2024 マイルCS 予想
土曜の雨の影響で先週の米国持続質的な馬場とは少し変わった様子。
昨年Cコース初週、今年はBコース最終週という違いはあるが、やや荒れた馬場状態の中で瞬発力(瞬間加速力)が求められる、昨年と近いような馬場状態をイメージ。
広い京都+馬場が荒れて馬群がバラける事によって多頭数良馬場のG1でも摩擦は薄いレース質。
摩擦が薄い事によって前走勝ち馬のストレスがマイナスになりにくいので、基本的には前走好走馬を素直に評価していくのが定石か。
凡走組は昨年のジャスティンカフェのような明確な適性での巻き返しを評価する形で。
ブレイディヴェーグ
昨秋は道中で緩みの無い持続的なレコード決着のローズSでマスクトディーヴァに負けて1人気2着。
そこから距離延長で位置取りを上げ、インで脚をためながら京都外回りらしい直線に向いてからの瞬発力勝負に適応してエリ女1人気1着。
この2戦の過程は同じく瞬発力タイプのレーベンスティールが持続ラジオNIKKEI賞で差し遅れ→延長内枠スローのセントライト記念で一気に抜け出した構図と近いイメージ。
前走の府中牝馬Sはレースラップ的にはスロー判定となっているが、先行勢にはタフな流れになっており、この馬は後方でしっかり脚をためる事が出来つつラスト300mでしっかりと瞬間的な加速力を見せての1着。タフな流れなのに最後が加速ラップとなっている事が示すように1,2着馬が他と違うレースをしたようなイメージ。
そして今回、前走1着のリズム保有、今の馬場で必要な瞬発力要素を持っているので一見悪くないのだが、牝馬限定の東京1800という緩い条件からの距離短縮+牡馬混合のG1替わりというこの馬にとってはタフな条件の中でも同じように脚をためてエリ女、府中牝馬のような瞬発力を引き出せるか、というタイミング。
これが良馬場の安田記念なら持続質に寄り過ぎるので即消しで良いが、一定程度緩みのある京都なので完全な消しというのも難しい。来ても2〜3着、掲示板止まりも十分あり得るというイメージで見ておく。
ナミュール
ハービンジャー産駒らしく欧州的な瞬発力を持ったタイプで、昨年のこのレースを制している通りタフな馬場の京都マイルで加速力を求められる所に明確に適性がある馬。
持続質寄りになる安田記念は本来厳しいタイプ(実際良馬場だった2023安田は凡走)だが、今年は道悪になった事で中盤に一定の緩みも出て、今の京都の馬場と同じようにタフな馬場で瞬発力を求めらる形になり対応。
摩擦が薄いレース質なので休み明けぶっつけでも対応可能。マイル路線で使い込まれているが2走前が牝馬限定のVM、3走前が海外という事で鮮度補完も出来ている。
適性通り素直に好走して来るイメージでどうだろうか。気になるのは調教後馬体重が大幅に増えている通り仕上がりの面だけ。秋華賞の時に+20で好走しているが3歳秋のそれは成長分として見れる。完成形になった5歳秋でどう出るか。
チャリン
レース映像を見ると持続的に押し切っているようにも映るが、個人的にはラスト200mくらいで他馬よりもさらに1つ2つ踏み込んでパワー的な加速力を使って突き放しているイメージ。
欧州のパワーが必要な馬場での力強い踏み込み(加速力)が武器の馬だと考えると、日本の軽くて速い馬場ではその良さを活かし切るのは難しいのではと思う。
先週の京都の馬場だと厳しそうだったが、雨の影響で馬場がタフに傾いた事で対応出来る可能性は高まっている。ラストでバテ差しになるような、タフな展開になれば1番強いかなと思うが、昨年のナミュールのように差し決着でもラストが加速で終わるような軽いレース質だと頭は取れないかなというイメージ。
自身のストロングポイントを使い切らずとも、地力のみで押し切られるようであればそもそも適性を推察する必要すらないというレベルなので単純に脱帽。
欧州競馬らしいタイトな馬群の摩擦には強い馬だが、最初に書いた淡白寄りなレース質の中ではその面の強みはそこまで必要ない。
ジュンブロッサム
軽過ぎず、重過ぎずという第一印象で、馬柱の見た目よりは瞬発力特化には見えない挙動。
スロー前残りの超淡白な関屋記念でキレ負けし、格もペースも上がった富士Sでちょうど良い所にハマったような形で差し切り1着。重さがありつつある程度速い脚を長く使えるというバランス感的にはジャスティンカフェのイメージ。
一瞬の加速力という点ではナミュールやソウルラッシュに劣るので、京都の下り坂を活かしてやや持続的に末脚を伸ばして来る、昨年のジャスティンカフェのようなレースイメージでどうか。前が詰まったりすると加速に手間取るタイプなのでバラけた馬群の間をスムーズに突いて来る形で。
ソウルラッシュ
持続力ももちろんあるがこの馬のストロングポイントは加速力(瞬発力)。
2023マイルCS・2024富士Sはどちらも良馬場で、直線半ばで一気にグイッと抜け出て来る所が印象的。道悪の2024マイラーズC・安田記念は重い状況でも何度もギアを踏み込む能力(これも加速力)をフルに使っての好走。
基礎能力と一口にいってしまえばそれまでだが、一定の持続力+強い加速力があるのでG2以下ならかなり安定する馬だが、G1だと好位から抜け出すものの末脚の爆発力のある馬(22MCSセリフォス、23マイラーズCシュネル、23MCSナミュール)や単純にもっと強い馬(24安田ロマンチック)にはやられてしまうというここまでの戦績。良馬場の安田記念(2022、2023)はナミュール同様、瞬発力型の馬には鬼門。
鮮度も薄く、このタイミングで頭を獲り切れるイメージはかなり薄い。凡走しているものの2人気3着、みたいな地力の見せ方はあるので消しも難しいが。相対評価扱いになる。
セリフォス
新潟2歳Sを勝った時に完成度の高さを強く感じていた馬。
その後3歳で2022マイルCSを勝利、4歳の2023安田記念を2着し、その後はG1で馬券圏内無しという戦績。早熟というか、流石にピークは既に打っているかなというイメージは強い。主要路線をしっかり使い込んでいて鮮度も薄く、基本的にここからは下降線を辿るイメージで良い。
ただ前走が折り合いを欠くかなりチグハグな競馬で、今回の外枠替わり+人気落ちでかなりの開放感はある。最後に踏ん張りを見せました、という6人気3着くらいはあり得なくないというイメージ。あくまで3が限度のイメージを持っておいてあとは好リズム馬との相対評価でしっかり下位に置いていくという扱いで良いが。
オオバンブルマイ
近2走がスプリント戦で追走出来ていない。その中でキーンランドではしっかり脚を使えているので延長適距離替わりのイメージで、追走が楽になった中で同じように末脚を使えれば圏内まであっても。
【評価】
◎ナミュール
◯ジュンブロッサム
▲オオバンブルマイ
△チャリン
△フィアスプライド
この下にソウルラッシュ、セリフォス、ブレイディヴェーグという序列で続きますが印は上位5頭まで。
レース中の雨等で馬場が重くなるようならチャリンの評価を上げ、今日よりも軽くなるならジュンブロッサムを高い2番手評価に置くイメージで。