2024.1.6:志の輔らくごinPARCO2024→C列上手
本来は1/7が私の初日でしたが、Xにて当日の13時くらいまで行く先を探しているチケットがひらひらしていたので、名乗りを上げて行ってきました。
お譲りいただいた席はC列上手。
サイドブロックはA列がないため実質2列目で見晴らしが良き。オペラグラスなしで志の輔さんが確認できます。神席!!
さて、始まる時に三味線と長唄が…「三日目!」と歌うので、会場がどよめいているうちに志の輔さん登場。
今日は二日目ですが、わざと「三日目」とやっています。
初日です!とやっているとなぜかお客様が、あなたがたが落語をやるわけじゃないのに、こう緊張していて、私に無駄に緊張を投げかけてくるので、これは1回やったことにして2日目から始めようと思った。それで初日は無観客でスタッフだけでやろうということをPARCOの社長に言ったら、そんな無駄なことはできない!というので、初日から長唄の人に「2日目!」と叫んでもらっています。
ところで、最初にお願いがあるのですが…。
お正月に大きな地震がありました。
私の故郷富山県、能登の方に大きな被害がありました。
いつもはお正月は富山県で地元の芸人を集めて新春の会をやっています。それも今年は中止となりました。
皆さんの拍手で富山や石川に元気を貰えたらと思います。遠い東京からですが、元気を送れたらと思っておりますので、拍手をお願いできますでしょうか。
前のPARCO劇場から今のPARCO劇場で、一番多く舞台に立っていると思います。
初めてPARCO劇場に来たのは18の時でした。
その時PARCO劇場では仲代達也さんと山口果林さんが出演していた、安部公房の作品の「友達」を上演していました。東京は毎日こんな公演が行われているんだと、感動した記憶があります。
その時に、なんでしょうなあ、なんとなく、俺はこの先この舞台に関わることになると思いました。本当にその時は富山から出てきたばっかりの田舎の少年でした。その時は落語なんてやるとは思っていなかったんですが、今こうして関わっています。舞台に立ってないで座ってますがね。
大学は明治大学落語研究部に入りました。
私が入学したころは全共闘運動の盛んな頃で、大学はロックアウトしていて授業はありませんでした。授業はやっていないので、毎年1回レポートを出して、それも友達が書いたものを提出しているだけです。提出すると毎年学年が上がっていきます。でも授業料は取られます。
授業料を払って、卒業証書を貰うためだけに大学に行っていたようなものです。全然勉強していなくて親に悪いなあと感じました。
落語家には定年はないですな。
喋り続けて終わるのが落語家だと思っています。
自分で定年、ここで辞めると決めて辞めて行った人は少ない。
私はラジオしかない時代に生まれました。こうしてみるとラジオのない時代に生まれている方もいるようですが。こうして生きてきた時代が、変動の時代でした。
私のお客様は10代~80.90代まで幅広くいらっしゃいます。
でも中心となって支えているのは50~60代の方です。
もう半世紀生きているんですよ?気がついてないでしょう?
私だって最近まで気がつかなかったんですから。
■送迎会 (臙脂の羽織と長着・緑の袴)
入社して43年経った同期の男性2名。43年ぶりに入った蕎麦屋で昔を振り返る。
昔の常識あるある的な話から、お互いに花を送り合うことになったものの、家で揉めたくないから店主に贈呈しようとなったところで…
どうサゲル?どうサゲル?と思っていたら、そうきたかー!ってなった。
★動画が流れて、この後流れるものを持っている人は「豪華ハイタッチ」
太陽の塔
ケロヨン
初期の炊飯器
チャンネル回す形式のテレビ
ぴょんぴょんホッピング
ドリンキングバード
車のしめ縄
赤電話
テレフォンカード105度
二つ折り携帯
牛乳瓶開けるやつ
ダッコちゃん
牛乳瓶
三角パック牛乳
ソニーのごついウォークマン
ショルダータイプの初期の携帯
お蕎麦の配達の写真
志の輔さん:私は着替えながら、皆さんの反応を聴いているんですが、一番わーって笑ってたのって何ですか?(前方のお客さんに聴く…)
ああ、しめ縄ねー(笑)
あのドリンクバードってなんに使うのかねー。ただ水飲んでるだけなんですよ。
昔はよその家の玄関や応接間にあったんですよ、あれが(笑)
ふるさと納税に対して疑問を投げかける志の輔さん。
泉佐野市がPCだとかタブレットだとかスマホとかってやりだして、それは流石に何も関係ないだろうと国から怒られて、泉佐野市も引かず、そんな仕組みをつくったのはそっちだろうと揉めたんだけど、最終的には上限何パーセントと決まって今のような状態になりました。
飛騨では「飛騨のおっちゃん」っていうのがあって、おっちゃんを指定すると、飛騨に詳しいおっちゃんが飛騨を案内してくれるというのがあって…という返礼品枕からの…
■モモリン(薄青色の羽織と長着)
サゲは「じゃあ、誰が市長をやるんだよ…」でした。
■くまモンとハイタッチのコーナー
噺終了後に、ももりん…ではなく、くまモン登場。
志の輔さんの古希のお祝いに熊本から駆け付けたのだそう。
「豪華ハイタッチ」というのはくまモンとハイタッチなのだそう(志の輔さんじゃないのか…)
で、テレカはみんな持っていて長蛇の列になるので却下。
二つ折り携帯も”私はまだ使っているので、使っていないと言われるのは悲しい”ので却下
この日は「ケロヨン」が自宅にあるという事で女性がくまモンとハイタッチ&志の輔さんと握手しておられました。
志の輔さん「くまモンはお祝いに何を持ってきてくれたの?馬刺し?」
くまモン 違うというリアクション
志の輔さん「辛子蓮根?」
くまモン 違う
志の輔さん「すいか? 熊本のスイカは日本で一番早くて3月位からで、甘くてとても美味しんですよ~」
くまモン→スクリーンに【くまモンもくまモンフラッシュに挑戦するもん】!ってことでしたが、転んでました。
それをあやす志の輔さんが満面の笑みで可愛らしい~♪
オレもくまモンになりたい!!
