
【Prologue】花やチセさんとの出逢い
私にはアートマインド®︎コーチの養成講座を受講している頃から実現してみたいワークショップのアイディアがありました。
それは、対話型アート鑑賞とフラワーアレンジメントのイメージワークを組み合わせたワークショップ(以下WS)の開催です。
対話型アート鑑賞で研ぎ澄まされた感覚をもとに、実践としてフラワーアレンジメントで五感をフルに働かせたら面白いのではないだろうか?という思いつきに近い閃きでした。
一番初めに思いついたのは、花束の描かれている絵画を選び、花束が描かれている部分だけを目隠しした状態で対話型鑑賞を行い、目隠しされた花束をイメージして制作してもらうというものでした。
しかし、大きな問題は、花屋さんにツテがないことでした。やる気はあるし、やりたい企画もあるけれど、一体どうやってこの構想を実現すべきか…。考えている中で、数年前に一度、クリスマスリースを制作するWSに友人と訪れた辻堂の「花やチセ」さんが漠然と私の頭に浮かび上がったのです。くすみカラーのお花に囲まれたとっても素敵な空間でこのWSを実現させたい!と思い、ダメ元でお問い合わせフォームから、「こんなことをやりたいと思っているので一度お話を聞いていただけませんか」という旨を熱を込めて綴り、アタックしました。当時は他に思いつく先がなかったので、大げさですが、運命を賭けた飛び込み営業でした。
すると、数日後に「一度お話を聞かせてください」というお返事をいただくことができ、資料を携えて、辻堂の店舗へうかがうことになったのです。
ブルーグレーの壁が印象的な店内には、相変わらず愛らしい花々がやさしく活けられていて、やや緊張気味な私をそっと迎え入れてくれました。中央のテーブルに座らせていただき、渾身の企画をプレゼンしました。
これが2022年11月のことで、アートマインド®︎コーチとしての第一歩でした。
店主の小笠原さんがアートにとても関心のある方ということが幸いして、その場で第一回目の開催が決まりました。
私は少し夢見心地で、でも、やる気がじわじわと湧いてきて準備に取りかかりました。
花やチセさんとの出逢いが私のアートマインドコーチとしての活動の出発地点となったのです。
花で表現する「価値観の違い」は美しい
このWSでは、同じものを見ているのに、感じ方は人それぞれこんな風に違うのだという、日常に潜む「考え方の違い」や「価値観の違い」をアートと花を通して具現化していけたらいいなと思っています。
「考え方の違い」や「価値観の違い」というと、なんだか永遠に分かり合えない壁の様なネガティブな印象がありますが、それが、美しい花束や詩や、香りとなって目の前に現れたら見え方、感じ方が変わるかもしれません。
価値観の違いの素晴らしさ、考え方の違いの面白さ、多様な捉え方の奥深さ、それを讃え合うことの大切さ。
そこには正解もなく、間違いもない。ただ、感じたままの感性を讃え合う、誰もが讃えられる空間であることを目指しています。
そんな思いを込めて、「Lob(ロブ)」という屋号とともに、チセさんだけでなく、多くの方の力を借りて活動をしていきたいと思っています。
よろしくお願いいたします。
*花やチセさんの情報はこちらから
https://hanaya-cise.com/