死ぬ前に見ておきたい映画100
これは、僕の個人的なリストになる予定です。
とは言っても、今すぐ僕が死ぬ訳でも、死を宣告された訳でもありません。ただの準備です。
今ある膨大な映画群の中から、死を宣告されたとき、限られた時間の中で、慌てずに、鑑賞するためのです。
映画
それは数ある人類の発明品の中でも群を抜いて傑出したものです。
(火、鉄、文字、数学、自動車、飛行機、電気などと並んで)
また、多くの産業や雇用を創出してきました。
(映画館、俳優、脚本、音楽、メイク、映像技術、機材、CG、等々)
そして何よりも、一通りの生き方しか出来ない我々に、色々な人生を体験させてくれました。
そして僕は思うのです。まだ何か見落としはないか?
これから一年かけて、このリストを完成させる。
それが、一つの目標です。
選考基準
これは僕の独断となるのですが、基本的にストーリー重視で選考したいと考えています。
この世界に産まれて、その作品を知らずに死んでいくという悲劇を
無くしたいのです。
そんは訳で、誰が俳優であるとか映画監督であるとか、そういう基準では
選びません。(避けては通れないとも思うんですけどね)
そしてまず僕が選ぶ映画は
「卒業」です。
もしも僕が死の宣告を受け、落胆し、それでも残りの人生を生きる決断をして、まず見るであろう映画です。
(そういう意味では、リストにする意味はないのですが)
それはきっと、僕が一番最初に好きになった映画だからだと思います。
思春期に、映画といういものを認識し理解し、鑑賞した最初のもの。
あらすじは
「ある有名大学を卒業した青年が、裕福な実家に帰省して、無為に過ごし、欲望のおもむくままに行動し、その結果、大事なものを無くし、そして本当に大事なものを発見する」とまあ、こんな感じです。
こういう風に書くとどこにでもあるストーリーですね。
もう少し書くと
父親の親友であり共同経営者である奥さん(ロビンソン夫人)から誘惑され、それにのっかり不倫を続け(主人公の青年、ベンはそれまでは童貞だったと思われる)、その後ロビンソン夫人の娘(エレーン)が大学の夏休みに帰省し、両親にエレーンとのデートを勧められ、最初は断っていたが(ロビンソン夫人はデートに反対であった)どうしても断り切れずに一度だけ会うことになる。だけど実際にデートをしてみるとエレーンに惹かれ、会う毎に好きになり、その事をロビンソン夫人は許さず、娘の前で二人の関係を暴露してしまう。大学に戻ったエレーンをベンは追いかける。彼女の大学の近くに住み、エレーンに付きまとう。エレーンは最初、拒絶するが次第に本当の自分の気持ちに気がつく。その状況を知ったロビンソン夫妻は無理やりカールという医学生とエレーンを婚約させてしまう。そして結婚式を挙げさせようとする。それを知ったベンは教会に向かう。父親からプレゼントしてもらったアルファロメオスパーダ―で。ガス欠したあとは大学生の頃、陸上部で鍛えた足を使って、走りぬく。教会に着くと今まさに結婚式が執り行われている。それを目の当たりにする。そして教会の鐘を打ち鳴らしベンは叫ぶ。「エレーン!エレーン!エレーン!」鐘のように何度も叫ぶ。ロビンソン夫妻の憎悪に満ちた顔。エレーンの葛藤。そして叫び返す。「ベン!」二人は制止を振り切り、走って教会を後にし、バスに乗り込む。エンド。
現代のアンチ不倫という文化からすると、受け入れがたい内容ですね。
とても「皆様、是非、見てください!」という内容ではない気もします。
それでもこの映画を僕が支持する理由は、衝撃的なラストと
それを支える美しい音楽にあります。
(音楽はサイモン&ガーファンクル)
結婚式場から花嫁を奪うという行為を、それに至る様々なシーンが美しい音楽に支えられています。紆余曲折にあったものが、一つの結果を生み出す。
それは決して褒められたものではないけれど、その責任を二人でとっていく決断をする。それらを目の当たりにする。
今度はそういう視点で見てみようかな。
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