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【Session4】逗子市民向けのワークショップ!「見えなかったものが見えてくる⁉︎」
開催日時:2023年12月
場所:市民交流センター(神奈川県逗子市)
参加者:4名
行政が提供してくれる活躍の場を活用しよう!
私が住んでいる逗子市では、「市民講師」という制度がありまして、ヨガやラッピング技術、歴史など様々なジャンルの方が講座を開催され、ご活躍されています。
私も市民として少しても地域に還元できることがあればと思い、市民講師の登録をすることにしました。
まだまだ「対話型アート鑑賞」は知名度が低く、個人で活動を行なっていくには、このような行政の制度を利用していくことも大変重要なのです。
早速窓口に伺うと担当の方がご興味を持ってくださり、初回の講座の開講についてもお手伝いをいただけることになりました。
まずは、市民講座の登録ということで概要のまとめられた動画の視聴と指定された必要書類の提出などを経て、無事に登録されました。
市内の掲示板やSNSで開催の告知をしていただけることになり、友人のIさんに描いてもらった素敵なイラストを市民交流プラザのデザイナー・柴田さんの手により素敵なチラシに仕上げていただきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1709182456949-ZmNtYnyPwJ.jpg?width=1200)
そうして4名の素敵な方々がご参加くださいました。
20代〜60代の幅広い年齢の方々でとっても和気あいあいとした雰囲気でスタートしました!
◎アイスブレイク
今回もアートカードを使用して、「もう一人の自分」を選んでいただきました。
◎対話型アート鑑賞
1枚目 オーギュスト・ルノワール「シャトゥーの舟漕ぎたち」を鑑賞。
2枚目 イリヤ・レーピン「水の下の王国のサトコ」を鑑賞を鑑賞。
![](https://assets.st-note.com/img/1709182520443-yzCIIK3qqH.jpg?width=1200)
海の街らしい題材の絵画を探して・・・
逗子は海の街なので、少しでも海に関連があり、なおかつ、開催日がクリスマスに近かったので幻想的な要素もある作品はないかな、と探していました。
Instagramでアート作品を紹介しているアカウントなどを参考にすることもありますが、書籍「365日物語のある絵画」(解説・監修 海野弘/PIEより発売)はとても重宝しています。眺めているだけで楽しくて、ずっとずっとパラパラめくってしまいます
今回は幻想的で目に留まったイリヤ・レーピンの「水の下の王国のサトコ」がイメージにぴったりだったので、取り上げることにしました。
手前に描かれているものばかりが重要ではないのでは?
実は、このWSでは参加者の方の気づきに私もハッとさせられることがあったのです。
1枚目の「シャトゥーの舟漕ぎたち」の鑑賞が進んでいく中で、だんだんと背景にも視線が移って行きました。
そうすると、参加者の方が「つい手前に描かれているものが主題と思ってしまうけれど、奥に描かれていることが大切ということもあるのかな」と仰ったのです。
確かに、私たちはどうしても手前、中、奥の順に重要性を考えがちではないでしょうか。
でも視点を変えてみると、奥に描かれているものが重要性最下位とは限りませんよね。大切なものは奥にしまっておくことだってあります。
私はこの作品を何度も見て、WSでも扱ってきましたので、奥に描かれている風景が特別な意味を持っているわけではないと「知識」として知っていたのですが、平面の絵画の中に奥行きを見出して、鑑賞者の方の複眼的思考が芽を出した瞬間とその視点にはハッとさせられるものがありました。
私の今後の鑑賞にも役立てるべき素晴らしいヒントをいただきました。
猫、再び・・・
4名だと、予想以上の対話のテンポが軽快になります。進行がだいぶ早かったので、急遽PCを使用して3枚目ウィリアム・ホガース「当世風結婚2」も鑑賞することにしました。
すると、この時も「この人のお腹をこちょこちょしたい。猫にするみたいに」という発言がありました。
チセさんでのWSの時に続いて、またも猫!と私は内心驚いて、愉快な気持ちでおりました。
果たして、そこに描かれているのは人なのか猫なのか。
正解がないって謎が深まりますよね。楽しいです。
◎実践としてのイメージワーク・音を描こう
最後はある音を聴いてイメージを画用紙に描いていただきました。
使用した画材はクレヨン、サインペン、色鉛筆、です。
10分間、集中して絵を音から広がるイメージを描き出していただきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1709182770447-nrM7fB6DII.jpg?width=1200)
同じ音を聞いても頭の中に広がる景色はそれぞれ。
4人いれば4人それぞれの景色が心にあるということがわかりました。
それを共有することで、自分にあって他にないもの、自分になくて他にあるもの、それぞれを組み合わせて生まれてくる新しい世界へと輪が広がって行きます。まさに、正しいも間違いもない世界がそこにありました。
『もっと抽象的な音楽でも良いかも』とご感想をいただいたので次回はぜひ、そんな音を探してみたいと思います。
【参加された方のご感想】
「現代アートの鑑賞会に参加してみたい」
「自分の思い込みが他の方の意見を伺うことで溶けていく感覚があった」
「他の方の意見や気づきを聞けるのはとても楽しい」
コミュニティの創出とWS開催の意義
私がこの日とても嬉しかったのは、少し挟んだ休憩時間に、その日初めて会った方々が年齢なども飛び越えて「映画がお好きなんですか?」とお話しされていたことです。このWSに参加されなかったらきっと出会われなかったであろう方々が、親しげにお話しされているその様子はWS開催の意義を私に感じさせてくれました。
もしかすると短時間で打ち解け合うには4〜6名程度が適切な人数なのかもしれません。
これは今後のWSにも生かして行きたい発見となりました。
2回目も参加したいと言ってくださった方もいらっしゃったので、ぜひまた逗子市での開催を準備したいと思います。
*書籍「365日物語のある絵画」PIEサイト
*逗子市市民講師ご案内
https://www.city.zushi.kanagawa.jp/nanisuru/index.html
Vol,5へつづく