2024.8.2 富山県民会館60周年記念公演 立川志の輔独演会
●富山公演に来た理由
7月に真夏の大忠臣蔵を聴いたのに、8月にも中村仲蔵を聴きにきた。本多劇場取れる自信がなかったので、先に発売だった富山公演を確保したのですよ。
さて。富山暑い…(;・∀・)
東京のコンクリートに焼かれる痛い系の暑さではなく、後ろからアメフラシがまいどはやーって来るような湿気でずっしりくる系の暑さ。
県民会館前の看板。もちろん完売。
富山県民会館は駅から徒歩10分程度の所にあるホール。
中に入るのは今日が初めて。
60周年というわりには建物の外も中もなかなかに綺麗。
終演時間表!これは絶対21:30近くですな!!
エレベーターを昇って、2階にホール。
エントランスはやや狭いかな~。たった1日の公演なのにスタンド花6台。北陸銀行(てるてる亭のスポンサー)、北日本新聞(いつも取材に入ってるよねえ~)室井滋さん(本多劇場に続いてここでも!)後援会会長 分家さんと錚々たるお名前の中に「石川さゆりさん」!!どんな繋がりー?と一人で動揺する私。
さて、この日は志の輔さん手ぬぐいの浴衣で行ったんですが、道中同じ目的で歩いているであろうマダムが信号待ちの時に振り返って浴衣を上から下まで見て、そのまま凝視…(;・∀・)マダムの前で一回転くらいして差し上げたらよかったかしら。
そして、会場でもてるてる亭のスタッフの方に、驚かれ、物販の前ではおじいちゃんに驚かれ(手ぬぐいと私の浴衣を見比べまくっていた…)まあ色々な人に驚かれた浴衣でした(笑)
さて、今回の私の席は、出遅れて4列目の端っこ席。
でも、見え方としてはとても見やすい。
1000人位キャパのホールなので、高座作ってあって、前の方はちょっと首が痛そうだなあ~と、この時点では余裕かましていたのでした。
●ちりとてちん
若草色の長着と羽織で登場(帯は赤茶色の献上)
富山県民会館には落語家になってからお世話になった。
その60周年記念公演に呼んでもらってとても嬉しい。
いつもなら私の前にお弟子が出て開口一番をやりますが、その時間も奪って私が二席やります。
富山県民で生の落語を聴いたことがある人なんて全体の2%くらいのものでしょう。
いや、そうなんですよ。
その他の人にしたら、落語~?聴いたことないなーで終わってしまうようなものなんですよ。
富山のオーバードホールでは毎年とても素晴らしいクラッシックが開催されます。あれもいつもの3000人が集まって、また次も同じ3000人が集まるので、新しい人が入れない。
そんなようなものなんですよ。
ほら、バレエでも素晴らしい人が富山に来るでしょう…
こういう人…
~沈黙~
ほら、言ってみられ…
熊・川・哲也さんやちゃ。
でもそれも見ているのは一部の人なんですよ…
私が落語家になったばかりの頃に、富山の全市町村を回る落語会をやりました。その頃は富山の人は落語聴いたことがない、私もなりたてて下手だし、その頃の富山の人は外で笑うようなことに慣れていなかった。
だから隣の人が笑っているのを見て、自分も笑うというようなそんな感じだったから、テンポがずれていくような感じだったが…
今はもうお世辞でも何でもないが、富山のお客さんが一番いいお客さんになった、それも私のおかげでしょう…。
いやいや今のいい方が悪かったですな、お客さんのおかげでしょうな(笑)
その中でも五箇山でやった時は、あそこは森家でやって、国の重要文化財なので、もう傷つけちゃいけないっていうのが私もスタッフもあって、落語やった気にならなかった。
水橋では公民館がなくて体育館でやって、ステージの上に高座を作って、水橋のお母さん方が50人くらいいたのかなあ…そういうところでもやっていました。
からの、志の輔さんによるお客さんのレベル確認の小話がどどっと。
毎度の姐さん粋だね~に、かぐや姫・老眼鏡・輸入車・落下中の会話・よりもよりましての話など…この時点で終演時間は21:30近いなと更に確信するのだった。
そしてちりとてちん
本当に物は言いようで、こんな目に遭ってしまうタケさん。
ろくさんの大げさっぷりも楽しいけれど、嫌味なおっちゃんのタケさんを演じている志の輔さんが好きな私。
