#39 愛知県について
今回の問題
生産地・愛知県について述べよ。
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200字回答
愛知県では、大消費地・名古屋の近郊で酒造りが盛んに行われている。織田信長の時代に酒造りが発展し、江戸時代の中頃には生産量の大半が江戸へ運ばれ、「鬼ころし」の愛称で親しまれた。明治時代には江田鎌治郎が常滑の酒蔵と協力して速醸酛を開発した。県の酒米開発の歴史は長く、菊水・露葉風・玉栄など、全国各地で評価が高い酒米を育成してきた。純米酒に向く若水、吟醸酒に向く夢吟香は、県内での生産量も多い。(194字)
回答の要素
概要
大消費地・名古屋の近郊で、酒造りが盛んに行われている。
古事記、日本書紀に熱田で酒が造られた記録が残っている。
織田信長の時代に酒造りが発展し、やがて気候の良い知多半島へと主たる酒造地が移っていった。
海運もよく、伊丹や灘と比べて江戸に近かったため、江戸時代の中頃には、生産量の大半が江戸へ運ばれるようになった。
アルコール度数の高い愛知の酒は「鬼ころし」の愛称で親しまれた。
明治時代、江田鎌治郎が常滑の酒蔵と協力して速醸酛を開発した。
酒米について
酒米開発の歴史は長く、菊水・露葉風・玉栄など全国各地で評価が高い酒米を育成。
純米酒に向く若水、吟醸酒に向く夢吟香(ゆめぎんが)は、県内での生産量も多い。
酒米移入タイプ。
回答の構成
・大消費地・名古屋の近郊
・織田信長の時代:発展
・江戸時代中頃:大半が江戸へ、鬼ころし
・明治時代:江田鎌治郎、速醸酛
・菊水・露葉風・玉栄
・若水:純米酒、夢吟香:吟醸酒
回答の補足
間違えやすい組み合わせ。三郎、一郎、治郎、そして焼酎の一郎。
・三浦仙三郎:軟水醸造法:広島・三津の酒蔵:明治30年ごろ
・嘉儀金一郎:山廃酛:福島・会津の酒蔵:明治42(1909)年
・江田鎌治郎:速醸酛:愛知・常滑の酒蔵:明治43(1910)年
・河内源一郎:黒麹菌:鹿児島・甘藷焼酎:明治43(1910)年
いずれも明治期の出来事である。
「醸造半島」と呼ばれる知多半島には、江戸初期(1665年)に114軒の酒蔵があったという。江戸中頃(1723年)には江戸への出荷も始まり、知多が江戸と上方の中間に位置することから「中国酒」として親しまれた。
関連
#01 山廃・生酛の現状と将来の展望について
#21 福島県について
#25 広島県について
他の回答
先人たちの回答
参考文献
中埜酒造株式会社, 銘醸地、尾州半田, 閲覧2023年6月9日
愛知県酒造組合, 愛知の地酒のお話, 閲覧2023年6月9日
J.S.A SAKE DIPLOMA 教本(Third Edition)p. 132,133
※ 引用時に出典URLを明記したものは省きました。
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