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【Note】人よりも大きな対価を得るための考え方
皆さんは全ての仕事に「人の感情」が乗っていると聞くと、どのように思いますでしょうか?仕事とは、社会に付加価値を生み出すための作業である以上、そこには必ず人が介在します。ロボットが自動で行っているのは単なる作業です。そう考えた私は、とある日の出来事を思い返しました。そして、そこから、仕事からメリットを得るための考え方に繋げました。今回はそんな話をします。
私が毎日通う売店での事です。いつものように社内の売店でコーヒーパックを購入しました。会計を済ませ、レジに置いた台からコーヒーパックを取ろうとした時、すっと手から滑り落ちてしまい、そのまま床に落としてしまいました。「あっ!」と思った時には、時すでに遅しで、見事に床にコーヒーをぶちまけてしまい、辺りにはコーヒーの香ばしい香りが漂いました。
事件です!!
「すみません。すみません。」と繰り返していた私。売店のおばちゃんの一人が慌ててバケツと雑巾をとってきてくれました。しかし、そこは社内の売店のレジ前、お昼休み、何人かの社員が列をなしてレジに並んでいます。売店のおばちゃんが床にこぼれたコーヒーを拭こうとしたので、すかさず「ここは僕がやりますから、ほんとすみません。」と多くの社員が行きかう前で、恥を晒して、私は10分程かけて床掃除をしました(悪いのは私なので当然ですが...)。
床掃除を終えた頃には、他の社員も購入を済ませ、売店には私と売店のおばちゃん達しか居ませんでした。売店のおばちゃんの一人が「ありがとうございました。物品破損で処理するから新しい商品を持って行ってくれて良いですよ」と言ってくれました。最初は断っていたのですが、最後は半ば強引に新しいのをひとつ頂く事となりました(悪いのは私なのですが...)。
この一連の流れを皆さんはどのように考えるでしょうか?この話は単なる偶発的な出来事に過ぎませんが、私の床掃除を労働として捉えた時、床掃除の労働の対価がコーヒーパックだったのでしょうか?ものすごく機械的に考えれば、私がコーヒーパックを落とした事で、床掃除という労働が生まれ、その労働の対価としてコーヒーパックが手に入りました。こんな現象が生じた事には人間の感情が含まれています。コーヒーぶちまけ事件から床掃除をする惨めな私が生じ、その事によって売店のおばちゃんの感情が揺さぶられた訳です。
つまり、仕事には必ず関係する人間がいますので、その人間の感情を揺さぶれば、思いもよらない対価を得る事になるという事です。
例えば、お客様からクレームがあった時、そのお客様が想定した以上のスピードで問題解決するというような事です。仕事から大きな対価を得る秘訣として、その仕事の上に乗る人間の感情を揺さぶるという手法が考えられます。
ただ、毎回という訳にはいかないかもしれません。ここで成果を上げたいという仕事が来た際には、その仕事に乗っている「人の感情」を揺さぶるのが良いかもしれません。