2022 エルムS 予想
【個別分析】
①ロードエクレール SL OP
【個体】脚質から来るイメージ通りSが表に出ているタイプだが重厚な質の馬ではない。一時的なエネルギーの充実期にドドドっと連続で好走して、体力と気力が切れると分かりやすく不振期に入っていく不安定なタイプ。
(1700〜1900)(連チャン⇆不振)
【短評】好調期ではあるのだが、にも関わらず近2走に連対が無いのはあまり良くない。リズムは悪くないが連チャンと呼べるほどの荒々しさはなく、疲労とストレスを中途半端に抱えているという状態。ただそのマイナス面は鮮度とリズムで乗り越えられるのでここを耐えられる可能性は十分ある。ただし頭はとなると自力ではパンチ不足なので2番手以下の馬達の破綻が必要になる。
②アイオライト S
【個体】駆動やエネルギーが前面に出たS系で、補完の体力や精神力はあまり持っていないのでパフォーマンスは安定しにくい。位置を取った上で直線でも脚を使えるのだが、体力が薄いのであまり長くは保たせられないというのも1つの特徴。格や体力で飲み込むのではなく、1つのレースで一定のエネルギーを放出して激走するタイプなので、ゆくゆくは交互質に移行する可能性もあるが鮮度がある間はS系らしく連チャン期と不振期を刻むイメージ。
(直線短)(小回り)(連チャン⇆不振)(交互)
【短評】前走の挙動がかなり好感。明らかに不振期を抜けてエネルギーの充実を感じさせる挙動だった。逃げなくても問題ないというのも大きな収穫で、このタイミングは交互の×をイメージするより、前走のリズムチェンジが連チャンの入り口という見方をしてみたい。
③オメガレインボー MS OP〜G3
【個体】力強い精神力で苦条件を乗り越えたり、横綱競馬で他馬を圧倒するようなタイプではなく、肉体的にも精神的にも走れる状態のタイミングで無難に安定して走れるというのがこの馬の強み。短縮への反応は問題なく、体力要求の強まる延長はあまり得意ではない。
(1200〜1700)(凡走後)(短縮)(人気落ちのタイミングの紐)
【短評】延長続きだった根岸S、マーチSの凡走は許容出来るが、その後の栗東S、マリーンSをどちらも1人気で勝ち切れないのが良くない。前走はそれでも一応4角で5番手まで押し上げて勝負に動いての凡走なので今回が人気落ち+短縮でこの馬の足りない要素を補う事が出来れば面白いタイミングになった。ただ今回はそうではなく上位人気で同距離臨戦。イン差しに構えての着拾いなら可能性は否定しないが、自ら勝負に参加して勝ち切れるイメージは薄い。
④ブラッティーキッド LS OP〜G3
【個体】体力と完成度の優位性で飲み込んでいくタイプでSの激しさやキツさはあまりなく、精神力は多少。
(1700〜)(ダウン)(上位人気時)
【短評】連勝のリズムをS系の連チャンという捉え方はしなくて良い挙動。格下相手向きの完成度系なのでアップの局面では疑って見ていくのが無難。かと言ってこのタイミングで大崩れするほどアンバランスな馬質でもないので、この馬を基準にしてそれを超えられる馬がいるかどうかという見方で良い。馬体の大幅増減に注意。
⑤アメリカンシード SL OP〜G3
【個体】基本的には精神力の薄いSL系のイメージで問題ないと思うが結局まだ本質は計れていない。OP入りしてからは連対した平安Sも含めSの駆動の力強さがあまり感じられないので、長期的な不振期か、量が削がれて単純に頭打ちに遭っているかの2パターン。
(1800〜2000)(ダウン)(連チャン⇆不振)
【短評】休み明けでリズムチェンジで不振期を抜けてガラッとパフォーマンスを上げて来る可能性は無くはないが、まず好走のリズムなのか不振のリズムなのかの丁半博打。そして仮に走ってきたとしても重賞で頭を獲り切れるほどの力強さはまだ感じていないのでここには手が伸びない。
⑥ウェルドーン LM OP
【個体】休み明けダウン向きのL系で、体力の充実度で押して行くタイプの馬。補完のSとCは無くはないがそれなりにという程度。
(1700〜)(休み明け)(ダウン)(外枠)
【短評】休み明けダウン馬体増でリフレッシュされていた前走がドンピシャのタイミング。元々苦条件を乗り越える資質はあまり無いタイプなので楽→苦になる今回は基本的に難しいという見方。
⑦ヒストリーメイカー SL G3
【個体】パワーと体力メインで構成されていて一定の能力はあるが精神力はそこまでない。量っぽさが薄く、休み明けから横綱競馬をするというよりは1つ叩いて軽く人気を落としてからどっこいしょと走ってくるようなイメージの馬。
(1700〜1900)(短縮)(中〜外枠)(凡走後の人気薄時の紐)
