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『来春からの大学スポーツのスタンダード。ユニバスとは何ぞや?準備委員会への長期取材リポート。』

まず、ユニバスとは、何ぞや⁉️

という方々は、こちらをまず、ご覧下さい。

どうぞ。

素晴らしい志のある組織。

この組織の具体案が出て来ました。

来年1月に加盟大学の加盟受付が開始され、春頃を目処に、社団法人としてスタートします。

社団法人として、スタートしてからは、スポーツ庁から切り離された独自の組織として、運営が行われます。

ユニバスがやろうとしている、主な柱は3つ。

①学業充実

②安全安心なスポーツ環境

③事業(新たな大学横断的大会の実施など)

ユニバスは、学生、大学、競技団体全てにメリットがある組織運営を目指しています。

それでは、前回の委員会で出て来た具体案について
見ていきましょう。

①学業充実のために、まず大会出場に関して、レギュレーションを設定する案が出ています。

単位数がある一定の基準に満たないと大会に出場出来なくなるルールです。

スポーツ特待生で入学して、スポーツだけやって卒業する時代ではないのです。

あくまで大学スポーツは、学業との両立が基本。

スポーツだけやりたいのであれば、プロ、社会人に進めばいいのです。

大学は、学びの場、そして、人格形成の場。

授業、そして、ゼミで学べることは、たくさんあります。

教職を取って、教員免許を取得しておけば、スポーツ選手を引退した後のセカンドキャリアにも役に立つことでしょう。

しかし、今までの大学スポーツは、この学業優先がないがしろにされて来ました。

単位を取れず、卒業要件を満たさず、中退という形で
プロに進むこともある現状。

怪我などで、早い時期に引退すると、その後の人生、途方に暮れることになったり、引退後に大学に再入学して資格を取り直す例も多々見受けられます。

留年するスポーツ選手も少なくありません。

学業充実をまず第一に考えていこうというのが、ユニバスの趣旨でもあります。

これが実際のレギュレーションの例。

全日本学生柔道連盟は、平成28年から、レギュレーションを実施しています。

二年次に20単位。三年次に40単位。四年次に70単位。

これをクリアーしていないと各種大会にエントリー出来ません。

全国大会に出場する選手は、その中から、ある人数がピックアップされて、取得単位数の調査が行われます。

ユニバスでは、学業不振の学生に対するフォローも考えています。

立命館大学などでは、こういった学生に対して、個別の学習相談などを行っています。

クリアー出来ないから、そのままではなく、しっかりとしたフォローも行っていこうというのが、ユニバスです。

今、一部の大学、筑波大学や日体大、神奈川大学、立命館大学などで、学生スポーツを支援、管理する組織が立ち上がっています。

その組織を筑波大学や日体大では、アスレティックデパートメントと呼んでいます。

アスレティックデパートメントの役割は、以下の通り。

これらの全てを、大学単独で出来るのであれば、ユニバスに加盟する必然性は無いかも知れません。

しかし、これが、今現在出来ているのは、日本の約400ある運動部を持っている大学の中で、たった数大学の数運動部のみです。

先行して行っている神奈川大学は、強化指定部7部、
筑波大学でも、5部だけです。

これが、今の大学スポーツ界。

部で何をやっているのか?把握していない大学が、ほとんどです。

だから、不祥事、パワハラなどが起こるのです。

何か起こると大学の責任になるため、今度は、隠蔽に奔走するなど、およそ最高教育機関、そして高等教育機関とは、思えないことが行われているのです。

国と世間がこの状態を許さなくなって来たのです。

それでは、ユニバスに戻りましょう。

安心安全なスポーツ環境

