#023.迷子のススメ。
いろいろあっても、最終的にはいつかどこかにたどり着くから安心していいよ、という話。
前回の記事で、裏山に登る前日譚を書いた。あまりに夕陽に照らされた裏山がキレイだったので、今の季節に登ったら気持ちいいだろうなっていう話。
リュックにレンズ、コンデジ、GoProと水筒を入れ、首に愛機NikonD3200をぶら下げて一路裏山へ。快晴の道端には、鮮やかな緑や白、黄色の光を放つ名もなき草花があふれる。
なんだか祝福された気分。さっそく意味もなくシャッターを連打する。ああ、世界ってこんなに彩り豊かだったのねぇ~ずっと家でスマホポチポチしてたから、忘れてたわ。
散策路の入口の門を開け、山へ足を踏み入れる。
山は不思議だ。自然の造形にあふれている。
あれも、これも。
人がいくら頑張って想像したってきっと描けない複雑な構成で、一分の無駄もなくただ存在している。目を向けない限り気付けない、美しさ。そう、美しさとは人の目が切り取った世界の豊かさの断片なのだ。。。詩人か。
途中、分岐の看板を見過ごしたのか、今自分がどこにいるのかわからなくなってしまった。迷うような山ではないのでちょっと恥ずかしい。後からハイカーや山ジョガー?みたいな人がどんどん追い越していく。山初心者だけに、なんだか焦る。
汗か冷や汗かわからないものが額から流れるのを感じながら、行きつ戻りつ歩くこと20分。ぱっと視界が開けて、市内を一望できるポイントへやってきた。よかった。
特に目指してはなかったけど、いちおう頂上の展望スポット的な場所だったみたい。私以外に人はいなかったので、頂上からのシーンを堪能した。桂川や京都タワーが遠くにかすむ。京都の町って、やっぱコンパクトだな。
家とは逆の方向に下山した。途中、小川のせせらぎが聞こえる小径もあり、十二分に癒された。竹林のあたりでものすごい獣臭がして、クマでも出たかとビビったけれど。
帰路、電車とバスの乗り換え駅で腹が減っていることに気が付き、なか卯でとり天冷やしうどんと生シラス&桜エビ丼(小)を食した。
思いつきで歩き出し、よい1日を過ごした。時にはゴールを定めずに、見切り発車でスタートするのもいい。チラッと迷子になるのも、思いがけない景色に出逢えてまた良しである。
たまには、エイヤッて始めてみるのもいいんじゃない?
ほた、また。
※ガチの山登りは迷子NGです。ちゃんと準備してのぼりませう。