【短評】前走の激走は読み辛かったが、単純に高齢馬が馬体を減らしていきなり激走した直後なので少なからず反動が出やすいタイミング。充実したSで連チャンイメージで乗り越えるイメージも薄い。
⑧ダノンファラオ L OP〜G3
【個体】体力以外の要素に欠けるL系。地方の長距離等でダラっとしたこの馬でも雪崩込めるようなレースならやれる。
(1800〜)(地方)(ダウン)
【短評】割と忙しい中央の1700の重賞で巻き返せるイメージは薄い。
⑨フルデプスリーダー SM SC OP〜G3
【個体】S主体のまとまり系、もしくはセカンドクラスのSC系で、格上げや馬群を苦にしないように精神力はしっかりと持っているタイプ。G1まではイメージ出来ないがOP〜G3でちょこちょこ良い穴を開けそうな質の馬。体力が豊富なタイプではない。
(1400〜1700)(内〜中枠)
【短評】欅Sはがっつり馬群に包まれて脚を余しており、大沼Sはスタートで躓いて後手を踏んでしまったためどちらも酌量の余地はある。前走はその前2走の煮え切らない内容からの開放感も利したが良い内容ではあった。質的にはアップ混戦どんと来いという馬だが、力強さと能力レベルには若干の疑問が残る。前走以上に恵まれる事はなさそうなので精神力を活かして善戦するものの掲示板〜3着までというイメージが強い。鮮度持ちなのでストレスはそこまで気にならない。
⑩ブラックアーメット LS OP
【個体】よくある体力差しのタイプ。器用さに欠けるので基本的に外差しでどこまでやれるかという馬。
(1600〜2100)(中〜外枠)(ハイペース外差しバイアス)
【短評】OP入りしてからのレースで特筆すべき内容は特にない。自力では足りない体力差しタイプなので展開破綻待ち。
⑪ロードレガリス CL G3〜G2
【個体】あまり忙しくないレースで精神力と体力のバランスの良さを活かす良質馬。この馬の本質が現れているのは連覇しているアルデバランS。1度目は初OP挑戦でスワーヴアラミス相手に着差以上の内容。2度目は叩いてリズムをつけながら延長でがっつり捲って1人気で完勝。まだ重賞未勝利なのが違和感があるレベルで、G2でも2〜3着争いなら可能。
(1800〜2100)(叩き2走目)(中央)(延長)(中〜外枠)(捲り)
【短評】体力と精神力で持続的な脚を長く使うのがこの馬の特徴。長期休み明けだった前走が小倉1700の忙しいレースで、内枠で後手を踏みながらほとんど直線でしか脚を使えないという本質的に合わない形の競馬でも躍動感を持って追い込み4着。延長ベターだが前走よりは走りやすい条件になるのでここは素直に叩き2走目を買いに行って良い。4角で前を射程に捕らえられているかどうかが鍵で鞍上だけが不安な点。
⑫スワーヴアラミス LS OP〜G3
【個体】体力自体はG3レベルにあるが、それを駆動させるSだったり精神力の部分が1枚劣る。OPならある程度量も効き、体力と格を活かした横綱競馬が出来るが、重賞では展開の助け無しの自力勝負では厳しいという能力レベルの評価(展開向いた2022東海S1着、展開の助けのない2022平安S5着)。OPなら横綱、重賞ではごっつぁん体力差しでどこまでかというイメージの馬
(1700〜2100)(ダウン)
【短評】連チャンイメージでパフォーマンスのピークらしい挙動を示した昨年の同レースから上昇カーブは描いていない。帝王賞凡走後のダウン臨戦になるので精神的、肉体的には走りやすいタイミングだが、ここで勝負に動いて圧倒出来る力はないという判断になる。短縮を活かして差しに張って棚ぼたの体力差しが決まるかどうか。
⑬バティスティーニ SM OP〜G3
【個体】追い込み脚質だが先行力がなくて体力差しの形を取らざるを得ないLS系の追い込み馬とは違って、逃げ馬と同じように自らのSでしっかりと追い込んでいるタイプ。一定の精神力もあるがあくまでSM系の範疇。体力カテゴリーに寄ると良さが薄まりそう。
(1400〜1700)(短縮)(人気薄時)(内〜中枠)
【短評】前走の挙動も悪くないし高齢馬の叩き2走目でひと仕事するのには悪くないタイミング。他の展開待ちの体力系差し馬よりは紐で期待したくなる馬。
⑭ダンツキャッスル LS OP
【個体】体力差しのLS系。OPで自力で勝ち取ったイメージの連対は未だに無く、個体能力はそこまで高くない。
(1700〜)(中〜外枠)(ハイペース外差しバイアス)
【短評】近2走の挙動に特に光る要素はなく、今回もそれなりに追い込んで来ても届かずというイメージになる。展開待ち。
【評価】
◎アイオライト
◯ロードレガリス
紐で面白いのは1と13。ただ人気所がどれも3着はありそうで消し切るのは難しいので連系ではなく焦点を絞って単複で。
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