日体大渡辺監督解任
9月7日のFRIDAYに記事が掲載されたことで
9月10日から日体大広報課への取材を続けて来た。
選手への取材は全て広報課を通すという措置を取った
ため選手への直接の取材は不可能となった。
10日から解任発表まで毎日広報課への取材を行って
来たが対応は丁寧且つ真摯的だった。
隠蔽しようという意図も全く感じなかった。
しかし11日に愛知県教育委員会への取材で分かった
事実には驚愕した。
渡辺監督の豊川工業時代に行った体罰の実態。
平成20年から平成25年の5年間で体罰の総数33件。
内容は平手で叩いた、拳で殴るなど。
教育委員会の公式発表では無いが一部では
デッキブラシで体罰を加えて頭を縫うケガを
負わせたとの報道もある。
体罰による転学1件退学1件。
教育委員会から4か月の停職処分が出た後に
本人が自主退職した。
その後日体荏原高校に赴任し今もこの高校の所属だ。
日体大は学友会という体育会をまとめている
組織がある。
陸上部も学友会に所属しているが監督の任命権は
部の部長にある。
渡辺監督の豊川工業時代の体罰を大学側は
知っていたが本人が充分反省してると判断し
駅伝監督に招いた。
過去にチームの中心選手が渡辺監督と方針が
合わす退部した件がある。
この時は大学が本人のケガの影響と認識していた。
昨年は部員の窃盗事件があったが大学側は
あくまで個人の問題と考え他の部員への聞き取りは
実施しなかった。
2015年3月から17年3月にパワハラの訴えが
学長目安箱に1件行われていた。
しかしこれは倫理委員会を設置したことによって
学生の聞き取りを進めていたところで分かったもの。
学生目安箱は前任の学長だけが見ることが出来た。
この投書の存在は前任の学長が退職していることも
あり正確には大学側も把握していない。
FRIDAYの報道で問題が発覚後部員への聞き取りが
行われてその結果が学友会に常設されている
倫理委員会で協議され12日に結果が公表された。
広報課でも11日の時点で慎重且つ迅速に結論を
出したいと話していた。
結論発表までは非常にスピーディーであった。
渡辺監督が部員に脚を蹴るや胸ぐらをつかむなどの
暴力行為が行われていた。
言葉の暴力、人格を否定する言動があった。
この事実を渡辺監督は概ね認め辞任を申し出たが
横山部長が解任に踏み切った。
大学にはこのパワハラを発見するチャンスは
何度かあった。
①主力選手の退部の時
②学長に投書がされた時
③昨年の窃盗事件が起きた時
③の時点では部員全員への聞き取りを行っていれば
この時点で発見出来たかも知れない。
結果今回の件でひとりの部員が退部している。
これが非常に悔やまれる。
広報課は今日の私の取材に対して退部した部員の方
には是非部に戻って来て欲しいと述べた。
日体大の長距離ブロックにはコーチがいないため
当分は陸上部全体を統括している小林監督が指揮を
取る。
監督選任よりもこの件で傷を負った部員の心のケアを
第一に考えたいとも広報課職員が述べた。
日体大は過去指導者不在でマネージャーが
チームをまとめていた時期もある。
その時代のマネージャーが現神奈川大学大後監督。
この危機を大学一体となって是非乗り越えて
欲しい。
最後に広報課からのコメントを載せる。
今後は一切部活動内で一方的に弱い立場にある者に
対し権力を濫用する不健全な環境にならないよう
部内でも良好なコミュニケーションを構築し
不当な扱いに対して即座に声を上げやすい
環境作りを行います。
箱根駅伝をリードして来た日体大。
広報課が発表したコメント通りのことが実現されれば
必ず生まれ変われるはずだ。
そして生まれ変わらなければならない。
がんばれ日体大駅伝チーム。
今後も応援を続けながら取材も進めていく。