アルミ箔が電波を遮断するカラクリと性能について

この記事では、アルミ箔が電波を遮断する仕組みと性能について解説します。
内容は極めて初歩的なものです。

アルミ箔は電波を反射するため、裏側にはほとんど電波が通過しません。これは、鏡が光を反射して裏側へ光を通さないのと似ています。電波も光と同様に電磁波の一種であり、アルミ箔のような導体表面で反射される性質を持つためです。

電波を遮断する構造としては、ファラデーケージや電波暗室など、アルミ箔以外にも様々なものが存在します。

アルミ箔の電波遮断性能

アルミ箔は電磁波、特に高周波帯域(例えばWi-Fiや携帯電話の電波)の遮断効果が高くなっています。遮断効果はアルミ箔の厚さや周波数帯域によって変化します。

高周波帯域: アルミ箔は特に高周波帯域(数GHz以上)に対して高い遮断効果を発揮します。例えば、Wi-Fi(2.4GHzおよび5GHz)や携帯電話の電波(数GHz帯域)の遮断に適しています。

低周波帯域: 低周波帯域(数MHz以下)に対しても遮断効果はありますが、高周波帯域と比較すると低くなります。

遮断効果の測定

アルミ箔の遮断効果は、遮断率(Shielding Effectiveness: SE)という指標で測定されます。遮断率はデシベル(dB)で表され、値が大きいほど遮断効果が高いことを示します。これは、遮蔽材がない場合と比較して、電磁波の強度がどれだけ減少したかを表す指標です。一般的に、アルミ箔は数十dBから100dB以上の遮断率を提供します。

(参考値)

アルミ箔の厚さ0.01mm~0.1mm程度の場合、高周波帯域で約30dB~80dBの遮断率を示すとされています。(出典をここに追加できるとより良いです)

周波数2.4GHz(Wi-Fi)では約50dB、5GHz(Wi-Fi)では約60dBの遮断率が期待できるとされています。(出典をここに追加できるとより良いです)

100GHz帯域での遮断効果

100GHzの周波数帯域(ミリ波やテラヘルツ波の範囲)においても、アルミ箔は高い電磁波遮断効果を発揮します。金属はこれらの高周波に対して効果的な遮蔽材となります。

高い遮断率: アルミ箔は100GHz帯域においても高い遮断率を提供します。具体的な遮断率はアルミ箔の厚さや使用環境によって異なりますが、一般的に数十dBから100dB以上の遮断率が期待できます。
反射と吸収: アルミ箔は電磁波を反射および吸収することで遮断効果を発揮します。高周波帯域では、反射が主な遮断の仕組みとなります。

厚さの影響: アルミ箔の厚さが増すほど遮断効果は向上します。

(参考値)

アルミ箔の厚さ0.01mm~0.1mm程度の場合、100GHz帯域で約50dB~100dB以上の遮断率を示すとされています。
アルミ箔の電磁波遮断効果に関する情報源

より詳細な情報は以下の情報源から得られます。

学術論文・技術文献:

IEEE Xplore: 電気・電子工学分野の論文データベース。アルミ箔の電磁波遮断に関する最新の研究成果や技術動向を調べることができます。

ScienceDirect: 科学技術分野の広範な論文データベース。関連研究を探すのに役立ちます。

Google Scholar: 学術論文検索ツール。

専門書・ハンドブック:

電磁両立性(EMC)に関する書籍: 電磁波遮断の基本原理や応用について詳しく解説されています。

金属の遮蔽効果に関するハンドブック: 金属の電磁波遮断効果に関するデータが掲載されています。

製造業者のデータシート: アルミ箔製造業者や電磁波遮断材料供給業者のデータシートには、具体的な遮断効果のデータが記載されている場合が多いです。

標準規格・ガイドライン:

IEC 61000: 電磁障害(EMI)に関する国際標準。遮断効果の測定方法や基準が定められています。

MIL-STD-285: 軍事規格。電磁波遮断材料の性能に関する詳細なガイドラインが提供されています。

デシベル(dB)について

デシベル(dB)は、音の大きさや電力、電磁波の強度などを表す単位で、対数スケールで表現されます。電磁波の遮蔽効果を表す場合は、電力のdB表現を用います。

電力に関するデシベル: dB = 10 × log₁₀(P₁/P₂) (P₁: 比較したい電力、P₂: 基準電力)

減衰量の具体例:

-10dBの減衰: 電力が1/10になる。

-50dBの減衰: 電力が1/100,000になる。

-100dBの減衰: 電力が1/10,000,000,000になる。

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