リラックスと大爆笑、静寂と祭りが混在するリトリートin Bali Vol.3
「リトリート」
それは穏やかに自己分析したり、深く深く自分の奥と対話する、と思っていた。このバリのリトリートに参加するまで。
あらら、いつからこんなテンションになって、頭の中や心をパカーンと解放されたのかしら?
こう聞かれたら、間違いなくこの瞬間から。つまり「サウナ」。
ロシア式サウナ「Banya(バーニャ)」
泊まっていた宿には、前も後ろも、右も左も「心地よい」しかない。瞑想してヤムナやってピラティスやって鳥の声聴いて、と至福のゆるやかタイムを「シャーラ」で満喫していた。
その隣に見つけた「サウナ」、いやバーニャ。
日本で今流行りのサウナとはまた違う、蒸し風呂というか。どうやら、10世紀ごろにはこのようなスタイルがあったという、伝統あるサウナなのです。
何故この常夏の国、バリで日本人がロシア式サウナなのか、もう暑さなのかハイテンションなのか分からないけど、やたら興味を示すご一行様。
もともとリトリートのプログラムには入っていないサウナ。そりゃそーだ。なんでピラティスとヤムナをしにバリに来てるのにロシアのサウナ入るんだ?!だよ。
が、あまりにも食い気味&前のめりな我々に、敏腕コーディネーターが諸々調整を付けてくれ、なんとも珍しいサウナ体験に誘ってくれた。
入る前にはお帽子をかぶります。なんと、すんごい熱いんだとか。おお、気持が高ぶってきたぞ!
好奇心いっぱいな私たち。次々にお帽子をかぶり、布を巻き、バーニャに入る準備をする。
もはや、ジャングルに潜むどこかの部族。ウンパルンパの友達みたいなのがワラワラと集まってきた。(※撮ってる私も同じ格好の部族です)
バーニャでは、レモングラスやらラベンダーなど、様々な香りのお水を入れて蒸すというスタイルで、15分間この中で蒸された後に、キンッキンに冷えた水の中に頭までザブンと浸かるもの。
サウナーでも何でもない私。日本だったら15分のバーニャも氷水にドボンも「いや、遠慮するわ、寒いし」と断っていたかも。
が、なんでもありなバリの地だからこそ、えいやっとやってみる。バーニャの一連の洗礼を受けた後は、熱さでフラッフラになりながらも、一緒に入った仲間たちとの、えも言われない連帯感と充足感で満ち満ちていた。
面白くなってきたぞ、バーニャ
もともと、このバーニャ、とても静かに落ち着いて過ごす場所。実際私たちも静かに蒸されながらヨガでよくやる「オーム」唱えてました。
南国バリでロシア式サウナ入ってオーム唱える日本人て!暑さで朦朧とした頭で、「こりゃなかなか滑稽な図式だぞ、帰国したら絶対noteに書くぞ」なんて決めていた。
2ラウンド目はミントの香りで蒸されること再び。1回目のオームとは異なり、太鼓とか出てきて祭りみたいになり、どんどん楽しくなってくる。短いですが動画をあげたので祭りの雰囲気だけでもどうぞ。
最後はひとりひとりユーカリの葉でワシャワシャされ「ほれ、オマエ出ろ」みたいに放り出される。
2回目のミントは、なんと外に出るとさっきまでサウナにいたのに「寒っ!」となる不思議現象。
とはいえそこに居た大多数が、日常できっちり締めていたねじがほぼ全開したのは言うまでもない。
この人ら、同じグループの人なのに、バーニャ担当のロシア人とキャピキャピしてるし。ダブルデートの瞬間に居合わせたみたいで私のほうが照れ臭くなる。ってどんなシチュエーションだよ!
この時点でまだ2日目、到着してから24時間経ってない、ほぼ初めましての仲間たちと、大爆笑して大盛り上がり。
それからそれから
裸の付き合いとはよく言ったもので、お帽子と布巻いたウンパルンパたちは、すっかり胸襟を開いて、何のこだわりもなく、お互いを心底信用して過ごしていた。
日本人の方がバリで営むお洋服の出張販売では、絵に描いたようなバーゲンセールみたいな熱気で会場はヒートアップするし(笑)
超ド級な規模のお祭りがおこなわれている中、バリの正装、サロンを皆で巻いて歩こうと皆でレストランで巻き巻きするなど、いちいち大盛り上がり。
「リトリート」
この言葉の定義は、あるようで、無い。
もちろん自分を見つめ直したり、リラックスしたりする場や時間ではあるものの、結局はそこに集う人たちの持つエネルギーが化学反応を起こして作り上げる空間こそがリトリートなんだと思う。
だからどんな空間が創られるかは分からない。化学反応というパチンと火花が飛ぶ瞬間、それが今回の私たちは「バーニャ」だったのかもしれない。
だから、静かな場所でリフレッシュする筈のバリのリトリートに、大爆笑や祭りというエッセンスも加わり、結果リラックスと大爆笑、静寂と祭り、何なら涙とハグと仲間たちという、部屋とYシャツと私みたいな、盛りだくさんな素敵リトリートになったのでした。
12月2日 サカシタカオリ