★仲入り★15分
くまモンのフォルムなのかバランスなのかなんともかわいいと、ああいったものを愛でるのは日本人だけでしょうなあ。
くまモンは園遊会にも出席するんですよ、で、今は上皇様になりましたが、くまモンの前に立ち止まって皇后様が「お一人でなさっているんですか」と聴いたというエピソードは有名ですな。皇后様でなければ聴けない質問ですな…(※1)
作者の人と別の仕事で会いました。
なんといいますかな、人柄がくまモンに反映されているような気がします。
くまモンは熊本での公演の時に、前座さんが一席やって、私が一席やる時に座布団をひっくり返して新しい面を出す「高座返し」としいうのがるのですが、それをくまモンにやってもらっています。そうすると場内からは拍手が沸き起こって、お弟子が悔しがったりします。
だんだん少子化になっていくのに、落語家になるものは増えている。
そのうち世の中落語家だらけになって、観客がいなくなるとそんな冗談を交えつつ、子供は大事にしなければならないと語る志の輔さん。
■しじみ売り(黒紋付)
義賊の顔といいおじさんの顔と無邪気でいてその年にしては大人びすぎているような物言いの子供(子供のくせに苦労し過ぎだろうよ)の変化が凄い…。
助けたはずの人間が、不幸になっていて、その不幸から解くには…と行動に移す姿に、悪いことはしているけれども、でも、という気になる。
そして、外に出た次郎吉が「冷えてきたな…雪か…」と空を見上げる時に、舞台に雪が降っているように感じる。寒い冬に三味線の音が雪の音を奏でだす。
笑うところは少なく、重みのある志の輔さんの語り口調に圧倒される時間。
古典落語は本当に面白くないのだろうか。
いつぞやの独演会で志の輔さんは「落語は一回聴いたくらいでは面白いとは思えない芸能です」と。
また、「ある程度の教養がなければわからない芸能」的なことも言われていた。
蜆売りの話だって、鼠小僧次郎吉という義賊の話を知らなかったら、一体何の話をしているのかわからないだろうなあ。
そしてモモリンでの体を張るような絶対疲れるでしょ!っていうPOPな落語から、一転骨太で重量感のある古典落語を語りだす志の輔さん。
どちらも好きだなあ。新作落語の軽妙なノリも古典落語での胸の奥まで掴まれるような、思わず息を止めて聴いてしまうような世界どちらも好きだなあ。
==カーテンコール==
2時間45分、昨日より5分伸びてます。
いつも3時間位の長さをやってて疲れるのでなんとか短くしたいんですがなあ。
熊本も被災されて復興しました…その熊本とPARCOとで作ったものがあります。良かったらお持ち帰りください。
来年はできるのかわかりません。
去年の2日目とは…思い出せませんが、違うような気がします。そんな感じでやっていますが…皆さんからはなにかありますかな。
それでは三本締めで長唄の方よろしくお願いします。
長唄の方が歌ってからの三本締め。
送別会を聴いた瞬間に、あ!これはクライマックス寄席で枕にしていたネタが入っているー!と思ったので、帰宅してクライマックス寄席の記事をクローズしたのでした。
このnoteが公開されているころにはクライマックス寄席の記事も再公開していることでしょう。
※1:園遊会ではなく熊本県庁に現上皇様ご夫妻が訪れた時に質問されたという説もあり…。