
意外と知られていない?蛇の目おちょこの歴史と豆知識
「日本酒を、もっと身近に」という理念をかかげながら活動している日本酒メディア・コミュニティ『酒小町』。今回は「おちょこと蛇の目」についてご紹介していきます。
このマガジンでは、日本酒の豆知識をわかりやすく、ちょっと飲んでみたくなるようなコラムを書いています。
日本酒が好きという人はもちろん、日本酒がはじめてな方、好きで飲んでいるけど専門用語まではちょっと…という方、これから日本酒を勉強してみたい!という方、ぜひお酒を片手に読んでいただけると嬉しいです。
ただ飲むだけでもお酒は美味しいですが、少し知識をいれるだけで普段飲む日本酒が更に美味しく、楽しくなりますよ!
おちょこの特徴と由来

第9回目の今回は“おちょこと蛇の目”のお話です。
日本酒を飲む時に使う小さな酒器を「おちょこ」といいます。口が広く、底がすぼんだ形が特徴です。
「おちょこ」の名前の由来は、諸説あります。ちょっとしたものを表す「ちょく」が語源である説、飾り気のない状態を示す「ちょく(直)」が転じた説などがよく挙げられます。
蛇の目猪口の名前の起源
みなさんはおちょこの底を見たことがありますか?
おちょこの底はこちらです!

底には、青色の円が描かれています。この模様は「蛇の目(じゃのめ)」と呼ばれています。江戸時代に傘や家紋で使われた印を、蛇の目と呼んでいたそうです。
ここで豆知識をご紹介。雨の日を歌う童謡「あめふり」で「かあさんがじゃのめで おむかえ うれしいな」の1節があります。この「じゃのめ」は、傘のことを指しているんですよ!
蛇の目猪口が初めて使われたのはいつ頃?

蛇の目猪口が初めて使われたのが、1911年(明治44年)に開催された第1回全国新酒鑑評会です。
1911年といえば、日米通商航海条約に調印して日本の関税自主権が回復、キュリー夫人がラジウムの発見でノーベル化学賞を受賞、ルーブル美術館で「モナリザ」が盗まれるなど、さまざまな出来事がありました。
歴史的な出来事と同じタイミングに、おちょこが使われはじめたんです!すごく不思議な感じがしますよね。
おちょこに青色の蛇の目が描かれている理由

蛇の目と呼ばれる青い円。なぜ描かれているかご存知でしょうか?
日本酒の色合いやにごり、浮遊物があるかどうかを見極めるためです。日本酒の色味や透明度を評価するために使われているんです。
また蛇の目が青色なのにも理由があります。
青色は日本酒の色味を引き立たせ、コントラストを明確にしているからです。実は日本酒は完全な無色透明ではありません。
薄い山吹色のように、うっすらと黄色みがかっています。黄色の補色は青色なので、より色味の違いを際立たせることができます。
次におちょこを使うときには、蛇の目をいつもより覗き込んでみてはいかがでしょうか?
それでは今回はここまで。
ではでは!
日本酒コラム『ゆるゆる日本酒教室』
日本酒コミュニティ「酒小町」
『酒小町』ではこのような形で、講義の形でない日本酒の知識を唎酒師さんがゆるゆる共有してくれるコラムがあります。美味しく、楽しくをメインにしていますが、こんな風に日本酒の知識を身につけながら飲むお酒もまた格別ですよね。
今回コラムを書いてくれた社会福祉士×日本酒学講師のダイゴさんのnoteはここから読めます。日本酒以外の話題も含め、優しくてわかりやすい文章が特徴です。
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執筆:ダイゴ|社会福祉士×唎酒師・日本酒学講師=Sake Social Worker(note)
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