2022 天皇賞・秋 回顧
【評価】
◎イクイノックス
◯ポタジェ
▲ジャックドール
1着:イクイノックス CS G1.5〜G1
まだ奥行きはありそうだが皐月賞の時より挙動の質を上げて来ている。東京の20とか24向きの王道タイプの繊細で崇高なCS系で、グランプリのような少しズレた体力舞台では若干パフォーマンスを落として来そう。1番強いかどうかは分からないが、今回のメンバーの中で1番良い馬。ここで2着ではなく1着まで来たのは大きい。
2着:パンサラッサ SL G2〜G1.5
体力や格云々よりも強いSを感じる内容。ここでこういう強い形を出して来る陣営と、それに応えた馬に一泡吹かされました。有馬と宝塚をしっかり凡走しておきながら秋天2着となると、パワーや体力一辺倒な走りの印象とは違って王道系の馬という可能性まで出て来る。今回の激走をたまたまとせず、しっかりこの馬の底力として評価したい。ダウン道悪みたいなL舞台で安直に評価するのではなく、S要求の強い条件・タイミングで期待を持って見てみたい。
3着:ダノンベルーガ LS G2
基本的にはダウン向きのLS系差し馬で、今回は前哨戦を使わなかった事によってフレッシュな状態で走る事が出来た。この馬なりに躍動感を持って高いパフォーマンスを出しているが現状は能力、質共にまだ足りていないという事。良質過ぎて皐月とダービーを走らなかったというパターンもなさそうだしダウンホース扱いで問題なさそう。
4着:ジャックドール LC量 G2
多くの陣営やジョッキーや競馬ファンが、想定以上のパフォーマンスをパンサラッサに繰り出されてしまっただけで、ジャックドールと藤岡も漏れなくその一部に過ぎなかったというだけ。パンサラッサが(想定していたように)垂れていればイクイノックスともう1頭に差されて3人気3着という好走でも凡走でもない無風の結果で、この馬は決してG1級の馬ではないのでそれで特に問題は無かった。G1では量が効かず戦える武器も少ないが、G2までなら脚質とそれなりの馬質とギアチェンジ性能を武器に十分やれる。
5着:シャフリヤール ML G2.5
精神力や馬質の不足を、軽いスピード的なLの運動神経で補っている馬が威張れるのがダービーという舞台。個人的には昨年のJC3着の時点でこの馬に関しての評価は既に厳しかったです。鮮度という次元でもないし、マイルで精神構造を問われるくらいなら有馬とか宝塚でなりふり構わず3着を必死で狙いに行く方がまだ好感が持てる。
6着:カラテ LSM G3
非C感が強くてLに振れているならここはもっと負けると思うが、中途半端に良質なダウンホースと考えると納得のいく挙動。やれる事は多いがピンにもパーにも振り切れられないというイメージの馬質。その中でしっかりと1着を獲り切れているニューイヤーと新潟記念という2つのダウン戦の挙動はやはり良い。
7着:マリアエレーナ S(C) G3
別路線を歩んで来た異端性や鮮度的な強みよりも、格下のレースを使われて来た能力面の不足が結果に出てしまったという見方。タイプ的にも秋天やJCでどうこうというより、小回りのSっぽいレースでこそ脚質と鋭さが活きるというイメージの馬。
8着:ユーバーレーベン LC G2.5
精神力の補完があるタフな体力系の牝馬。秋天・JC<阪神エリ女・有馬という非根幹体力条件向きのズレた馬質。今回の挙動を見る限り体調面の問題はなさそう。次走有馬なら紐でどうかというタイプ。
9着:ジオグリフ LS(C) G3〜G2.5
徐々に本質が出て来た。春まではCが強く働いていたが基本的な構造としてはやはりフィジカル主体の体力LS系。ダートに行ったらかなり良質な部類に入ると思うのでそれなりに活躍出来ると思うが、セカンドクラスの舞台ならまだ芝で十分やれる。道悪の中山記念とか。
10着:アブレイズ LC G3
タフな体力条件向きの牝馬だがユーバーレーベンよりは劣る。巻き返し能力はあるのでダウンでの得意条件替わりに注意。
11着:ノースブリッジ SL G3
パワー(S)の強さを精神力と勘違いしてしまうパターンだったのかもしれない。エプソムを馬質ど真ん中という雰囲気で押し切って、格上げで差しに回って軽く躍動感を見せるも掲示板止まりの馬という結論がしっくり来る。リズムがある状態でのダウンで威張れるイメージの馬。
12着:カデナ L OP
駆動が落ちて重くなっている。G1では流石に厳しい。非根幹のローカルG3ならまだギリギリまとめられるというレベル。
13着:ポタジェ M(C) G2
ハイペースの展開破綻に振ったのか分からないが、どちらにしても後方からではこの馬の良さは活きない。叩いての人気落ちに注意。
14着:レッドガラン M(LC) G3
今回の結果についてどうこうはない。個体の中に強いSはなく、精神面も含めた安定感と補完の体力を活かして無難な好走をするタイプ。前哨戦らしい単調なレース質より人気落ち時の混戦向き。
15着:バビット S G3
S1本でハマるかどうかの1発タイプで、G1で楽に運ぶのは難しい。G1凡走後のダウンで開放感を使ってどこまでかというイメージ。
イクイノックスの複勝下限1.2倍がキツくて手を出せず、複勝代わり、、になっていない3連複を外してガミるというダサい結果。
1着のイメージを持ち切れなかったのも事実なので、こういう時の立ち振る舞いは今後への課題として、今回の負けをしっかりと受け止めたいと思います。
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