これには、指導者の役割が不可欠。

まずは、指導者間の情報共有、そして、研修が不可欠になります。

今大学の指導者の選考は、OB会やOBの中から、選んで大学が承認するという形が一般的です。

その運動部の部長が任命権を持っている大学も多いのです。

例えば、プロを引退した選手を、指導者として連れて来る。

しかし、この指導者の研修が行われず、現場の指導に入って行くのです。

指導者も日々の業務に追われ、研修会などに出席出来ない状況。

技術ある指導者が、研修を受けないことで、昔、自分が受けた指導をそのまま行い、殴って問題になるケースも見受けられます。

その大学関係者からは、『いい奴なんだけどね』という声が漏れて来ます。

指導者を育成するためのプログラムが、完備されていないのです。

また、指導者同士の完全な横の連携も取れていないため、自己流の指導になってしまう。

こういったことを解決するために、ユニバスは、指導者を一括して、研修していこうとしている訳です。

この部分に魅力を感じている大学は、少なくありません。

最新の理論を学んで、情報共有していくことは、指導者にとっても、大変貴重な機会となるはずです。

保険制度の不備

安心安全なスポーツ環境を作る上で、保険は不可欠。

大学は万が一の学生の事故のため、学研災という保険に加入しています。

しかし保障の限度額が低いのです。

例えば法政大学の場合だと死亡保障600万。

課外活動中の事故で万が一亡くなった場合、

この保険の最高のプランに加入しても1000万円。

他にスポーツ協会で行っている上乗せ保険があります。

この死亡保障額の最高は、2000万円。

しかし、ほとんどの大学は、この上乗せ保険に加入していません。

もうひとつの問題。指導者が、万が一の事故で、学生側から訴えられた場合。

大学の指導者は、ボランティア指導者も多いのです。

しかし、この訴えられたリスクに対する保険にも、未加入なのです。

判例では、一億の賠償命令が出た例があります。

これに気付いた大学は、指導者全員に1億の賠償保険の加入を、至急進めたそうです。

しかし、この事実に気付いていない大学が、ほとんど。

こういった保険加入の不備を、ユニバスで補完していこうとしています。

そして、今年一部の大学、そして競技団体で問題になったパワハラ。

競技団体では、パワハラの相談窓口も無い状況。

大学に学生が相談しても、なぜか、握り潰されるケースもあります。

『前近代的状態』

大学に相談しても握り潰されるケースがあるので、ユニバスにまず相談して貰い、そこから、大学と情報共有していこうというシステム。

ある大学の部活動で、パワハラが起きた時、事実関係の公表を大学側が、全て行いませんでした。

所属団体に事実を報告済みとの回答をしたため、その所属競技団体に取材したところ、全て大学に聞いてくれと訳の分からない対応をする団体もあります。

『隠蔽。そして、握り潰し』

これがある限り、パワハラも無くなりません。

相談出来る内容は、暴力、ハラスメント、いじめ、不適切な会計処理。

法律事務所等とも連携して、適切な判断が出来る仕組みづくりを目指しています。

そして、将来的には、ユニバスで、その大学への処分を行うことも、検討しています。

不適切な会計処理。

大学の部活動の活動資金を学生のみで管理。

あるいは、OBからの寄付金、スポンサーからの資金を部独自で管理しているのが、現状です。

一部の部には、数千万から一億の寄付が集まっています。

その税務上の処理が不適切。

そして、監督個人の口座で、それを管理している部活もあります。

これは、最近週刊誌でも、話題となりました。

そもそも、私立大学は、学校法人として、税の優遇を受けています。

そして、何十億という私学助成金という名の国民の税金が投入されています。

その部活動で、不透明な会計処理をしていて良いのか?

