「勁」をみつけた!?
不思議な感覚に出会ったのでここで詳細に記してみようと思う。
栄養系ではなく身体操作系の話だ。
さっそく具体的に起こった現象をいうと「腕が勝手に動く(挙がる)」である。
「なに?霊的な話?スピ?」
と思うだろうが、そういう話でもない。
スピ系ではなく身体操作系の話だ。
いつもの腕を挙げる神経を使っていないのに自動的に挙がる、という感じ。
これは「そんなオモシロ体験をしよう」と狙ったものではなく
あれこれやってく中でたまたま見つけた。
健康の話なんかと違って、すぐに役に立つようなものではないだろうが
タネを蒔いておくのは大切である。
とりあえず「ふ〜ん、そんなんあんのかねえ」て感じで聞いておけば
数年後に役に立ったりする。
ということで、この体験に至るまでの流れを備忘録的に記しておこうと思う。
まずはこんな気づきから始まった。
最近はちょっとしたご縁があって、月イチ程度で楽しくキックボクシングを習っているのだが
そこで一緒に習っている相方に動画を撮影してもらい、動きのチェックをしたりしていた。
そこで自分のパンチ・キックのフォームを確認していると、どうも違和感がある。
何か全身に力が伝わりきっていないような感じだ。抜けている感じ。
(ちなみに相方は逆に力が入りすぎな感じだw)
この抜けているような違和感はなんだろう…と感じ取ってみると
そこで「常に骨盤が前傾し過ぎている」ことに気づいた。
いわゆる「反り腰」である。
まぁ昔からそうで知ってはいたのだが、改めて改善されていないなと。
そこでガッカリしつつも改善させようと
家に帰ってからも、骨盤を意識的に後傾させて過ごしたり
また後傾させる作用のある筋肉を鍛えたりなどしてみた。
そして目◯の住宅街を、骨盤を大げさに後傾させながらノシノシと偉そうに散歩しているうちに
ふと「腹圧」がうまくかかることに気づいた。
お腹にパンパンに張ったボールができて、腰が安定するあの感じだ。
そのときの自分の感覚でいうと、骨盤を後傾させることと肋骨を逆に前傾させることで
身体の前面がパックマンみたいに開いている状態から、骨盤と肋骨がお互いに水平になる感じ。
もちろんこれは骨盤を後傾させていたから見つけられたことだ。
おそらくこれは僕の身体が開いているからそうなだけで、人によっては逆の操作で水平が取れたりするものだと思う。
おそらくほとんどの人は逆に骨盤を前傾させ、肋骨を後傾させる(胸を張る)ことで水平が取れるのだろう。
(でなければ世に流通する運動アドバイスがこんなに「胸を張れ」ばかりに偏らないはずだ。)
さて長くなってきたがここから話の本題だ。
ここまでをまとめると
「骨盤の前傾に気づく」⇨「後傾してたら腹圧ポジに気づく」
である。
そしてそのポジションを馴染ませているうちに、不思議なことが起こる。
散歩から戻り、再び自分の家で謎の稽古を続ける。
またさっきと同様に骨盤に後傾テンションをかけつつ肋骨に前傾のテンションをかけていたら(ちなみにこれは身体の連動として自然なもの)
なんとなく「站樁功(たんとうこう)」がしたくなってきた。
站樁功というのは手を前に上げてなんかずっと立ち続ける中国武術の謎の稽古であるが
なんとなく「自然に」それがしたくなった。
後でわかるがそれは腕が勝手に挙がろうとしていたのを感じていたからに他ならなかったわけである。
「あ、站樁やろ〜」といった感じで始め
「なんかぜんぜん肩が疲れないなぁ(初心者は肩が疲れって長時間できない)」
「おれ成長してるう〜」
といった様子で楽しくやっていたのだが
しばらくしてふと腕が「楽に」挙げられるどころか、腕が「勝手に」浮き上がることに気がついた。
びっくらポンである。
「勝手に」とはいっても別の場所で操作している感覚はあって
それは先に述べた「骨盤の後傾テンションと肋骨の前傾テンションがぶつかる」その「鳩尾(みぞおち)」のあたりの操作である。
そのあたりの「グーッ」っとくる感覚で遊んでいたら、腕が挙がり始めた感じなのだ。
最初は息を吐いている間しか挙がらず、吸うと少し落ちていた。
本当に自分で挙げている感覚がなく浮き上がっていくため、筋肉を使っていないのかもと思い三角筋を触ってみたら
ちゃんと固く収縮していたので、そこはちゃんと物理であるらしい。
スピリチュアルなフォースではなく、やはり運動神経的な何かなのだ。
とりあえず、一晩寝てもちゃんと再現することができて今ホッとしている。
感覚だからそれなりに細かく見ておかないと、わからなくなってしまう。
まだまだ深掘りしていないのではっきりしたことは言えないが、これはひょっとしたら中国武術でいう「勁(けい)」に関わるものかもしれない。
とりあえず自分の中では勁だと言うことにして、このケイと呼ぶ新しいオモチャで遊ぼうと思う。
現時点でちょっとつまらない解釈をすると
本来は腕を挙げる際に当たり前に使うインナーの筋肉が使えておらずなんならブレーキをかけていて、そこが使えるようになったことで
従来の運動神経では「勝手に挙がる」ように感じられるのではないか、ということ。
そうだとすれば、その腕の上げ方が当たり前の運動神経として上書きされたならば
もう「勝手に挙がる」という感覚は消えてしまうだろうと予想できる。
むしろ逆に従来のブレーキをかけた腕の上げ方をする際に「抵抗をあえてかけて挙げてます!」や「なんか挙がりにくい…」という感覚になるはずだ。
そんな仮説も頭の片隅に置きつつも、囚われずに深掘りしていこうと思う(心配しなくともすぐに忘れるのだが)。
わかりにくい話だったと思うが、昨日(一昨日だっけ?)はそんなことをやっていた。
この先の展開が楽しみである。