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蔵元と杜氏の違いとは?酒蔵の仕組みを解説!
「日本酒を、もっと身近に」という理念をかかげながら活動している日本酒メディア・コミュニティ『酒小町』。このマガジンでは、日本酒の豆知識をわかりやすく、ちょっと飲んでみたくなるようなコラムを書いています。
今回は【酒蔵の組織図〜蔵元と杜氏の違い〜】についてお話していきます。
みなさんは日本酒イベントに参加したことはありますか?日本酒のイベント情報は日本酒カレンダー、お酒全般のイベントならイベントチェッカーなどで調べると気になるイベントが見つけられるかもしれません。
そんなイベントの際には、時々酒蔵の方とお会いすることがあります。蔵の人間と分かるように目立つようにハッピを着ていたり、銘柄の前掛けをつけていたりしますね。
酒蔵を呼ぶ時によく言葉としてでるのは、
「蔵元」(くらもと)
「杜氏」(とうじ・とじ)
「蔵人」(くらびと)
の3つです。
この3つ、実は似ているようで微妙に意味が違います。名前が分かれているということは、役割が違うということ、使い方を間違えると失礼になってしまうこともあります。
今回は酒蔵という組織の役職・役割分担についてみてみましょう!
酒蔵も一つの会社、組織
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その中で役割分担がなされて日本酒づくりがなされています。
前述の3つの役割をまずは整理しましょう。
・蔵元(くらもと)
→酒蔵という組織、会社の経営者のトップ、CEO(最高経営責任者)
・杜氏(とうじ・とじ)
→酒造りというプロジェクトの製造責任者、COO(最高執行責任者)
・蔵人(くらびと)
→酒造りの業務に関わる人全般
この中でもわかりやすいのは、杜氏ですね。その蔵のお酒造りを総括し、蔵の味のイメージを司るようなポジションです。
蔵にとって「杜氏が変わる」というのは、かなりの重大イベント、なんならちょっとした事件です。
そんな杜氏がイベントに来る・直接お話しできる、ということは、そのお酒のことについて知り尽くしている張本人にその思いをきいたり、質問をしたりできるということ。とても貴重な機会であることは間違いありません!
酒造りに関わる蔵人の中でも、どのような作業をするかによって、細かく名前がつけられています。詳細は画像を参照ください!
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あまり酒蔵の外では聞かない名前かもしれませんね。大事なこととしては、これらの役割を「兼任している場合が珍しくない」ということです。経営者としてのトップの人間が、酒造りの現場にも入って指揮を取る、というのが、俗にいう「蔵元杜氏」です。
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潤沢な人数がいる大規模な酒蔵ならこれらの役割がきっちりと分かれているかもしれませんが、いまはきっちり分かれている方は稀です。なにせ家族経営の小規模の酒蔵もあるくらいですからね。境目をつける理由もあまりありません。というか、境目をつけずにやることをやらなければ現場がまわりません。
また、酒造りに関わっていないスタッフももちろんいます。事務や経理、営業、広報担当の方などですね。しかしこちらも、酒造りを行っている人が兼任していることもよくある話です。
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1人でなんでもやります!みたいな方がいたり、繁忙期にはスタッフ総出で酒造りや出荷対応!、という話もしばしばです。
ちなみに、“あまり細かいことはわからないからどうしよう“、という場合には「〇〇酒造の●●さん」と呼ぶのがオールマイティな方法です。
明日からすぐ使えるスキルですので、ぜひ覚えておいてください!
最後に。日本酒のイベントに参加する方、こんな動画があります。気になる方は覗いてみてください。今回の内容に絡む部分もあります!
日本酒コラム『ゆるゆる日本酒教室』
日本酒コミュニティ「酒小町」
20代から30代の「お酒の場と、交流が好き」な人たちが集まる日本酒コミュニティ『酒小町』。「日本酒好きのあそび場」をコンセプトに、年齢も職業もバラバラの個性豊かなメンバーが乾杯するだけでなく、自分たちであそびを企画したり、日本酒について学んだり......誰もがホッと一息ついて自分らしくたのしめるようなサードプレイスをつくっています。
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コミュニティ内にはこのnoteのように、講義の形でない日本酒の知識を唎酒師さんがゆるゆる共有してくれるコラムがあります。美味しく、楽しくをメインにしていますが、こんな風に日本酒の知識を身につけながら飲むお酒もまた格別ですよね。
今回コラムを書いてくれた社会福祉士と日本酒学講師の資格をあわせもつ西嶋大悟さんのnoteはここから読めます。日本酒以外の話題も含め、優しくてわかりやすい文章が特徴です。