造年度全国新酒鑑評会出品酒の分析についてより
上記表から
出品点数は、854 点、上位酒(金賞受賞酒) 227 点。金賞受賞率 26.6%
純米酒(アルコール添加量 0)の出品点数 139 点、上位酒(金賞受賞酒) 15 点。金賞受賞率 10.8%
アルコール添加酒の出品点数 715 点、上位酒(金賞受賞酒) 212 点。金賞受賞率 29.7%
出品点数が少ないということは、純米酒では全国新酒鑑評会に不向きだと製造者が判断しているということです。
純米酒で出品している多くの製造者は、純米酒しか製造しないメーカーが多いです。(金賞を狙うにはアルコール添加酒で造りたいが、会社の方針で仕方なく・・・という杜氏さんの話も聞いたことがあります)
余談ですが、
全国新酒鑑評会のお酒が、飲んでうまいかどうかという意見をネット上で見ますが、
そもそも、新酒鑑評会の出品酒はそのルールの中で最高パフォーマンスを出すようにつくられたお酒です。
そのお酒が、市場に合う合わないは関係ないのです。※
(F1 レーシングカーが公道を安全に走れるかどうかは関係ないのと同じです)
金賞をとれる技術というのは、酒の味をコントロールできる 設計(レシピ)・発酵・貯蔵・ろ過等々の技術 が優れているという証なのです。
※鑑評会用のお酒も最終的には市販するために、市販酒の規格に合わせて調整する場合もあります。
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追記:2018/02/28
「純米酒の成績が悪い年度をピックアップしてませんか?」とのご指摘の回答です。
平成 26 酒造年度
出品点数は、852 点、上位酒(金賞受賞酒) 222 点。金賞受賞率 26.1%
純米酒(アルコール添加量 0)の出品点数 121 点、上位酒(金賞受賞酒) 13 点。金賞受賞率 10.7%
アルコール添加酒の出品点数 731 点、上位酒(金賞受賞酒) 209 点。金賞受賞率 28.6%
平成 25 酒造年度
出品点数は、845 点、上位酒(金賞受賞酒) 223 点。金賞受賞率 26.4%
純米酒(アルコール添加量 0)の出品点数 106 点、上位酒(金賞受賞酒) 8 点。金賞受賞率 7.5%
アルコール添加酒の出品点数 739 点、上位酒(金賞受賞酒) 215 点。金賞受賞率 29.1%
平成 24 酒造年度
出品点数は、864 点、上位酒(金賞受賞酒) 223 点。金賞受賞率 25.8%
純米酒(アルコール添加量 0)の出品点数 97 点、上位酒(金賞受賞酒) 13 点。金賞受賞率 13.4%
アルコール添加酒の出品点数 767 点、上位酒(金賞受賞酒) 210 点。金賞受賞率 27.4%
平成 23 酒造年度
出品点数は、876 点、上位酒(金賞受賞酒) 247 点。金賞受賞率 28.2%
純米酒(アルコール添加量 0)の出品点数 82 点、上位酒(金賞受賞酒) 7 点。金賞受賞率 8.5%
アルコール添加酒の出品点数 794 点、上位酒(金賞受賞酒) 240 点。金賞受賞率 30.2%