なんかいい人やってる志の輔さんより、悪い人やってる志の輔さんが好きという天邪鬼でござる。
さてさて、今回も豪快に悶絶していて面白かったです…。
あの後、隣の部屋で見ていたろくさんと主はどんな会話を繰り広げたのだろうかなんて言う、スピンアウトもあったらいいのになんて思う。
~仲入り~
●中村仲蔵
今回はメインは中村仲蔵と分かっていたので、ちりとてちんの前のまくらが富山弁ではなく標準語だったのは、(中村仲蔵)のためだったのかなあ~なんて思ってたら、ですよ、仲入り後に、富山弁が~
「聴いとっけ?」(東京では、話聴いてます?のところです(笑))とか、ちょいちょい富山弁を挟みながら、中村仲蔵について簡単な説明があって、本題に突入…したんですよ。
相変わらず志の輔さんは凄いんですが、中村仲蔵が名題として、舞台に立って、大向こうが掛からなかったというシーンで客席から笑い声。
え?ここで笑うの?と違和感を感じつつも、そのまま聴いていると、その後の2回の大向こうが掛からなかった…というところで笑い声。
本多劇場では6回中2回しか聴けなかったので、もしかしたら東京でも笑う人は居たのかもしれないけれど、え…そこ笑うんだって感じで動揺した私です。
どちらが正しいとかではありませんが、志の輔さんが狙った反応はどちらだったのかなあと思うと共に、サゲ的には、あそこで笑いが起こらない方が…は個人の感想です。
東京と違ったところは、斧定九郎が蛇の目傘を廻しながら登場する場面。
東京では、前に前に廻すのみだったのが、富山では右に左にと大きく傘を旋回させるように廻していたのが印象的。
東京の本多劇場はキャパ400、県民会館はその倍以上(1100)。
広さに応じて仕草も変えているのかな…などと感じた。
照明での演出で花道を表現するのは富山も同じ。
ただ、富山の方が会場が広い分だけ、花道の奥行きも感じる。
あとは、定九郎が申し伝えますで、セリフを忘れたところで、志の輔さんが「忘れました」と言った瞬間に…謎の間…志の輔さんは「あ、私じゃないですよ、仲蔵がですよ。」とフォロー。
余りにも志の輔さんがナチュラルに言うので、富山のお客様、多分、誰が?になった空気を瞬時に読み取ったのね…流石だわ。
●カーテンコール
今回の演目のスタッフは東京から長唄の松永社中、照明、音響スタッフ。富山のスタッフや金沢からもスタッフを呼んで、東京でやっていたことをここでもやってみました。60周年記念といいながら、自分のやりたいことをやらせていただいたわけです。
スタンド花の石川さゆりさんは、お友達なんです。
で石川さゆりさんに今度60周年記念公演をやるんですよという話をしたら、石川さゆりさんもこの会場にすごくお世話になっているので、私もなにかしたいと仰ってくれたので、では…とスタンド花をお願いした次第ですと。
スタンド花を出した方との関係について志の輔さんが話すの聴くのは初めてかも。
県民会館は館長さんが初の女性館長さんになったんだそうで(という話をまくらでしていた)。
カーテンコールでは、館長さんへの花束贈呈がありました。
志の輔さんすぐには立てないんですよ~とよろよろと志のぽんさんから花束を受け取って、館長さんへ。
館長さんはテキパキと挨拶をして、志の輔さんと一緒に三本締めで終了したのでした。
そして終演時間は21:28!
ですよねーって感じの安定の終演時間オーバー。
もういっそ終演時間未定とか、恐らく終電には間に合いますとかにしたらいいのではないかと思ってます…。
●どこがやねん!!
志の輔さんは富山のお客さんが一番のお客さんだとお褒めになるが、今回私の席の2列前に居たハゲ爺が、ずっとスマホをかなりの頻度で開けていたので、まぶしくて集中できなかった。私の右斜め前の女性は体を大きく動かして笑うのが癖なんでしょう。頭をヘドバンですか?レベルで振るので非常に目障りでした。
4列目だけどオペラグラス持って来ればよかったなあ…って感じで、この日に限って言えば、どこが一番のお客さんなんですか?と特にハゲ爺に詰めたいところ。
今回私が泊ったエクセルホテル東急富山は会員だと、新聞をくださる。翌日の新聞に早速志の輔さん♥
次回の志の輔さんは9/14と9/16です。