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大地の芸術祭からの、新潟で出会った2つの日本酒・阿部に舌鼓

・知ってますか?大地の芸術祭
突然ですが、みなさん、「大地の芸術祭」って知ってますか?3年ごとに新潟の越後妻有 (十日町市・津南町) で開催される国際芸術展覧会なんです。国内外のアーティストの作品がどどーんと展示される、日本でも最大規模の芸術祭なのではないでしょうか。

アート好きな知人からオススメされることウン年。ついに、念願かなって今年行ってまいりました〜!

・想像以上に楽しいぜ!車移動で芸術鑑賞三昧
いやいやいや〜。行ってみて、想像以上にテンションが上がりました。
東京でアートを見ようとすると、「人の頭を見に来たんかな。。。」と思ってしまうくらい、黒山の人だかりで、人と人の隙間からそーっと、しかも一瞬だけアート見るみたいなことがよくあるんですが、ココでは、そんなことは皆無です。

何が楽しいって、作品があるエリアまで車移動するんです。
移動中、車の窓から見える風景は「田園→山→田園→山→ときどき街」で、美味しい空気を吸いながら、フレッシュな気分でのんびり作品を観ることができる。そして、観終わったあとに、また車移動しながら「さっきの作品ってこういうことだったのかなあ」と友達とわちゃわちゃ会話して反芻する。
自分のちっちゃな価値観の外から新しい視点を与えてくれる芸術って、本当に偉大です。

・楽しかった作品をちょっとだけ紹介

まずは、クリスチャン・ボルタンスキー先生の作品「最後の教室」をご紹介します。
入った瞬間真っ暗で何も見えぬー!
「え?え?」って感じなんですが、なぜか自然と怖くない。
皮膚が風を感じて、鼻が藁の香りを感じるからなのか、目が見えなくても居心地が良いです。目が暗闇になれてきて周りが見えるようになると、今度は別の驚きが待ってます。ぜひ、体感していただきたい作品でございます。


暗闇を進んでいくと…また違う世界が!さすがだぜボルタンスキー先生!

2つめは、インスタばえの貴公子レアンドロ・エルリッヒの作品「Palimpsest:空の池」です。

建物に入ると、目の前に広がる巨大な水面。
むむ!なんか底に絵が書いてるけどよくわからん。

と思って2階へ移動してみます。
すると!!

なんてこった〜!
水面に建物が映り込んでる絵が描かれてたのか〜〜
あいかわらずダイナミックです!!
いつも斜め上の発想をフォトジェクニックに作品化してくれるので、見てるこちらをわくわくさせてくれます。
いやー楽しかったわ〜

そして3つ目。「大地の芸術祭」サポーターの「こへび隊」の方に教えてもらったのがこちら。バルトロメイ・トグオの作品「Welcome」です。

中手集落の奥地にある作品で、駐車場から片道20分歩くんですが、
芸術愛あふれるこへび隊の方が「素晴らしいから、時間があるならぜひ行ってほしい。君がはいているブーツならあの山道も大丈夫だから。俺はコレ(デッキシューズ)で死んだけど」と言われた場所です。

はじめはピンと来なかったですが、なるほど。デッキシューズだと厳しいであろう、ザ・山道が待っていました。
トンボ→蜂→草むら→泥 をひたすら歩いていきます。
途中、出会った女の子はぺたんこバレエシューズをどろどろにして歩いてました。まさか、こんなドロドロの道だったなんて想像してなかったんでしょう。。。

どんどん呼吸が乱れていきます。はぁはぁ。
背中が汗だく。べちょべちょ。
そして、苦労してたどり着いた先には、旅人を静かにいたわるようにいくつもの椅子並んでいました。
うん、大変だったけど見れてよかった。
一緒に苦労して移動した人たちとの間にも、心なしか目に見えない絆が芽生えているのを感じます。

というわけで、感動と感嘆の連続だった日中から夜になり…

・わーい!地酒飲みに行こうぜ!!
楽しい楽しい旅の夜の部が始まります。
夜といえば酒!旅といえば地酒!
ということで、今夜は「新潟の地酒」を堪能するために街に繰り出します〜
宿の女将さんからオススメのお店をいくつか聞いたのですが、
大地の芸術祭のお客さんが多いせいか、どこも予約でいっぱいです。
くーーーー!このままでは日本酒難民になってしまう。

と、そのとき「IKOTE」が目に飛び込んできましたー
[いこて/IKOTE]
おしゃれ〜な建物に、「ちょっと好みとは違うかなあ」と引き気味だったのですが、「30種あまりの日本酒がある」というフレーズに、こりゃ間違いねえと直感がはたらき、吸い込まれるように店に入っていきます。
結果、これが大大大大大正解でした!
美人で日本酒にどえらいほど詳しいお姉さんが、すんばらしい日本酒レコメンドをしてくれたわけです。

・ナイス日本酒レコメンド! 阿部の親子共演!
わたしくし「華やかな香りで旨味のある日本酒」が大好物なので、新潟に多い辛口淡麗とはちょーっと方向性が違うんですよね。
そこをなんとか、お姉さんが私の味覚にあったお酒を探してきてれたんです。ありがたや〜。
お姉さん曰く「冷蔵庫を眺めていたら、ひらめきました! これはきたと思いましたね!」と自信満々に持ってきてくれたのが、新潟県柏崎市にある阿部酒造のお酒。

どどどーーーん!
お父さんが作った「原酒 阿部」と、息子さんが作った「あべ Vol.1」でございます〜

親子二代のお酒を同時に飲める至福の瞬間です!
お父さんの味は、甘みがありつつも濃厚どっしり。頼りになる風格を感じます。
一方、息子さんの味は華やかでジューシー。
し・か・も!
お姉さんいわく「杜氏が若い方で、東京で働いていたんですが、蔵を閉めてしまう危機を救いに実家に戻ってきて、跡を継いだんです」
うーーーん、すでにお酒がまわってるせいか、感受性が研ぎ澄まされすぎてて、はやくも良い話に泣きそうです。
さらに、お姉さんはこう続けます。「息子さんは、杜氏がひとりで決めていく作り方を変えたくて“僕たちの酒”と名付けて、酒作りにかかわるメンバー全員でアイディアを出し合いながらお酒作りしてるんですよ」と、サイドストーリーを語ってくれました。
メンバーで作る酒! 心に刺さりまくりです!
みんなで目指す方向を考えて、みんなで実現していく日本酒に、あたらしい日本酒の未来像が見えた気がして日本酒がもっと好きになりました。

そっとボトルの裏をのぞいてみると、そこには酒作りにかかわったメンバー全員の名前が!

旅先で出会った旨い酒とお酒にまつわるエピソードに、
アート鑑賞と同じくらい感銘を受け、いつか柏崎市の阿部酒造に行くぞと心のなかで誓った十日町の夜でした。

[阿部酒造株式会社]

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