「酒育:お酒ってそもそもなんだろう?」
皆さん初めまして。
アジアのラム酒メーカーで醸造アシスタントとして在籍し、現在日本の大学学部5年生のいなこすです。
私は高校生や20代前半の若い世代を中心に、「酒育」=飲酒事前教育を行っています。とはいってもまだまだ口頭で友人に「お酒ってこういうものでね…」や2年前に小規模で酒育イベントを行ったくらいで、私の持ってるお酒の知識や思いをシェアしてる段階にすぎません。しかし今後長期的視点で「酒育」を本格的にプロジェクトとして行っていこうと思っています。そのきっかけをシェアさせてください。
自身が学部3年次に1年間休学をし、現在のラム酒メーカーへインターンシップを行いました。ラム酒とはサトウキビからできた蒸留酒です。(今度また詳しくそこは解説させていただきます)その時自身で始めた蒸留所見学ツアーたるものをやっているうちに欧米人とアジア人の間に大きなギャップを感じたんです。
それはずばり、「お酒の飲み方」。
欧米でラム酒は当たり前のように飲まれ、みなさんラム酒がどんなもんかってご存知です。
「おお、いいラムじゃないか。おいしい。」
そう言ってくれる方も多くいらっしゃいました。とても嬉しいことです。
一方、お越しになられるアジア圏のお客様はあまりラム酒をご存じない方が多かったんです。あまり知らないため、ラム酒のアルコール度数が40度越えと聞いて「そんなの飲めないよ!」というお客様もおられましたが、ウイスキーや焼酎だって同じようなものです。
なじみがあるかないか、知ってるか知らないか、その差なだけです。
もちろん私もこの会社に来るまでラム酒なんていうのはケーキによくつかうお酒としか認識してませんでしたので、その気持ちはよく分かります。
しかし私の場合は今の社長がお酒とはなんぞやということを「教えてくれた」のでお酒がどんなものか、ラム酒がどんなものかというのを知ることができました。
つまりお酒も国語や数学のように「教えてくれる誰かがいれば」、どんなものか把握することが少しはできるはずです。
日本の教育上小さいころからお酒やたばこは「悪いもの・よくないもの」としてイメージづけられますが、その反面、20歳を迎えると途端にそれがオーケーになります。
何も知らないまま来たのに、飲酒可能年齢になって飲めるよと言われても、そもそもの判断基準や事前知識がないので、何が正しくて間違ってるかなんて判断のしようがありません。
本来であれば基礎教養として、お酒がどういうものかというのを簡単にでも伝えていく必要があります。
「いやいやそんなのしたらもっと飲む人が増えちゃうじゃないか!けしからん!」そう思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、
臭いものに蓋をした結果、自分の身を亡ぼすような飲み方をしたり、無茶をします。お酒の基本的な体への影響を知って飲むのと、知らないで飲むのでは、リスクの違いに大きな差が生じてしまいます。
「私はお酒飲まないから興味ない…」
そうじゃないんです。お酒は残念ながらお酒を飲まない方々でさえ、お酒から何かしらの影響を受けます。
例えば飲酒運転による交通事故の被害者の方はお酒を飲まない人かもしれない、自分は飲めないけど参加しなきゃいけない飲み会があってそこで酔っ払いにめんどくさい絡まれ方をする、家族がお酒を飲みすぎて病気になる等、
自分がお酒を飲まなくても受動的にお酒から何かしらの影響を受ける場面が多々あると思います。それによって飲まない方もお酒によって嫌な思いをしてしまいます。
良くも悪くも人とお酒は切っても切れない関係にあります。
なぜならお酒と人間は「文化」として繋がっているからです。
昔の芸術家だって馬鹿みたいに高いアルコールを飲んで、今や世に残る大作を生み出しました。
私が思うにお酒も包丁も一緒です。
包丁はすんばらしく美味しいものを作り出せる文明の利器です。
しかし一歩間違えれば、人すら殺せてしまうとっても恐ろしい利器なんです。お酒も同じですよね。
ここでひとつ明確にしておきたいのが、私が決して「お酒を飲め!酒はいいぞ!」と頭ごなしに私の意見を押し付けたいわけではありません。加えてそんな銘柄のお酒がうんたらこんたらとか、小難しい話をしたいわけでもありません。
私はあくまでお酒を通して「物事を考えるバランス」をもっとみんなで身に着けていこうよ!という声掛けをしたいんです。
お酒はあくまで嗜好品であって、なくても生きていけます。だからこそお酒を飲むのであればそれなりにその人の教養が必要になるんです。
特にこのご時世、何が起こるか全くわかりません。そんな時にひとつの判断基準や偏った考えをもってると、どうしてもチャンスを逃します。
物事を一つの視点からだけみるのではなく、最低でも3視点くらいから物事を捉えようよ、そんな物事の考え方のきっかけづくりをお酒からしたいと思ってます。
例えば「お酒は体に悪いっていうけど、そもそもなんで悪いんだろう?どう悪くなるんだろう?調べてみよう」というように、世間一般に言われることを鵜呑みにするのではなく、もっと疑問やなぜを問うていこうぜ若者よ!という塩梅です。
誰かが言った何かをそのまま信じるのではなく、自分の中でまず調べ、検証し、自分の意見を持つことがこれからの日本に必要になっていくのではないでしょうか。
そんなことをぜひ若い世代でどんどん意識してムーブメント起こしていければいいなと思ってます。
ちなみに今わたくしフランス留学中だったりするので、お酒だけでなく、留学に関しても発信していければと思います。もちろんお酒関係の記事もこれからポストさせていただきます。
つたない文章で長くなりましたが、ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
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