この点を、問題視している準備委員も少なくありません。

ユニバスへの報告義務、そして、大学による部活動の会計監査。

こういったことを義務付ける方向で、議論が進んでいます。

新しい大会の設立

ここからは、ワクワクする展開。

新しい、部活動の横断的大会の設立を目指しています。

今は、単体の部活での日本一を決める仕組みになっています。

それを、複数の運動部の総合得点方式にして、総合スポーツ大学日本一を決めようという案です。

ユニバスが主導して、既存の大会をポイント化し、

大学の総合チャンピオンを決めようという意図です。

野球日本一、駅伝日本一決定戦ではなく、大学スポーツ総合日本一。

きっと大学の一体感が出て、盛り上がることでしょう。

次に各種表彰制度。

学生のスポーツに対する情熱をより一層高めて貰うための制度。

そして、就職支援。

運動部員の就職支援を行っている大学が、少ない現状。

ただでさえ、試合で忙しい学生が、個人だけで就職活動をしていくには、限界があります。

監督個人のコネクションに頼ると、どうしても、選択の幅が、狭まってしまいます。

大学とユニバス、学生一体となった就職支援を行える状況を作ろうとしています。

独自の動画配信。

試合のライブ中継、約600試合を想定。

試合だけで無く、大学アスリートの密着ドキュメントの放送の企画もされています。

このワクワクする展開には、横浜DeNAベイスターズの初代代表取締役社長池田参与。

そして、元ロッテのプロ野球選手だった江戸川大学小林教授が、中心となっています。

準備委員会のメンバーの皆さんから、このお二人は、特に凄いという感想が、聞こえて来ています。

ユニバスに対するスポンサード

ユニバスの組織に対するスポンサーの募集を行っています。

このスポンサーからの資金を、ユニバスの発展に生かしていこうという仕組み作りを進めています。

当然組織には、資金が必要。そのため、ユニバスは、スポンサーの上限数を設けていません。

100社でも、200社でも、ウエルカム。

一社のスポンサード上限金額も設定していません。

大学からの会費だけでは、賄えない部分を、スポンサーからの資金提供で、カバーしようとしています。

スポンサーからの資金が集まれば、学生の経済的負担の軽減になることを、色々と実施することが、可能となります。

ユニバスで、スポーツ用品を一括購入して、選手に販売していけば、それだけ、安く提供することも、可能となるでしょう。

ユニバスへのスポーツメーカーからの支援も、選手にとっては、活動しやすい環境となることでしょう。

入会基準

この組織には、どこの大学でも、入れる訳ではありません。

役員が、刑事処分を受けたり、反社会的勢力と付き合いがある大学は、ユニバスに加盟することが出来ません。

将来的にユニバスが核となり、各地域の自治体と、大学そしてスポーツ競技団体との連携。

これによって、地域スポーツの活性化、そして、地域全体の活性化に繋がれば、何と素晴らしいことでしょう。

アメリカのNCAAの組織完成には、100年の年月を要しました。

そう簡単に、あのような組織が出来る訳ではありません。

しかし、平成が終わる今。

大学スポーツを改革していかない限り、これ以上の大学スポーツの発展もありませんし、今のまま、何も変わらなければ、大学スポーツは、廃れていくことになるでしょう。

今、オリンピックでのメダルを量産するのは、大学生達です。

その大学生が、より活躍出来る組織が出来れば、日本のスポーツ界の未来は、夢がある、輝くものになるでしょう。

しかし、今は、夢を抱き大学に入学しながら、何らかの理由で、大学から去っていく選手も出ている現状。

このままで良いはずがありません。

まだ準備委員会に加盟していない大学が多数あります。

ご自分の大学だけで、改革を進められるのでしょうか?

加盟のメリットが無いと言っている大学も存在します。

それでは、メリットがある組織に作り上げていけば良いのでは無いでしょうか?

準備委員の皆さんは、忙しい中でも、東京駅周辺に集まって会議を重ねたり、Skypeで議論を行ったりしています。

数年後には、この組織がスタンダードになるでしょう。

そうなった時、この組織に加盟していない大学は、乗り遅れることになるでしょう。

そういった大学を、受験生が敢えて、選択するのか?

大学のスポーツ改革に対する本気度が、今問われています。

一番大事なことは、大学にとってメリットがあるか?

そこでは無くて、学生にとってメリットがあるかです。

ここに着目すれば、自ずと結論は、見えてくるでしょう。

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