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#22 静岡県について

今回の問題

生産地・静岡県について述べよ。

自分の回答

200字回答

静岡県の酒は、酢酸イソアミル系の香りと低い酸、きれいで滑らかな軟水仕込みの吟醸酒が多い。県開発酵母の走りである静岡酵母を開発し、それが全国デビューした1986年には全国新酒鑑評会で金賞受賞数日本一を記録。「吟醸王国静岡」と呼ばれた。県で開発された酒米・誉富士は県内全域で栽培され、ほぼ全蔵が酒造りに使用しており、統一ブランド酒として力を入れている。酒米は概ね自県産で酒造りを担う自給自足タイプ。(197字)

回答の要素

酒質について
酢酸イソアミル系の香りと低い酸、きれいで滑らかな軟水仕込みの吟醸酒。
1980年代に静岡県酒造組合と静岡県工業技術センターが協力して、静岡酵母を開発。県開発酵母の走り。
静岡酵母が全国デビューした1986年に全国新酒鑑評会で金賞受賞数日本一。
「吟醸王国静岡」と呼ばれた。

酒米について
県で開発された誉富士は県内全域で栽培され、ほぼ全蔵が酒造りに使用。静岡統一ブランド酒として力を入れている。
酒米は自給自足タイプ。

回答の構成

・酢酸イソアミル系の香り、低い酸、きれいで滑らか、軟水、吟醸酒
・静岡酵母:県開発酵母の走り
・1986年全国新酒鑑評会、吟醸王国静岡
・誉富士:県内全域で栽培、ほぼ全蔵が使用
・自給自足タイプ

回答の補足

静岡酵母は7種が実用化されている。中でも、静岡酵母の生みの親、河村伝兵衛氏によってエース「HD-1」が開発されたのが1980年ごろとのこと。

静岡県酒造組合HP より

「HD-1」の育ての親は、土井酒造場「開運」の杜氏であり、能登杜氏四天王の一人にも数えられる波瀬正吉氏。HD-1 の "H" は波瀬のHで、"D" は蔵元の土井清幌氏。

静岡酵母に関するweb記事として、静岡酵母マニアックス が圧倒的な情報量だった。すでに閉鎖されてしまっているようなので、リンクはarchive.orgより。

1986年は、静岡県が全国新酒鑑評会で金賞受賞数日本一になった年でもあり、宮城県が「みやぎ・純米酒の県」宣言を行った年でもある。

関連
#38 石川県について
#33 宮城県について

他の回答

先人たちの回答

静岡県の酒質は涼やかで、軽快な酸味と上品な甘味がある。また、酢酸イソアミル系の香りと低い酸、きれいで滑らかな吟醸酒も特徴。1986年の全国新酒鑑評会で金賞受賞数一位を記録して以来「吟醸王国静岡」と呼ばれる所以だ。立役者となったのは河村伝兵衛技師で、県オリジナルの「静岡酵母」を開発した。山田錦に放射線照射して生み出した酒米「誉富士」も有名。特定名称比率は88%と高く、酒米は自給自足タイプである。

すしログさん
https://sushi-blog.com/sakelog/sake-diploma-essay/

静岡県の酒の特徴は、酢酸イソアミル系の香りと低い酸、きれいで滑らかな吟醸酒である。県開発酵母の先駆けである静岡酵母と軟水による吟醸仕込みからくる味わいである。1986年には全国新酒鑑評会で金賞受賞数が全国1位となり、吟醸王国静岡と呼ばれた。酒米では「誉富士」を開発した。県内ほとんどの酒蔵で「誉富士」の酒造りを行っており、静岡統一ブランドとして力を入れている。酒米自給自足タイプ。

えすにっくさん
https://ethnicsake.blog.fc2.com/blog-entry-165.html

参考文献

J.S.A SAKE DIPLOMA 教本(Third Edition)p. 130,131
河村 伝兵衛, 静岡県の吟醸酒造り, 日本醸造協会誌, 1988, 83 巻, 11 号, p. 723-728
静岡県酒造組合, 静岡酵母と静岡型吟醸酒, 閲覧2023年9月28日
中日新聞, 日本酒(下) 静岡酵母, 2019年4月19日, 閲覧2023年9月
28日

※ 引用時に出典URLを明記したものは省きました。
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